ルユイア(過去)

雫が目を覚ました時、雫自身はベッドの上に横になっていた

上手く頭が働かない。 ここが黄泉の国。地獄だの天国だのと言う場所だろうか？

目線を動かし、周りを見てみる。 雫には身に覚えが全く無い部屋だ

雫は首吊りに失敗し、施設に預けられてしまったのでは？

仮にそうだとしても、身体に後遺症が無いのはおかしい。頭痛はするが、そこまで酷いワケでも無い

…やはり、ここは黄泉の国とか、そう言う…死んだ後の世界なのだろうか。

…仮にそうだとして、死後の世界にベッド何て物があるのか？

雫は少し体調が回復したと思ったのか、ベッドから抜け出し、立ってみる

…少しフラつき、ベッドに座り込んだ。 まだ休んだ方が良いだろうか

だが、ここは雫にとって知らない部屋である。 この小さな部屋に何か悪意のある人間が来れば、雫は成す術が無い

雫はこの部屋から出るか、まだ休むか考え始める。速く決めなければ

…こんな時、恵が居たらどんな行動を取るのだろうか

恵の事を考えた瞬間、雫の頭が真っ白になってしまった。

雫はベッドに横になる。 これ以上、失う物は特に無いと思ったのだ。

すると、部屋の入り口である扉が開いた

謎の女は、雫に近づき、目の前で手を振る

雫は苦手な英語を使い、何とかコミュニケーションを取ろうとする

今度は、ゆっくりと日本語を言ってみる

…女は、踵を返し部屋を出ていった

雫は暫くの間、閉まった扉を見つめ続けていた。

そこから、また時間が経ち…扉が開く

今度は、あの女と…老人が一緒だ

こちらをじっと見つめている。 この老人に、言葉は通じるのだろうか

突如、女が雫の腕を掴んできた

雫は、慌てて女の手を見る。

振り払おうとしても、殆ど効果が無い。

雫は、そのまま成す術無く部屋の外に連行された

雫は、半ば引きずられる様にして、 神殿らしき場へ来た

雫は少し見回すと、部屋の中央に薔薇が咲いているのがわかった。 薔薇は青く、僅かな光を発している

雫は訳もわからず、蒼薔薇を見つめる

コンクリートに不自然な生え方をした薔薇に、雫はわずかながら興味をそそられたのだ

周りの人間?は特に咎める訳でも無く、 雫から離れた壁際にて見守っている

そして、蒼薔薇を見つめていた雫の胸……心臓辺りに、鋭い痛みが走った

僅かに呻き超えを漏らす。 だが、痛みは引く…どころか、少しずつ大きくなっていく

雫は、自身の心臓が茨で締め付けられているような気がした

次第に、頭が上手く働かず、 視界もボヤケてくる。

そして、雫は、成す術無く倒れた

起きた途端に頭痛がした

雫は、また最初の頃と同じように寝かされていたようだ

ベッドで仰向けになり、天井を見つめる

今起きた事を何とか整理しようとする

無理だ。わからない

自分の頭に、何だか違和感がある

試しに触ってみると、花が一輪頭についている

まさか、と思って茎辺りにも手を伸ばす。

手に小さな棘が刺さった

鏡が無いので確認のしようが無いが… まさか、頭にあの蒼薔薇が生えているのだろうか

雫は一瞬、恐怖を感じたが… 頭に花が生えているだろうこと以外、 異常は無い。

先程の頭痛も、今ではかなり弱まっている

物音に気付なかったのか、目の前に2人程の人が居た

一人は魔法使いのような服(コスプレだろうか)に見を包んだ紫髪、赤目の女。

もう一人は頭に翼をはやした… ゲームとかの世界にいそうな人外

……この人達、ちょっと血生臭い匂い

少し、雫の鼓動が速くなってきた

なんかこの人外っぽい人、物騒だな

紫髪の女？は雫を見て尋ねる 雫はただ混乱するばかりだ

この人達、日本人では無いのだろうか いや、それなら何故会話ができるんだ

すると、人外の人……ファルケが水筒？らしき物を持ってきてくれた

喉が乾いて仕方なかったので、とりあえず少しだけ口に含んでみる

…毒みたいな物は入っていないようだ 入っていたらシねただろうか