また一つ、指を動かし音を奏でる。
莉愛
……。
莉愛
…独りで何やってんだろ…
放課後の音楽室。
誰も聴かない、来ない教室でピアノをひく。
少しでも家にいる時間を減らすために。
藍
…結月さん。
莉愛
…え_?
莉愛
何で此処に…。
藍
…委員会、終ったの。
藍
…それ、三日月の舞?
莉愛
、知っているの?
藍
うん、小学校の頃習ってたの。
莉愛
…凄いね。
藍
トランペット位なら吹けるよ。
莉愛
…トランペットかぁ…
莉愛
……ねぇ。
莉愛
一緒に帰らない?
藍
…
莉愛
…あ、嫌だったら…断って、!
藍
帰ろ。
莉愛
…有難う、…!
藍
…………ねぇ、…莉愛?
莉愛
、へっ…
藍
…嗚呼、ごめん。
莉愛
あ…いや……
莉愛
…藍…?
藍
は~い?
莉愛
…明日も、こうして帰ろう。
藍
そのつもりだよ。
考えることは同じようだ。
隣には椿が咲き誇っている。
風が吹くと同時に、椿は首を落とす。
椿みたいに。
死ねたらいいのに。
莉愛
…藍。
莉愛
椿は好き?
藍
…それなりに…だね。
莉愛
…そう。
莉愛
期待していて。
藍
…え、?
莉愛
其れじゃあ僕はここで。
莉愛
…ただいま。
勿論返事は帰ってこない。
僕はいない存在として扱われているから。
だから僕が死のうがリスカしようが薬飲もうが何も言われない。
一つ、薬を出す。
__もっといる。
一気に二十粒出す。
此れで足りる?
薬をエナジードリンクで呑み込む。
此れで僕は幸せになれる。
現実より夢を見て生きていたい。
そんなことを考えながら眠りについた。






