猫系主様と担当執事

また、物体が出てくる感触がする

出てきたのは紫色のヒヤシンスだった

無意識で本に手を伸ばしページを めくる...めくる...めくる

紫のヒヤシンスの意味

”悲しみ” ”悲哀” ”初恋のひたむきさ” ”ごめんなさい”

彼岸花の意味

”悲しき思い出” ”あきらめ” ”孤独” ”情熱”

冷静にハナマルは私にそう問う

あるにはある

エアル達の所に行った時に エアルから貰ったスムージーだ

それぐらいしか思いつかない

私は急いでエアル達の所に向かった

ハナマルを置いて行ったことを 内心で謝りながらバタバタと 音を立てて外へ出る

あと...もう少し

フォスがすんっと鼻をすする

もう一度フォスが鼻をすする

そんなことをブツブツと言っている フォスを見て、頭にハテナを浮かべる

やって来たトゥールに 深刻そうな顔を見せるフォス

1度深呼吸をして 意を決した様な目で言う

とりあえずついて行ってみる ことにした

指定された椅子に座って待つ

しばらく待っていると トゥールがエアルと一緒に戻ってきた

何かを思い出したのか エアルが固まった

大きな瓶を持ったフォスが来る

トゥールがエアルを がっちりホールドする

ズボッと瓶を無理矢理入れられて 何かを飲まされている

ぐびぐびと飲まされ とても苦しそうにしているエアルを 私は黙って眺めるしかなかった

こんなにも知人が 恐ろしいと感じた日はない

瓶の中身が無くなると 口から離すと同時に かけられていたホールドも解ける

するとフラフラとよろめき 顔を真っ赤にしたエアルが見えた

一瞬で酔っていると分かった

ドンッと壁にぶつかり ズルズルと下に下がっていく

いきなり酒か何かを飲まされ 酔ったせいか視点があっていないか のような動作で周囲を見渡す

”時間制限あり”とはなんだろうか

”気をつけてね”とはなんの 心配をしているのだろうか

...その時間を超えたら 一体どうなるのだろうか