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2年1組の教室の前にたどり着く

菜都

まこっちゃん!

真琴

え、なっちゃん?

今はただ、私が確実に信用する人の言葉が欲しかった

"覚えてるよ"と言って欲しかった

菜都

まこっちゃんは覚えてるよね!?

そう言って混乱するまこっちゃんの肩を掴む

真琴

何を?

菜都

夜のこと覚えてるよね!?

菜都

神月夜!

菜都

修学旅行の夜に話したじゃん!

あっという間に私たちは注目の的になった

それでもお構い無しに続ける

菜都

嘘だよ、絶対!

菜都

昨日までいたのに…そんな簡単にいなくなるわけない

真琴

な、なっちゃん

真琴

落ち着こ?

真琴

それに"神月夜"って誰?

菜都

頭を鈍器で殴られたような衝撃が走った

菜都

(やっぱり忘れられちゃったの?)

菜都

(夜は…黄泉に行ったの?)

菜都

(もう会えない?)

菜都

(最後の会話が喧嘩?)

菜都

(……そんなの、)

あんまりだ

真琴

変なものでも食べた?

菜都

……ううん、何でもない

真琴

(えぇ…?)

ブルロ学園上空

ハナコ

ふふふ…やっとこの日が来ました

そうですネェー!

ハナコ

もうあの娘を守る死神様は人間界にいない

ハナコ

つまり殺し放題というわけです

カァー!

ハナコ

……いい匂いが漂ってきますね

ハナコ

氷川菜都を殺す前に少し食べましょう

エ"ッ?

牢獄

死神

(今頃菜都は俺がいないことに気がついたか?)

死神

(どんな反応すんだろうな)

死神

はっ…笑

死神

(昔の俺だったら他人のことなんてどうでもよかったのに…)

菜都を心配する気持ちに呆れて笑う

死神

(…弱くなったな)

死神

(ここからどうなるかはあいつら次第だ)

死神

(お前ならできるだろ)

由紀

由紀

…………

由紀

(今日で全て終わる)

由紀

(大丈夫、私ならできる)

由紀

(だって…)

由紀

(菜都のお姉ちゃんだから)

まこっちゃんと別れて賑わっている廊下を1人で歩く

菜都

(今からハナコさんが私を殺しに来るのかな)

菜都

(夜がいたらどうにかなるって)

菜都

(大丈夫だって、思ってたのに)

菜都

(1人で…どうすれば──)

絶望の淵に立たされたような気持ちになったその時、

ピンポンパンポーン

菜都

放送が鳴った

"10分後に体育館にて氷川由紀さんのピアノソロ演奏が行われます"

"興味のある方は是非見に来てください"

菜都

行かないと…((ボソッ

体育館に行くともう既に人がたくさんいた

1番前の席にお父さんとお母さんが見える

菜都

(いつもの体育館じゃないみたい)

菜都

(由紀ちゃんはすごいなぁ)

菜都

(私はというと友達の犠牲がないと生きていけない弱い奴…)

由紀ちゃんがステージに現れてピアノを弾き始めた

菜都

しかしそれは家で聞く美しい音色ではなく、ミスばかりの下手な演奏

観客がザワつく

菜都

(由紀ちゃん、どうしたの?)

お父さんとお母さんの方を見ると、2人ともみるみる顔が険しくなっていた

ここで由紀ちゃんの美しい演奏を聞けば、"もういいや"って…

思えたかもなぁ

でも

このあとお父さんとお母さんは由紀ちゃんに何をする?

演奏失敗した由紀ちゃんにいったい何をするの?

このまま終わりたくない

終われない!

菜都

脳裏に夜の姿が浮かんだ

夜の姿を思い出す度、私の足は止まる

真っ暗な夜の中に閉じ込められたみたいに何も見えなくなる

演奏が終わって由紀ちゃんが椅子から立ち上がった

そしてマイクを手に持って口を開く

由紀

私は皆さんが思っているような人間ではありません

由紀

この前のテストだってあることを気にするあまり順位を落としました

菜都

!?

またまた観客がザワつきだした

由紀

完璧ではなく、

由紀

そんなことで集中力が切れる普通の人間なんです

菜都

………

由紀

いつも周りの目を気にして

由紀

期待される度辛くなるくせに

由紀

失望されたくない……

由紀

そんな中途半端な気持ちで今まで生きてきました

お父さん

おい!

お父さん

教師は何してるんだ!

お父さん

やめさせろ!

お父さんがステージにドンドンッと足音を立てて近づいていく

由紀

私の話を聞いて!

由紀

今!

由紀

言わないといけないの!

お父さん

俺に楯突くのか!?

お父さん

お前は俺の言うことだけ聞いてれば幸せになれるんだ!

由紀

………

由紀

貴方達の言われた通りに生きてきた私は幸せに見えますか

お父さん

嗚呼、見える!

さすがにやばいと感じた教師達がお父さんを止めに入った

由紀

私はそうは思いません

由紀

生まれた時から道が決まっていて

由紀

成績でしか私を見てくれない

由紀

そんな日々が苦痛でした

菜都

…………

菜都

(そんな……もしかして私といる時も苦痛だっ───)

由紀

でもこれまでの人生全てがそうではなくて…

由紀

幸せだと思う瞬間もあった

観客全員が由紀ちゃんの話を真剣に聞いている

由紀

僅かな幸せを感じたのは妹の菜都のおかげです

菜都

由紀

あの子は私をきちんと見てくれた

由紀

誰にも平等に接するすごい子なんです

由紀

だからあの子の周りはいつも暖かい…

由紀

菜都は私の自慢の妹です

由紀ちゃんの言葉を聞いて目から自然と涙が零れた

目頭が熱い

菜都

由紀ちゃん…((ボソッ

由紀

そんな子が親のせいで……変な大人のせいで変わって欲しくない

由紀

だから私は医学部ではなく、

由紀

教育学部に行きます

お父さん

!?

お父さん

な、何言ってっ…!

由紀

教師になって菜都のような子の手助けがしたい!

菜都

(由紀ちゃんはすごいなぁ)

菜都

(さすが私の自慢のお姉ちゃん!)

服の裾で涙を拭う

由紀

私の話は以上です

由紀

……あと、これはある人からの伝言なのですが

菜都

"必ず会いに行くから信じて欲しい"

由紀

だそうです

菜都

更新遅くなりました!

この夢小説を投稿するのはいつぶりでしょう

伝言を聞いたなっちゃんはどうするのか!

次話→♡3000

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