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愛の酔闇(よいやみ)

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愛の酔闇(よいやみ)

1 - 愛の酔闇(よいやみ)第1話

♥

558

2020年08月26日

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陽平

彼女と別れた

え?なんで?

陽平

浮気してた

うそだろ?どんなやつと?

陽平

知らねぇ。知りたくもねぇし

まあ…それならいいんだけど

どういうふうに浮気してたんだ?

男と連絡取り合ってたとか?

陽平

それよりもっとひどい

何があったんだよ

陽平

今から俺の家に来いよ

陽平

詳しい話はその時な

1つ確認したいんだけどさ

別れた彼女が荷物を取りに

家に来たりしないよな…?

陽平

その心配はいらねぇ

陽平

あいつの荷物はねぇし

陽平

合鍵も玄関ポストの中に

陽平

入れといたっていう連絡が

陽平

あったくらいだからな

陽平

俺の家には近寄らねぇだろう

それだったら大丈夫そうだな

わかった。すぐ行く

僕は陽平の家のチャイムを押した

(…あれ?反応がない…)

(着いたって連絡したのに)

(寝てるのかな…)

僕は窓から部屋の中をのぞく

(なんだこのお酒の量!?)

(どう見ても飲み過ぎだ!)

(それで意識を失ったのか)

陽平!!大丈夫か!?

僕は玄関の扉をドンドン叩いた

(…ダメだ、返事がない)

(どうしよう…そうだ!)

(彼女は玄関ポストの中に)

(合鍵を入れていったはず)

(あった!これで…)

(開いた!!)

陽平!大丈夫か!?

陽平はテーブルに突っ伏している

陽平

ん?…旭か?

陽平

悪りぃ。飲み過ぎたみてぇだ

わかってる。水持ってくるよ

水をゴクゴクと飲み干す陽平

陽平

はぁ〜。生き返った〜

ったく、アル中でぶっ倒れてるのかと思ったよ

陽平

助かったよ。ありがとな

別にいいって。あ、そうそう

僕は陽平に鍵を返した

陽平

美月のか

そんな嫌な顔をしなくても

一体どんな別れ方をしたのさ

陽平

この写真を見てくれるか

陽平

新聞配達中に偶然見かけたって

陽平

昴が撮って送ってくれたんだ

それは、ビルの前で男女がキスをしている写真だった

これは…黒だね

男の方の顔はよく見えねぇけど

女の方は…

陽平の彼女だろ?これ

陽平

ああ。間違いねぇ

陽平

あいつも認めやがった

それは別れたくなるね…

陽平

だろ!?許せねぇよ!!

陽平

おまけに、俺に隠れてキャバ嬢やってたんだぞ!?

陽平はテーブルに拳を叩きつける

今日突然こんなことになって

気持ちはわかるけどさ

こんなに酒飲むのはよくないよ

少し冷静になって考えてみたらどうだ?

どうせカッとなって怒鳴っちゃったんだろ?

キャバ嬢やってたのも、なにか理由があるんじゃない?

お前は…

…後悔、してるんじゃないのか?

もう一度、ちゃんと考えて話し合った方がいい

陽平

…ああ。お前の言う通りだな

陽平

美月とのこと…ちゃんと考える

ははっ…あはは…

はーっはっはっはっはっ!

僕の高笑いが辺りに響き渡る

(すっかり騙されてやんの)

(陽平はいいやつだもんな)

(友達は疑ってないか…!)

(でも残念だったな陽平)

(美月ちゃんの浮気相手は)

(この僕さ…!!)

僕はニヤリと笑った

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