しにがみ
トラゾー
ぺいんと
久しぶりに玉座の間に来ると 待っていたかのようにトラゾーさんが立っていた
トラゾー
ぺいんと
トラゾー
先に歩くトラゾーさんの後ろを着いていくと にゃ〜と猫の声が聞こえてくる
トラゾー
クロノア
黒猫が足元を走り抜けていった 豪華な装飾のついた玉座に座るクロノアさんは 優しいながらも確かな圧を感じる
クロノア
ぺいんと
ぺいんと
だから、恩返しがしたいんです
トラゾー
しにがみ
トラゾー
しにがみ
経験も僕達はないんです
ぺいんと
俺達の全てを預けようと思って
クロノア
しにがみ
少しの間、沈黙が続く 頬杖をついていたクロノアさんは 立ち上がり階段を降りてきた
クロノア
ぺいんと
しにがみ
クロノア
青色の瞳の黒猫と目が合う 差し出した手にシルバーの指輪が置かれる
クロノア
トラゾー
トラゾーさんは手首に緑の宝石がついた 腕輪を、クロノアさんは綺麗な白銀の髪を退けると青色の宝石がついたピアスを見せてくれた
クロノア
ぺいんと
しにがみ
指にはめる、紫色の光をまとった カタカタと音がなると持っていた鎌へと 光が移っていく
しにがみ
持ち手に絡むように紫のリボンが巻き付き 大きなアメジストが光る
トラゾー
しにがみ
ぺいんと
黄色の光に包まれていたぺいんとさんの手には 銀色の剣が持たれていた
ぺいんと
トラゾー
しにがみ
クロノア
ぺいんと
クロノア
自分だけの武器へと姿を変えるんだ
ぺいんと
ぺいんとさんが力を込めようと目を瞑ると 段々と光が弱くなっていく
ぺいんと
クロノア
黄色の光の中に黒い光が交じると 銀の刃に白と黒の羽の装飾がついた柄 勇者の剣とは言えない禍々しい雰囲気もあるけど 強い勇者の力を感じる
ぺいんと
見て!めっちゃカッコよくない?!
しにがみ
トラゾー
クロノア
ぺいんと
しにがみ
クロノア
トラゾー
しにがみ
しにがみ
鎌から降りて僕が前に落ちた泉へと足を進める 岩から顔を出すとゆらりと揺れる黒の尻尾 を見つけた、近づくと優しく笑った
しにがみ
クロノア
しにがみ
クロノア
泉の辺に座るクロノアさんの横に 腰を落ち着けると腕の中からノアが顔を出す
しにがみ
クロノア
しにがみ
「また勝手に外出して!」って
クロノア
なんて呑気に笑うと優しくノアを撫でた 一応王様なんだけどなぁこの人…
クロノア
しにがみ
クロノア
好きだけどここが1番なんだ
クロノア
しにがみ
クロノア
しにがみ
クロノア
ぺいんとを呼んでいたでしょ?
しにがみ
クロノア
クロノア
かぐや様の力が割れたらしんだ
しにがみ
クロノア
しにがみ
クロノア
力の鱗片から生まれた新たな神
しにがみ
クロノア
同じ力を感じるからね
しにがみ
かぐや姫の血族ってことですか?
しにがみ
月に帰らないとダメなんですか?!
クロノア
しにがみ
クロノア
つまりは人工的なんだよ
クロノア
しにがみ
クロノア
何もしてきていない…なら?
しにがみ
連れ戻す気はない…?!
クロノア
心を変えられて連れ戻されたからね
クロノア
してほしくないんだろうね
しにがみ
クロノア
クロノアさんが立ち上がると 目の前に黒い渦が現れた、渦の向こうから みんなの声が聞こえてくる
クロノア
しにがみ
心の中でかぐや姫に感謝しながら 僕達は皆の元へ帰った 誰がどんな姿だろうと僕達は離れない これは信用でもあり絶対的な忠誠でもある