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8 - ①

♥

225

2025年04月14日

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⚠️学パロ&オリキャラが出てきます!!

・ ・ ・ ・ ・ ・

朝日が差し込む見慣れた自分の部屋。

涼架

んん…眠い…

珍しく目覚ましよりも早く目を覚ました俺は、二度寝をしたい気持ちを押し殺してベッドから抜け出した。

涼架

ふぁあ…

涼架

20℃?今日暖かいんだ…なら洗濯日和じゃん!

今日は天気がすごく良くて気温も高くなるらしい。洗濯物を早めに干すため、洗面所に向かう事にした。

滉斗

…あ!涼ちゃんおはよう!

リビングに行くと先に起きていた滉斗が、少し眠たそうな目でコーヒーを飲んでいた。 視線をソファに移すと、毛布に包まって寝ている元貴のが見える。

涼架

おはよう、滉斗!

涼架

元貴はまたリビングで寝ちゃったの?

滉斗

昨日遅くまで作曲してたらしいからな。…ほら、涼ちゃんこっちおいでよ

促されるまま、滉斗の隣に腰を下ろす。こうやって三人で朝を迎えるのが日常になって、もうすぐ4年になる。

小学六年生の冬休み、

俺たちを迎えに来た家族が不慮の事故で帰らぬ人になった日から、俺たちは家族として共に暮らしている。

元々家族ぐるみで仲良かったこともあって、血は繋がってないけどすぐ家族になれたし、元から大親友と言える関係性だったから、悲しくて辛い時も支え合ってこれた。

そんな事を思い返していたらいつの間にか元貴が目を覚ましてて朝ごはんを用意してくれていた。 そしてやろうと思ってた洗濯物は滉斗がササッと終わらせてしまった。

涼架

あぁ!ごめん!

涼架

俺が洗濯物干そうと思ったのに…

滉斗

いいよ、大丈夫!落っこちたら危ないし!

涼架

さすがに落ちないよ!

元貴

いーや、涼ちゃんはさすがにとか言っといて落っこちると思うから諦めて俺が持ってきたパン食べてなさい

涼架

うっ、はーい…

俺が泣き虫だったからか、2人は俺をとても大切にしてくれている。

頼りっぱなしは嫌だから最近は頑張ってるんだけど何故か先回りしてて結局助けて貰ってることが多い。

今日こそは2人に頼りきりにならないぞ!と決めて元貴が焼いてくれたパンをパクリとひとくち食べた。

担任

はいそろそろ席につけー

朝のHR前。 担任の先生の声が響く教室で、窓際の自分の席に鞄を置いた。元貴と滉斗もそれぞれの席へ向かう…前に俺の席に来て、

元貴

今日も放課後少し音楽室行きたいんだけど、一緒に来てくれるよね

滉斗

俺ももちろん行く!そんでそのままみんなで帰ろう

涼架

うん!そうしよう!

涼架

でも2人とももう席戻った方がいいよ!

俺の席に来てくれるのは嬉しいけど、元貴と滉斗が先生に注意されるのは嫌だから席に戻ってもらった。

今日もいつもと変わらない学校が始まった。

・ ・ ・ ・ ・ ・

昼休み、いつものように3人でお弁当を食べているとクラスの子がプリントの話をしてるのが聞こえてきた。

何か忘れている気がして考えていると、忘れていた事を思い出して勢いよく立ち上がった。

涼架

やばい!プリント職員室に渡しに行くの忘れてた!

元貴

そうなの?なら俺も行く

滉斗

涼ちゃんが行くなら俺も!

いつもの様に2人が着いてきてくれようとするけど、今日こそ1人で頑張るチャンスだと思って断った。

涼架

大丈夫だよ!すぐに終わるから!

そして何事もなく無事にプリントを職員室に届けた帰り、

向こうからふらつくように歩いてくる男子生徒がいた。シャツの袖が破れていて、手には擦り傷がある。

涼架

君、大丈夫?怪我してるよ!

ポケットからハンカチを取りだして相手に渡した。 自分のバイト代で初めて買ったお気に入りのものだったけど、誰かを助けるために使われるならあのハンカチも喜んでるはず。

涼架

これ返さなくて大丈夫だから使ってね!
あと、保健室はあっちの階段を降りて右だよ!

男子学生は驚いたような顔で俺を見てから、お礼を言って保健室の方へ歩き出した。

通り過ぎるまでずっと目で追ってきたけど、俺何か顔についてたのかな。

スマホを見ると、教室を出てから20分経っていた。

2人はきっとお弁当食べるのをやめて待ってるだろうから急いで戻る事にした。

・ ・ ・ ・ ・ ・

涼架

ごめん!おまたせ!

教室に戻ると元貴がずいっと詰め寄ってきた。

元貴

遅くね?プリント渡すだけでそんな時間かかる?

涼架

う、うん!そんなもんだよ!

滉斗

ほんと?なんもなかった?

鋭い元貴にドキドキしながら返事をすると、滉斗も心配そうにこっちを見ていた。

涼架

うん!大丈夫だよ!

心配してくれる優しい元貴と滉斗に安心してもらうために笑顔でピースをすると、ため息をつきながら頭を撫で始めた。

涼架

えぇ?なんでよ?

元貴

俺は涼ちゃんが心配だよ…

そしてこの日は特に何も変わった事は起きないで終わった。

次の日、

…あの、藤澤さんおはよう

ローファーを脱いで居ると後ろから声をかけられて振り向くと、昨日ハンカチを渡したあの男の子が居た。

涼架

あぁ昨日の!怪我大丈夫だった?

彼は嬉しそうに、まっすぐな瞳でこちらを見つめてきた。

はい!藤澤さんのハンカチをいただいたので!

涼架

あはは、俺のハンカチじゃ無くて保健室言ったから良くなったんでしょ?

面白い言い方をする人だな、でも何か違和感を感じる。

瞳はすごくまっすぐなのに、何かがおかしい気がする。

そんな少しの違和感を抱きながら今日も授業をこなした。

いつものように、3人でリビングで課題をやっていると

突然、元貴が口を開いた。

元貴

そういえばさ、

元貴

朝さぁ、涼ちゃん知らない奴に話しかけられて無かった?

涼架

うん、昨日怪我してた子に保健室を教えたらお礼を言いに来てくれたんだよね

できるだけ平静を装って返すと元貴も滉斗も、それ以上は何も聞かなかった。 でも2人の視線は少しだけ、探るような感じになった気がする。

きっと勘違いだ。あの子に違和感を感じる原因なんて1つもない。

そう、何度も心のなかで繰り返した。

だけど、全てはこれからだった。

夜のランニング帰り、少し休憩のためにベンチに座ってるスマホを開くと同時に通知が来た。

匿名で来たDMを震える手で読む。

まさか、あのときハンカチを渡した…?

体が冷えていく感覚がする。

こんなの、元貴と滉斗には言えない。

まだその人だって証拠がある訳でもないから。

それに、

涼架

迷惑かけたくない…!

自分に言い聞かせるように言った言葉が誰も居ない静かな公園に溶けていく。

ただでさえ、凡ミスや迷惑をかけることが多いのに助けを求める事なんて出来ない。それにどうやって自分のアカウントを見つけたのだろうか。

不安や驚きで呆然とベンチに座っていると、足音が聞こえてきた。

涼架

っ、だれ?!

元貴

俺だよ!こんな所で何してるの?!

遅い俺を心配して元貴が迎えに来てくれた。

元貴

こんなに冷えて…走った意味無くなっちゃうよ

元貴

ほら、行こう?

優しく手を差し伸べてくれる元貴を見て、やっぱり巻き込むことは出来ないと思った。

元貴の暖かい手を感じながら家に帰った。

涼架

…今日、久しぶりに元貴と滉斗と一緒に寝ちゃダメ?

元貴

っえ?!いいよ!

滉斗

もちろん!!珍しいじゃん!

今日はどうしても怖くて、頼らないと決めたのに2人と一緒に寝てもらう事にした。 明日は大丈夫かな、漠然な不安をかき消すように両隣にいる2人の手を握った。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

5

ユーザー

続き、楽しみです♥️💙💛

ユーザー

涼ちゃん可愛すぎᐡ⸝⸝> ̫ <⸝⸝ᐡ 最高👍

ユーザー

展開早くてすみません!許してください🥺

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