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雨、大嫌いな俺

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雨、大嫌いな俺

1 - 雨、大嫌いな俺

♥

201

2022年10月15日

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i

大嫌い

i

ないこ…?何やっとるん…?

n

…まろ…

i

冗談…よな…?w

そう言うと、 君は首を横に振った

n

…俺…消えたかった…

i

消え…?

n

散々文句つけられて…そこを改善したら…前の俺が好きだった人が離れて…

n

親しい人が…居ないのが…辛かったの…

n

新しく来てくれる子もいるよ…だけど…前の俺が好きだった子は…どんどん離れてくの…

i

…俺は、どんなないこも((

n

やめてよ…そういうの…

目に映っているのは、 今にも泣きそうで、 今にも消えそうな君

n

…まろ…まろは…俺がどれだけ変わっても…好きでいてくれる…?

i

…それ…は…えっと…

何で答えられないんだ、 俺はどんなないこも愛せる…のに…

n

…時間切れ…

n

ばいばい、まろ…

n

大好きだよ…ッ

ヒュウウウウウッ…

グシャッ!

i

飛ぶ時、俺に「大好き」って 言ってくれた時、

目の近くで、 夕日が反射して光っていたんだ

i

…そんな…俺っ…

もう手遅れさ、それに ないこを苦しめたのは俺、

ないこを死なせたのも 俺だ

俺が…

「俺がどれだけ変わっても… 好きでいてくれる?」

俺が、あの質問に正しい 答えを言えていたら、 ないこは死ななかったかもしれないのに

i

…ないこ…ッ

下から人々の声が聞こえる

「自殺かしら…可哀想に…」

「救急車はまだか!?」

「ママ、あれなぁに?」

「こら!見ちゃダメでしょ!」

「自殺?マジ? インスタあげちゃお〜w」

「絶対バズるくね? 心配のコメも載せてさ〜!」

黙れ、お前らの口なんか 塞がっちまえ

ないこのこと、何も知らないくせに 勝手な口を叩くな

心配?可哀想?バズり? んなもんくそくらえ

i

ないこ…ッ…

ないこは、ないこは…

「消えたかった」

違う、絶対に

ないこも、本当は生きたかった

もっと、ないこも生きたかった

俺なんかが、 ないこを語っていい訳じゃない

ないこは、俺なんかが 知った口を叩いていい存在じゃない

でも、生きたくなかったら 最後に涙なんて流さないと思う

i

ない…こぉッ…

泣いてもどうにもならない、 今さらどうしようもない

上から見てもわかる、 出血量からして恐らく即死、 即死じゃなくても失血死するだろう

腕と足だって、 曲がってはいけない方向に へし折れてるし

i

…ッ

俺はその場から逃げるように走った

いや、逃げた

ダイスビル、最上階。

俺はその時だけ、 そこが嫌いになった

ザァァァァッ…!

i

はぁ…はぁ…

もうどれくらい走ったのか、 分からない

天気予報では晴れだったのに、 急に雨が降り出した

この雨も、 いつから降り出したか分からない

でも、恐らく その時はまだ走ってただろう

i

…ないこ…ないこ、…ッ

何度も名前を呼ぶ、 君に対する気持ちは変わんないままだ

俺はないこが好き、寝てるないこも、 はしゃぐないこも、ドジなないこも、 真面目なないこも、全部好き

でも、気づくのが遅かった

もう居ない人のことを思っても、 届くことなんて無いのに

天国…天に幽霊が居たら、 どんなにいいんだろう

もしかしたら、 ないこが近くで見てくれるかも しれないのに

i

…なわけないよな…w

そりゃそうだ、 自分を責めた犯人なんだから、 見に来るわけない

i

…あーあ…こんな自己中…

大嫌いやのに…

i

…自分責めたって、何も変わらへんのに…

ただ、雨が地面を打ち付けている

うるさく降る雨は、 ちっとも優しくなんかない

冷たくて、悲しいだけ。

自分の体も、 強く叩き付けられるし、

優しい雨なんて、 ないんかな…w

ザァァァァァッ…!!

どんな言葉も、雨にかき消される

誰にもその言葉が届かないのは わかっている…いや、 わかってるから俺は、 下を向きこう言った

i

…だーーきやで…なーー…

ザァァァァッ…!!

頬に伝う、味のしない水。

なのに、 少ししょっぱい気がした

…大嫌いな俺は、雨の中で 届くはずのない言葉を…

🌇…end…🌕

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コメント

2

ユーザー

う、うぁぁぁぁ!! 俺はどんなないこ君でもまろ君でも作者さんでも大好きです!!!! 今回も最高でした!ありがとうございます!

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