狗巻棘
一通り資料に目を通した 狗巻くんが、
文章と問題を指で なぞりながら説明してくれる。
狗巻くんとの会話も 慣れてきた私は、
ゆっくりと意味を砕きながら 頭を働かせた。
漆間恋姫
狗巻棘
狗巻くんの説明に沿って 問題を解くと、
狗巻くんは手でOKの ジェスチャーをした。
その後もいくつかの 問題を教えてもらい、
空はすっかり朱色と群青色が 混ざっていた。
漆間恋姫
と顔を上げると 狗巻くんと目が合う。
思っていたよりも 距離が近くて、
心臓が凍りついたように 体が固まる。
それは狗巻くんも 同じだったようで、
アメジストのような 深い紫色の瞳から、
目が離せなくなった。
漆間恋姫
あ、と口が動いて、 でも声は出ない。
もどかしい感覚に焦りを 感じつつ目を逸らした。
沈黙に自分の鼓動が やけにうるさくて。
慌てて何か喋るために スマホに手を向けると、
その手を狗巻くんに 取られてしまった。
漆間恋姫
"えっ"という声が 首の締めつけで空気に変わる。
握られた手が熱くなって、
そこからじわじわと 顔にまで熱が伝染する。
"好き"って今1番言いたい 2文字が出なくて、
喋ろうとすればするほど 喉が焼けるように痛い
その苦しさに、 気付けば涙が零れていた。
コメント
8件
もう最初から青春感じました🤦🏻♀️🤦🏻♀️ 狗巻先輩の目が1番好きです🫣 うわんもう沼すぎてすきです!!! いきなり手握ってくるのは反則です>_<♡
あぁ"もうほんとにもどかしい😭 好きっていうその2文字が言えないの辛いよね😿 表現の仕方が大好きすぎる🫶🏻💗 すんごい切なくて泣けてくる🤦🏻♀️
めっちゃ青春恋愛感つよつよでお気に入りです!!🩷 「朱色と群青色が混ざっていた」って言葉が大好きすぎて、!!😭😭💗 悲しすぎるぅ……好きっていう二文字が言えないってすごく辛いと思います……😭😭 幸せになってください…😭😭😭