コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
あれからしばらく経った日の放課後
部活やバイトでほとんど人が居なくなった教室で荷物をまとめて机を少し拭きながら元貴達と話していた。
元貴
滉斗
元貴
滉斗
元貴
滉斗
涼架
いつになっても2人と一緒に帰れるのは嬉しい。だから笑って頷くと2人も嬉しそうにしてくれた。
でも、
涼架
元貴
滉斗
涼架
まだ聞き足りないという顔をしている2人を遮って立ち上がると、元貴は少し眉を寄せたけど納得したのかそれ以上は聞かれなかった。
元貴
滉斗
そんな2人に手を振って、トイレまで走って向かった。
トイレに誰も居ないのを確認してから個室に入って、スクバの奥に隠すように入れていた手紙を取り出した。
涼架
誰かから送られてくるこの手紙は、ラブレターみたいに丁寧に書かれている。 最初は淡い思いが書かれた手紙だったのに、だんだんおかしな内容になっているから不安でいっぱいだ。
1通目の手紙は、 『いつも遠くから見てました。君は全く話した事ない人にも優しくてそんなところが大好きです。いつか僕のものになってくれたら嬉しいな。』
2通目は、 『授業中に君が窓の外を見てたよね。光が当たって本当に綺麗で、まるで女神様みたいだった。 あの時、運命だって気づいたよ。君も気づいたでしょ?』
3通目、 『僕が近くに行きたくても、いつも君の周りには大森さんと若井さんが居るよね。あの2人が居るから君もこっちに来れないんだよね。あの2人が居なければ君はもっと自由になれるのに。』
そして、今日入っていた手紙を読むと
『いつも着てる淡い黄色のセーターじゃなくてライラック色のセーターにしたんだね。でもいつものセーターと香りが同じで興奮したよ。』
涼架
手になにか当たった感触がして手紙の裏側を見ると、小さな透明の袋が貼り付けられている。 中には縮れた紐の束のようなものが入ってる。それはよく見るとどこの部位かは想像もしたくない、体毛が入っていた。
涼架
気持ち悪さと恐怖で体が震えるけど、それを押し殺して深呼吸をする。
こんなの、2人に言えない。
それに手紙の送り主は、もう俺が2人とずっと一緒に居るのを知ってるからもしも俺が相談したら2人に何か起きてしまうかもしれない。
そうなったら、今までの穏やかな時間が全て壊れてしまう。
大切な家族を、失いたくない。
涼架
個室から出て、手紙をトイレットペーパーで包んでゴミ箱に捨てた。
だけどずっと変な感じがして吐き気がする。
ふと鏡を見ると、ブレザーのポケットに紙の切れ端が入れられているのに気づいた。
涼架
『ブレザーには香水つけてる?セーターと違うけどこれもいい香り。僕も君の香りに包まれたいから教えて欲しいな』
涼架
怖くて紙を落としてしまった。
どこで、?いつ?どうやって…!
涼架
指先がどんどん冷えてく感覚と恐怖で吐き気がする。
でも吐くことが出来なかった。
その夜
俺はリビングのソファに膝を抱えるように座っていた。 静かなところだとあの手紙を思い出してしまうから。
元貴と滉斗がいつものようにふざけながら洗い物をしているけど、ふとした瞬間にアイコンタクトを取っている。
滉斗
滉斗が何か言ってるけど、遠くて聞こえない。
元貴
元貴も小さく頷いた。
元貴
滉斗
元貴
…とある部屋。
静まり返っている部屋の壁には、沢山写真が貼られている。
遠くから撮られた友達とふざけて笑ってる姿、別の方向を見ている制服姿、後ろから撮られた歩いてる姿、窓際の席でうたた寝している姿。
その中でも大きく額に入れられてるのは、心の底から楽しそうに笑う、陽の差す教室のベランダで撮られた写真。
?
その写真を指でなぞりながら机の上にある、書き途中の手紙を見た。
?
自身の欲を出し、それが染み込んだティッシュを透明な袋に入れている。
?
?