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意味怖『仕返し』
縁下
俺は仕事の関係で海外に行く事になった。
実はその国、治安があまり良くない。というか非常によろしくない。
と言ってもそれは主に東側で、俺が行くのはその国の北よりだ。
今まで独裁国家だったその国では、ここ数年
民主化を進めようと反政府派が一部で過激な活動を繰り返していた。
反政府派は東側を拠点としている。
⚠︎ここから先次の場面までとばしても大丈夫です。 ↓
独裁と聞くと悪いイメージをもたれるだろうがメリットもある。
独裁は決断が早い。民主主義では
皆の意見を聞いてから賛成と反対の可決をとる。
これはかなり時間がかかり、急を要する場合には大きなデメリットとなる。
それに独裁者が有能であれば、国民からの支持も得られる。
現に俺が行く国でもそうだった。
『そうだった』と過去形なのは政治指導者である人物が 替わってしまったからだ。
不慮の死＿＿＿と公にはなっているが実際には不明瞭な部分も多い。
今は新たな指導者が国を治めている。
とは言ってもこの指導者もなかなかに優秀で
以前と比較すれば劣るものの実力は十分だった。
彼は前指導者の側近でもあり、それゆえ国民からの支持率は非常に高い。
ただここは複雑なところで、以前の指導者が偉大すぎたためか
神格化されつつある。
ここまでいくとある種の洗脳に近い所があったのかもしれないと
疑わざるを得ない。そのせいもあって、
その国で指導者の侮辱にあたる行為は避けなければならない。
治安が悪いと言ったのはそういった意味でもある。
さて、俺が海外に行くと言う事で彼女が色々と準備してくれた。
歯ブラシやハンカチ、服やカメラまでも用意してくれた。
ここまでしてくれると逆に怪しく思えてしまう。
と、言うのも一、二週間前ほど前に彼女と大喧嘩して
数日会わなかった事があった。
縁下
彼女とは同棲していたが
ある日ふらっと帰ってきて
ｶﾞﾁｬ
縁下
彼女
縁下
縁下
何事もなかったかのようにいつもの日常に戻った。
縁下
何事もなく少しほっとする反面、
縁下
と、やや不安が残る。
しかしあの喧嘩で彼女にも少なからず非はあったので
もしかしたらそのことを反省して何も言ってこないのではないだろうか。
俺はそれには触れずにいる。
取り敢えず俺は胸を撫で下ろした
縁下
それから言い争うこともなく平穏な日々を続けている。
不安だった海外出張の前に
懸念材料が消えて俺はほっと安心した。
縁下
タッタッタッ
そして俺は無事にその国に到着する事ができた。
仕事は順調に進み、何事もなく最終日を迎えることもできた。
最終日は現地スタッフと解散し、一日観光することができた。
そしてそれは一人で観光している時だった。
道で現地の人とすれ違った時、
縁下
現地の人
何かが逆鱗に触れたのか物凄い形相でこちらを睨んでいた
現地の人
縁下
早口と訛りで何を言ってるのかはさっぱりわからないが
俺の事を指差して罵言雑言を浴びせているのはわかる。
しかし突然の事で何が原因なのやら
わけがわからない。
知らぬ間に俺は地雷を踏みぬいてしまったのか。
服を掴まれそのまま人気のない路地裏に連れていかれ＿＿＿
縁下
そして、殺された。
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