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ほんとにこの物語大好きですっ!佐藤くんとetさんの関係についに変化が·····!?次も楽しみにしてます!!
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音を立てないように扉を開いた先には、 背の高い重厚な本棚ずらりとが並んでいた。
そう、佐藤先輩が今日の放課後図書室に 来るのを待つことにしたのだ。
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今から授業に途中参加出来ない私は、 7時間目が終わるのを待つ場所も必要だった。
司書の先生は高齢だからあまり周りの音が聞こえないだろうと踏んで 先生が居たとしても図書室ならバレずに入れるのではと見当をつけた。
その予想は見事的中し、私は授業中ながら 図書室への侵入に成功したのだ。
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本棚の角を曲がろうとしたその瞬間。
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正論すぎる。
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さすが、不良。サボり常習犯なのか。
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黒木くんの目線は私の隣においてある 佐藤先輩のカバンに行った。
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ずっと聞きたかったんだ。私が文通していた事は知らなかったようだが、 理由もなく『こころ』を手に取るなんて考えられないし、佐藤くんと何処かで繋がりがあるのではないかと。
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黒木くんの返答は、 全く佐藤くんに関係ない事情だった。
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前を見据えたまま言った黒木くんを見ると、 太陽の光で金色に縁取られた髪をくしゃりと触っていた。
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すでに黒木くんは目を閉ざして本棚に寄りかかっていた。
知らなくていいこともある、か。
それも一理ありそうだ。佐藤くんが誰だか分かってしまったら 必ず関係性に変化が生まれる。
良い変化かもしれないし悪い変化かもしれない。
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眠ってしまった黒木くんの隣で私は1人ポツリと呟いた。
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キーンコーンカーンコーン
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この数十分ぼーっと過ごしていた。
こうして余計な物事が何も無い世界にいるのは楽で 意外と不真面目よ悪くないな、なんて思えてきてしまった。
いけないな笑
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ぽん、と黒木くんは私の頭に手を軽く載せ背を向けた。
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去っていくその背中を目で追うと 視界に絆創膏が降ってきた。
黒木くん…………。
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私の手の甲の怪我に気づいて、頭に絆創膏を載せたのだ。
ペリペリ
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咄嗟に名前を呼んだ私の声を無視し、 先輩は勢いよく顔を背けてしまう。
棚の合間に戻ろうとする先輩を引き留めたくて、気付いたら ズボンの裾を強くつかんでいた。
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佐藤先輩は私を見下ろして、そしてどうやら 私の隣にある鞄の存在に気づいたらしい。
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冷静沈着な先輩が珍しく声を荒げた。
怒鳴られたことに私は肩をビクつかせた。
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佐藤先輩の眼鏡越しに見える瞳が冷ややかで、 途中で弱々しい口調になってしまう。
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私のしたことは逆効果だった。
先輩はグッと鞄の持ち手を引き、私の手から鞄が離れていく。 それと同時に私は先輩の前から去ろうと俯きながら一歩を踏み出した時だった。
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佐藤先輩がぶっきらぼうに言った。
つい怪我した左手を右手で隠して苦笑した。
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呆れたように言う先輩の声は、なぜだか少し優しくなったように感じた。
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彼は他人から親切にされるのに慣れていないのだろう。 鞄を握りしめながら“ありがとうございます”と葛藤しているのが見て取れた。
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今聞かなくてはならないと思えて意図せずに尋ねていた。
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わかるようでわからない。
自殺に追い込まれるほど苦しくて悲しいのなら、 自分のことで頭がいっぱいになってしまうのは当然なのではないか。
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あぁ、この人は佐藤くんではないと確信した。
佐藤くんではない、しかしとても素敵な人だと思った。
羽が生えて今にも飛び立っていく鳥のように見えた。
佐藤先輩は、あんなくだらない小さないじめに 負けることはないのだ。
自分の中に信念をきちんと持って、 周りのために生きようとしている。
日々自分のことしか考えていない私なんかよりずっと大人だ。
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そうだ。そういえば、佐藤先輩に最初に話しかけたとき、 私がおすすめの本を尋ねたのだった。
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佐藤先輩は手を口に当てて、おかしそうに目尻を下げる。
あ、笑った。
………この人、ずっと笑っていたら良いのに。
しかしそのレアな表情を見られたのはほんの一瞬で すぐにコホンと咳をして真顔に戻ってしまった。
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佐藤涼介先輩は、佐藤くんではなかった。
それでも、知り合えてよかったと感じた。 私と佐藤先輩の出会いは決して無意味なものではない、胸を張ってそう言える。
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佐藤先輩のこの本の解釈は、強くてまっすぐで立派だった。
それに比べて私はありきたりで暗い解釈で、 佐藤くんはあまり納得出来ない異質な解釈をしていた。
誰なのだろう、この本の変わった読み方をするのは____。
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その手紙を見て、私の胸は今まで以上に大きく波打って 途端に切なさに包まれたのだった。
______________________________ 橙さんに、会いたい。 ______________________________
こんちゃ~
今回ちょっぴり長めです、…
それでも私の好きなシーンNo.2くらいだから 1文1文丁寧に読んでくれると嬉しいです!
突然なんですが皆さん、この話に登場する『こころ』て本知ってますか?
私は正直知らなかったので 今度図書室で休み時間にでも見ようかなと思ってます!笑
etちゃんが“どこにでもあるし教科書に載ってる”ていってくらいですからね、 学校にもあるでしょ…
みなさんもぜひ読んでみてください!!私たちの解釈でも語り合いましょ!
etちゃんの“辛くて悲しいなら自分でいっぱいにになって当たり前だよ”
mfくんの“辛いときこそ周りを見るべきなんだ”
佐藤くんの“心の内を言えて最期は幸せだ”て解釈
どれも素敵ですよね、…✨️
これだから国語は大好きなんだ!(?
さて、あとがきが長くなった…
これでおいたましよう
じゃあねー
ちなみに皆私のこと何歳だと思ってる??