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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

いらっしゃい。ようこそ、第二の物語の世界へ。ここで貴方はもう一度新たな世界を築くことが出来ます。

玲香

真紘が無事に帰って来ますように…

玲香

お願い、神様。真紘を病気から救って!

真紘が手術室に運ばれてから私はそれしか言っていなかった。看護師さんがホットミルクを置いてくれて気づいた。

玲香

すみません、うるさかったですよね

看護師

いや、いいのよ

看護師

心配なんだもんね真紘くんのこと、でも

看護師

あまり気を張りつめすぎちゃうのも良くないわ

看護師

玲香ちゃんも万全の状態ではないんだし

看護師

たまにはリラックスも大切、だからね?

それで、ホットミルクを…。看護師さんの優しさに涙しそうになる。

玲香

ありがとうございます

玲香

ちょっと休憩することにしますね

看護師

ええ、また困ったらいつでも呼んでね?

看護師さんが病室を出た後、私はふと窓の外に視線をやった。

この病院は学校からの負傷者がすぐ来れるように病院と学校の距離が近いことで有名だ。勿論、小児科もある。

私のいる4階からは高校の校庭が全て見えた。…あれは、何をしてるんだろ?

玲香

…水やり、してるのかな

玲香

あの花は…向日葵だ!ふふっ、あの男の子水やり楽しそうだな

玲香

(こっそり抜け出して一緒に水やりしたいな)

いてもたってもいられなくなって、私はパジャマのまま外へ抜け出した。

高校の正門までいくと、ちょうどその男の子が出てきた。背は同じくらい。

玲香

あのー…こんにちは

汀 貴也

…こんにちは、うーんと、もしかして

汀 貴也

あそこの病院の子?

玲香

そうなんです、私も花が好きで水やりしたくて

汀 貴也

そっか、それはよかった

汀 貴也

この花たちは患者さんの心を癒すようにって

汀 貴也

育てられているものなんだ、ちゃんと届いてたみたいだね

玲香

はい、いつも癒されてます

「いつも」というのは嘘だけど。いつもは真紘とずっとお喋りしてるから。

汀 貴也

じゃあ、この向日葵に水をやってくれるかな?

玲香

はいっ!

30分後

玲香

はあ、はぁっ…

汀 貴也

大丈夫!?

看護師

…かちゃん、玲香ちゃん

玲香

うーん…?

看護師

もう、勝手に外出するなんてダメじゃない!

玲香

あれ、なんでベッドに?

看護師

高校生の男子がここまで運んでくれたのよ

玲香

あっ、あの人…

急に倒れちゃったから名前も聞けなかったな…。しかもその後、看護師さんに延々怒られてしまった。

外出した疲れか、怒られた疲れかそのまま私はずっと眠ってしまったみたい。次に起きたのは翌日の昼下がりだった。

玲香

今日は来ないんだなぁ。あの人どうしたんだろ

その時、唐突に昨日水をあげた向日葵の心の声が聴こえた。

玲香

(向日葵…さん?)

そう、私は向日葵。私は貴也が好きなの。いつも会いに来てくれるから。

玲香

(あの人、貴也っていうんだ)

ねえ、玲香ちゃんにお願いがあるの。それは、貴也への伝言。

玲香

(何を伝えればいいの?)

玲香

(それに、今日は来なかったし…)

だから、もうすぐ私は枯れてしまうの。けど、想いは伝えたいから。

玲香

(分かった。やってみるよ。)

ありがとう。貴也にこう伝えて。「私は毎日水をくれるあなたが、笑顔のあなたが大好きだよ」

「だから来年また会おうね」って

玲香

(絶対伝えるね、約束。)

大切な人に想いを伝えられないもどかしさは私も充分分かっている。

なんとしてでも向日葵の想いは伝えてあげたい。そう思って眠りについた。

真紘

…やっぱり、眩しいな。

玲香

真紘、私行かなきゃ行けない所があるから

玲香

ちょっと外出してきます、すぐ戻ります!

看護師

あっ、待って!

玲香

貴也さん

汀 貴也

…あ、あの時の

貴也さんは泣いていた。 向日葵の前で涙の雨を降らしていた。

玲香

向日葵は貴也さんに伝えたかった事があります

貴也さんに向日葵の想いを伝えた。

汀 貴也

…そっか。向日葵…

汀 貴也

また来年、今度はずっと一緒にいような!

貴也さんの表情は、向日葵や虹に負けないくらい明るかった。

私には、その笑顔が眩しく感じた。

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コラボ×コラボ第2弾「向日葵と僕×虹を見る」いかがでしたか?

やっぱり恋愛モノはまだまだ修行しなければな…と感じました。

第3弾は「落目生×開眼の机」です!シリーズ最後まで読んでくださいね!

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