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ホソク
グク
ジョングクを見送る。 でも玄関までわざわざ出て行ったりしない。 ソファに胡座をかいて片手をヒラヒラさせて言うだけだ。
最新型の薄型ノートパソコンはジョングクが買ってくれた物だ。 1ヶ月前に俺の誕生日があって、冗談で欲しいと言ったら翌日にはここに届いた。
グク
釘を刺されたが今の所壊してない。
相棒となったそれでするのは勿論仕事。 新しくライターの仕事に就いて、ありがたい事に人並みより少し大きいくらいの稼ぎがある。 元々インドア派な俺に完全在宅のこの仕事は正に天職。
テーブルの上にコーヒーと買い置きしておいた薬菓を出してパソコンに目を落とす。
一人で使うには広過ぎる空間に俺がキーボードを打つ音だけが聞こえる。 静かで優雅な仕事時間が暫し過ぎる。
ーーー♩
どれくらい経ったかはノートパソコンの画面上で確認した。
3時間半以上集中していた仕事の手を止めたのはインターホンの呼び出し音だった。 背伸びもしたかったし丁度良いタイミングだった。
立ち上がって伸びをしてインターホンの画面の前に立つ。 女だったら即切っていいとジョングクに言われている。
ホソク
ジミン
画面に映ってるのが男でその声も男だった。 しかもジョングクが家で待ってろって。
そう言われたら開けるわけにもいかない。 あくまでも名義人はジョングク。
ホソク
インターホンを切ってエントランスの自動ドアを解除する。 暫くすれば男はエレベーターに乗ってここまで来るだろう。 仕事を放置して玄関に向かわなければならない。
予想通り、2度目のインターホンの音が鳴って玄関のドアを控えめに開けた。
ホソク
ジミン
ホソク
ジミン
ジョングクと同じグループの人、ジミン。 写真で見るよりも色香が強い。
ジミン
芳しいコーヒーの香りがし始めた頃、ソファに座るジミンから聞こえた。 名前を知ってる事ではなく、名前を覚えてる事に驚いた。
ジョングクと俺が不可思議な同居をしてる事はメンバーの中では周知の事実なんだろうけれど、俺を俺だと認識してる事はそれとは別な気がする。
ホソク
ホソク
ジミン
ホソク
ホソク
ジミン
会話が終わってしまった。 意図せず。 とはいえ目の前にいるジミンが綺麗で色が白くて自然と目が行く。 こういうのを"見惚れる"というのだろうか。
しかもシャンプーか服なのか香水なのか、原因はさておき良い香りまでする。
ジミン
ホソク
あと個人的に"ホソクさん"って呼ばれるのが好きじゃない。
ジミン
ジミン
ジミンのさくらんぼの様な色をしたふっくらとしたその唇が俺の名前を模るとは。 ふとぐらりと揺れそうになる。
ホソク
柄にもなくしおらしい自分の言葉が気持ち悪い。
ジミン
ホソク
シルバーの指輪が付いた右手で赤い髪をかき上げたジミンから、また良い香りがした。
こんな事を言ったら完全に偏見だけれど、ジョングクも相当悪質だがジミンもそれと同じくらい"厄介そう"に見える。 まぁ、職業柄二人とも引くて数多だろうし遊んでない方が有り得ない。
女が放っておかない。
ジミン
ホソク
ジミン
一瞬目がチカッとした。 まさかの質問に。 わざわざ言う必要ない情報まで漏洩してた事が衝撃的で、ジョングクの野郎…と。
ホソク
ホソク
ホソク
ゆっくり頷きながら聞くジミンは継続して淡い笑みを浮かべていて、一呼吸置いた後
ジミン
あざとく首を傾げて言うもんだから、やっぱりこの人も危険だと本能で感じた でもジミンの言葉自体には相違がなくて
ホソク
俺も真似して首を傾げてそう答えてみたけど、ジミン程の小聡明さと色気は出せていないのは明確だ。
ジミン
ホソク
ホソク
ジミン
なんて返って来るかなんて考えずに喋ったのだけれど、まさかジミンがジョングクの笑い声よりもハイトーンで大笑いするとは思わなかった。 しかもソファの背もたれに仰け反ってまで。
ジミン
俺の口の悪さがしっかりジミンにも露呈されたところで、遠くで玄関のドアが開く音がした。 程なくしてパタパタと足音。
グク
ジョングクが良い匂いのする袋を手にして帰宅した。 その匂いに反応する様に鈍い腹鳴。 ジミンにそれが聞こえなかったのは幸いだ。