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そのコンビニ店員に恋をする

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そのコンビニ店員に恋をする

13 - それぞれが抱えるもの

♥

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2024年04月29日

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東雲

ボー

東雲

(あ、そういやコンクール明日か…)

東雲

(結局…今週も司さん来なかったな)

東雲

(ま、ピアノで忙しいんだろうけど…)

おーい、東雲くーん

東雲

わっ?!

大丈夫?ぼーっとしてたけど…

東雲

あぁ…すみません!ちょっと考え事してて〜

…大丈夫?

東雲

はい!ちゃんと仕事しますねー

東雲

いらっしゃいませー

東雲

ふー、お疲れ様でしたー

お疲れ様〜

東雲

いやー、なんか今日客多かったっすね?

そうだねぇ。珍しいよね。

東雲

疲れたー

あ、ねぇ東雲くん。

この後って少し時間あるかな?

東雲

え?あー、ありますよ。

ちょっとだけ付き合って欲しいんだけど。

東雲

わ〜!!見て見て!写真より大きいねぇ〜!

東雲

わっ、やっっば

東雲

これ食い切れるか…??

大丈夫!!東雲くんいっぱい食べるでしょ?

東雲

神代センパイも大食いですもんね

いただきまーす!

東雲

いただきます

ん〜甘いねぇ

東雲

太りそーw

もう!そんなこと気にしないの!

東雲

すんませんww

東雲

にしても、なんで急に大食いチャレンジなんて?

え?えーっとね。

君を元気づけるため…かな?

東雲

はぁ?

何を色々考えてるのか知らないけど、最近元気無かったろう?

だから、いっぱい食べれば忘れられるかなって。

東雲

うぉお…なんか色々ズレてる気がしますけど、

東雲

まぁ……あざっす。わざわざ。

ふふ、君は大切な後輩だからね。

東雲

…何がそんなに不安なの?

東雲

いや、まぁ……

東雲

俺、高校三年なんすよ。

うん、大変な時期だね。

東雲

そんで…まぁ、受験とか、就活とか……あるじゃないすか?

ああ、そうだねぇ

東雲

そんで…俺、将来やりたい事が分からなくて。

東雲

受験するにも大学決めてないし、就活するにも高卒だと雇い口少ねぇだろうし…

東雲

とにかく、将来に対して漠然とした不安があるんです。

ふむ…

東雲

それに、こんな不安定な状態で…司さんと付き合うとか、正直迷惑かなって。

東雲

そんな事色々考えるようになってー…まぁ、頭パンクしそうな訳ですよ。

だから最近ぼんやりしてる事が多かったんだね。

東雲

そっすねー

…よし、君の話は大体分かったよ。

ま、とにかく今は食べよう。話はその後だよ。

これ時間制限付きだからね。

東雲

マジかよ?!喋ってる場合じゃねーじゃんw

ふふ、頑張ろうね。

東雲

う"ーーー…何とか食いきれましたね…

ふふ、ちょっとキツかったね

東雲

しばらく甘いもんは見たくねぇわ…

あははっ。1週間分は食べたね。

東雲

おい嘘でしょアレで1週間分??

ん?

東雲

センパイマジで大食いっすね…

ふふ、そうかな?

…さて、食べ終わった事だし話の続きをしようか。

東雲

たしか、将来に対する漠然とした不安…だったよね?

東雲

…はい。

ま、先輩としてアドバイスしてあげるよ。

そんな気にしなくても、なるようになる。

東雲

…えぇ?

ふふ、参考にはならないだろうけどね。

東雲

まぁ…えっと、

僕を見てご覧よ。学校へも通ってない、働くと言ってもコンビニバイトだ。

東雲

ああ…たしかに

こんなんでも、生きてはいける。

東雲

ま、そっすね。

東雲くんはやりたい事が分からないって言ってたよね。

東雲

あー、はい。

「無い」って言わないということは、やりたい事があるって事じゃないかな?

東雲

……

けど、その「やりたい事」が分からない…まぁ、よくあるよ。

東雲くんの好きなものって何?

東雲

え、俺の?

東雲

えーっと、甘いもんにファッション、音楽とか…

ふむ…その中に、やりたい事があるんじゃないかな?

東雲

この中に…

東雲

……

…まぁ、キッカケは案外近くにあるものさ。

不安なのは分かるよ。若い証拠だ。

東雲

アンタもそう変わんねぇだろ…

ふふ。まぁ、あまり考え過ぎるのも良くないよ、と言っておこうかな。

東雲

さぁ、遅くまで付き合わせてごめんね。そろそろ帰ろうか。

東雲

…あの、ありがとうございました。

ふふ

🎶ポロン

🎶ポロン…ポロン

🎶ボンッ

あ"ーーー…!!

違う…こうじゃない…何故出来ないんだ…

「また入賞ですって!流石ねぇ」

うるさい…

「この子はピアニストになるために産まれてきたんだわ!」

うるさい…

「いいわねぇ…才能のある子は。」

うるさい…!

「今回の入賞は神代くんですって。」

「まぁ、天馬さんの所は駄目だったのね」

うるさい…!

「私の方が練習してるのに…なんでアンタが…!!」

「どうせ才能のない奴らって、バカにしてるんだろ?」

違う!!!!

俺は……俺はただ、ピアノが好きなだけだ…

みんなもそうだろう…?ピアノが好きだから、必死に練習してるんだろう…?

なのに…!!賞を取ってもダメ、取らなくてもダメ…ッ

そんなに…俺がピアノを弾くのはダメな事なのか…?

…………はぁ、

全く、ダメだな。前日だと言うのに…全く心が落ち着かん…

明日…そうだ、彰人にも見に来いと言ったな…

絶対金賞取るって…それで、もう一回告白して…

そうだ、俺にはやらなければならん事がある…!

過去がなんだ。大切なのは今じゃないか!

まずは明日!目先の未来だけを考えよう!

続く

そのコンビニ店員に恋をする

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