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「さすが天才」
「やっぱり名門のお嬢様は違うわね〜」
「才能があっていいな〜」
やめろ
“才能”で片付けないで
努力を見て
辛い。
悲しい。
未来香
誰もいない訓練場
一人で術式の制御訓練を繰り返す。
未来香
指先に呪力を集中
何百、何千回やってやっと普通に扱えるようになった私の術式。
なのに、、
『やっぱ天才は違うわ〜』
『元々のセンスが違いすぎる』
『名門なだけあるね』
未来香
血が滲むような努力は誰の目にも見えなかったらしい
笑わせんなよ
私は 人より足掻いているだけ
人を護りたい、そのために、、
真面目だねぇ〜
未来香
直前まで気がつかなかった
黒いグラサンにスラリとした足、 何より引き込まれるような碧い瞳
未来香
五条
五条
五条
未来香
この人、ニヤニヤしてるけど
目が笑ってない
サングラス越しでもわかる
未来香
未来香
五条
五条
未来香
五条
1歩近づいて私の目線に合わせる
未来香
五条
未来香
心臓が、止まりそう
五条
五条
全てを見透かされているみたい
“高い能力”の後ろではその努力など誰も見ようとしなかった
まあ、当然だよね
でも、この人は、、_
五条
未来香
胸の奥が熱くなる
初めての感覚。
生まれて初めて、努力を見透かされた。
生まれて初めて、
胸がドキッとした
あの日から、
五条先輩はよく私に話しかけてくるようになった。
五条
五条
未来香
未来香
五条
未来香
未来香
五条
五条
未来香
五条
未来香
五条
からかってくることも多かったけど
その視線は誰よりも鋭くて暖かかった
未来香
ある日の任務
相手は下級と思いきや特級
術式は制御され
追い詰められた
呪霊
大きな刃物が振り下ろされる
未来香
やばい
致命傷じゃん
死ぬ
未来香
遠のいていく意識の中
確かに声が聞こえた
未来香!!!
未来香
未来香
五条
五条
未来香
その声を聞いた時
涙が溢れた
未来香
目が覚めると
梢子先輩の治療室にいた
梢子
未来香
梢子
未来香
梢子
梢子
未来香
バンッ
五条
未来香
五条
未来香
未来香
そういうと先輩は眉をしかめた
五条
五条
五条
まただ
胸がキュンとする
未来香
未来香
五条
五条
覚えてる
あの日の夕暮れ
私に光が差した日。
未来香
未来香
一瞬だけ驚いた顔をしたあと、
優しすぎる表情を浮かべて言った。
五条
五条
その日に初めて報われた。
誰にも見てもらえなかった努力が、 誰より強くて優しい人に見つけられて、 そして愛された。
それだけでもう、
私は“天才”じゃなくて良かった。
狐
狐
狐
狐
狐