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しにがみ

あ、トラゾーさん

トラゾー

おはよう、2人共

ぺいんと

おはよ〜!

久しぶりに玉座の間に来ると 待っていたかのようにトラゾーさんが立っていた

トラゾー

どうしたの?

ぺいんと

クロノアさんに話があるんだ

トラゾー

なるほどね、じゃあ行こうか

先に歩くトラゾーさんの後ろを着いていくと にゃ〜と猫の声が聞こえてくる

トラゾー

兄さん、話があるらしいですよ

クロノア

うん

黒猫が足元を走り抜けていった 豪華な装飾のついた玉座に座るクロノアさんは 優しいながらも確かな圧を感じる

クロノア

どうしたの2人とも

ぺいんと

俺達のこれからのことについてです

ぺいんと

魔王軍の皆にはすごくお世話になりました
だから、恩返しがしたいんです

トラゾー

恩返し?

しにがみ

僕らは無駄に力が強いじゃないですか

トラゾー

はい

しにがみ

でも、それを扱えるほど技術も
経験も僕達はないんです

ぺいんと

だからクロノアさんに
俺達の全てを預けようと思って

クロノア

…つまり?

しにがみ

僕たちを魔王軍の仲間に入れてください

少しの間、沈黙が続く 頬杖をついていたクロノアさんは 立ち上がり階段を降りてきた

クロノア

2人は後悔しても知らないよ?

ぺいんと

後悔しませんよ

しにがみ

逆に後悔しないでくださいね?

クロノア

分かってるよ

青色の瞳の黒猫と目が合う 差し出した手にシルバーの指輪が置かれる

クロノア

それは俺達の縁を意味するものだよ

トラゾー

着けると自分に適したのに変わりますよ

トラゾーさんは手首に緑の宝石がついた 腕輪を、クロノアさんは綺麗な白銀の髪を退けると青色の宝石がついたピアスを見せてくれた

クロノア

着けるか着けないかは2人に任せる

ぺいんと

つけますよ!!

しにがみ

当たり前です!!

指にはめる、紫色の光をまとった カタカタと音がなると持っていた鎌へと 光が移っていく

しにがみ

おぉ…!

持ち手に絡むように紫のリボンが巻き付き 大きなアメジストが光る

トラゾー

リボンですか!

しにがみ

可愛くなりましたね!

ぺいんと

ん?

黄色の光に包まれていたぺいんとさんの手には 銀色の剣が持たれていた

ぺいんと

なにこれ?

トラゾー

なんだろうね

しにがみ

ぺいんとさん専用武器?

クロノア

それは勇者の剣の素だね

ぺいんと

素?

クロノア

それに自身の力を込めると
自分だけの武器へと姿を変えるんだ

ぺいんと

俺の力を…

ぺいんとさんが力を込めようと目を瞑ると 段々と光が弱くなっていく

ぺいんと

うぅ…!!

クロノア

ぺいんと大丈夫、集中して

黄色の光の中に黒い光が交じると 銀の刃に白と黒の羽の装飾がついた柄 勇者の剣とは言えない禍々しい雰囲気もあるけど 強い勇者の力を感じる

ぺいんと

カッコいいカッコいい!!
見て!めっちゃカッコよくない?!

しにがみ

カッコいいですね!

トラゾー

これは勇者の剣っていえるの?

クロノア

これはもうぺいんとのだよ

ぺいんと

ありがとうございます!クロノアさん!

しにがみ

これで僕達は仲間入り…で良いんですか?

クロノア

正式に仲間入りした、おめでとう

トラゾー

おめでとうございます!

しにがみ

はい!

しにがみ

よっと

鎌から降りて僕が前に落ちた泉へと足を進める 岩から顔を出すとゆらりと揺れる黒の尻尾 を見つけた、近づくと優しく笑った

しにがみ

もー、何してるんですか?

クロノア

気づかなかったよしにがみくん

しにがみ

驚いてなかったくせに…

クロノア

おいで

泉の辺に座るクロノアさんの横に 腰を落ち着けると腕の中からノアが顔を出す

しにがみ

また仕事抜け出して何してるんですか?

クロノア

ちょっと散歩に出ただけだよ

しにがみ

トラゾーさん達怒ってましたよ
「また勝手に外出して!」って

クロノア

後で謝らないとなぁ

なんて呑気に笑うと優しくノアを撫でた 一応王様なんだけどなぁこの人…

クロノア

ここに来ると落ち着くんだよね

しにがみ

そうなんですか?

クロノア

うん、城の庭や談話室とかも
好きだけどここが1番なんだ

クロノア

魔王の力とか関係しているのかもね

しにがみ

あ〜

クロノア

そう言えばぺいんとの調査終わったよ

しにがみ

え?何なんですか?

クロノア

ユダがかぐやくんって
ぺいんとを呼んでいたでしょ?

しにがみ

ですね

クロノア

かぐや、月のお姫様の名前…

クロノア

それで調べたらぺいんとが生まれた日
かぐや様の力が割れたらしんだ

しにがみ

割れた?

クロノア

正しく言えば、力の鱗片が落ちただね

しにがみ

それがどうしたんですか?

クロノア

仮説としては、ぺいんとはかぐや様の
力の鱗片から生まれた新たな神

しにがみ

新たな神?!

クロノア

ぺいんとの翼は天の羽衣の布と
同じ力を感じるからね

しにがみ

つまりぺいんとさんは…
かぐや姫の血族ってことですか?

しにがみ

じゃあ、ぺいんとさんは
月に帰らないとダメなんですか?!

クロノア

大丈夫

しにがみ

なんで…

クロノア

ユダはそれを知っていたでしょ?
つまりは人工的なんだよ

クロノア

人工的ならほぼ自然に力を割れる

しにがみ

つまり月の民は気づいてない…?

クロノア

うん、かぐや姫は分かっているけど
何もしてきていない…なら?

しにがみ

かぐや姫はぺいんとさんを
連れ戻す気はない…?!

クロノア

かぐや姫は天の羽衣で無理矢理
心を変えられて連れ戻されたからね

クロノア

ぺいんとには…家族にはそんな思いを
してほしくないんだろうね

しにがみ

感謝しないとですね

クロノア

クロノアさんが立ち上がると 目の前に黒い渦が現れた、渦の向こうから みんなの声が聞こえてくる

クロノア

帰ろうか

しにがみ

ですね、帰りましょう

心の中でかぐや姫に感謝しながら 僕達は皆の元へ帰った 誰がどんな姿だろうと僕達は離れない これは信用でもあり絶対的な忠誠でもある

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コメント

2

ユーザー
ユーザー

久しぶりにまた読み返したけどやっぱりいいね。 千尋さん神 神作しか生み出さない 神

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