中島敦
太宰治
太宰治
鍋を持って肩をびくつかせる敦は表情豊かに太宰の顔を見る。
中島敦
ぼうっと太宰の顔を見つめるものだから、
何か顔についてるのではないかと思い、顔に触れる。
だが、何かついている気配はなかった。
中島敦
中島敦
中島敦
太宰治
太宰治
中島敦
蟹鍋が机の上に置かれる。
蟹のいい匂いが鼻をくすぐる。
中島敦
太宰治
こうして、太宰と敦の奇妙な生活が幕を開けた。
敦は太宰にとても尽くしてくれた。
敦も小学校があるのに、家に帰るなり家事をこなしてくれ、
太宰の汚部屋ですらも、ものの数時間で片付けてしまった。
無理しなくてもいいんだよ、
そう言うと敦は決まって嬉しそうな顔で、
中島敦
と家事を続けるのだ。
太宰はそんな敦に申し訳なさを覚えながら、同時に心地よさも感じていった。
大学から家に帰れば、温かいご飯が用意されている。
そんな小さな小さなぬくもりが、太宰の心を惹き寄せていった。
そして、三カ月が経過する頃には、二人は本当の兄弟のように接し始めたのだった。
太宰治
中島敦
中島敦
中島敦
中島敦
ふふんと鼻を鳴らして、自慢げな表情を浮かべる。
太宰治
太宰も鼻を鳴らす。
中島敦
中島敦
太宰治
太宰は嫌いな人の名前を言われ、少し不機嫌に顔を歪める。
中島敦
中島敦
太宰治
中也、というのは、太宰の小学時代からの友人、ではなく、顔を合わせるたびに腹が立つ幼馴染だった。
太宰治
中島敦
中島敦
太宰治
ぐさ、と胸に棘が突き刺さる。
嫌いな幼馴染に負けた、そう思うと悔しくてたまらなかった。
中島敦
太宰治
中島敦
太宰治
太宰治
中島敦
太宰治
中島敦
太宰治
こんな冗談まで言えるようになり、太宰の日常は幸せに満ちていた。
そんな太宰が、年下とはいえど、敦に惚れていくのは時間の問題だった。
いつからか、敦のことばかり考えて、大学の授業に集中できなくなっていった。
頭の中にはいつも敦がいて、
敦を考えていない時間なんて一ミリたりともなかった。
太宰の日常は敦に満ちていっていったのだ。
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うあくぁあああああすきですすうすすすうす続きまってますすううううう