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忘却

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忘却

1 - 忘却

♥

20

2019年12月19日

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私には記憶がない 記憶がないといっても 全てリセットされるわけではない 一部分の風景だったり人だったり はっきりと言えるのは 中学以前の記憶がないのだ

私を教えてくれますか?

私に好意を向ける相手に いつもそう問いかけた だけど 気味悪がって逃げていくのだ それもそうだろう だって 私自身私を知らないのだから

おはよう

おはようお母さん

朝ご飯できてるから

ちゃっちゃと食べて仕事行ってね

うん。ありがとう

なんてことない朝の風景 ここが私の安心できる唯一の場所

いくかぁ…

(憂鬱だ…)

支度を終え、外へ出る 外は怖い 私を守るものは何もないから

恋をしたのは…

そうだ…

初めてのバイトで優しく指導されたから

思えば大人に憧れてた気がする

 

中津優也

なあ…もういいだろ?

ごめん…まだ怖い…

中津優也

はぁ…

中津優也

処女だっていうから付き合ってやったのに

(聞こえてるんだけど…)

 

別れる前はこんなんだったな…

年上な女の人好きになって…

付き合って別れて繰り返して結局…

IF

8回くらい繰り返したよねw

一途だったんだと思う

IF

真実は

IF

僕が知っている

君は僕を知っている?

IF

もちろんだとも

IF

だって僕は君だもの

へぇ…

じゃあ教えてよ

IF

君は初めて人を好きになった

IF

だがその彼はほかの人が好きだった

IF

けれど君を手放すには惜しかった

IF

所謂キープみたいなものだね

IF

だけど君は諦めなかった

IF

好きだったから

IF

だってそうだろう?

IF

君はその彼の全てが愛おしかったんだ

IF

だから手段を選ばなかった

IF

望まれるままにすべてを差し出した

IF

事件は交際3年後に起こったことだ

IF

彼は君が鬱陶しくてたまらなかった

IF

君は何でも言うことを聞くからね

IF

ロボットはいらないんだよ

IF

だから

IF

彼は

IF

君を

IF

君の体を

IF

これ以上ないくらいに傷つけた

IF

結婚の約束をほのめかした

IF

君はすごく嬉しがってた

IF

彼の指定した場所へ赴いた

IF

待っていたのは

IF

彼ではなかった

IF

知らない人、人、人

IF

逃れようとするにも遅かったわけだ

IF

君は見知らぬ男達から暴行を受けた

IF

どれくらいの時間が経っただろう

IF

長い時間を経て彼がやってきた

IF

別の男の人達をつれて

IF

彼は笑っていた

IF

君は絶望した

IF

彼に、人に、この世に

IF

だから君はちょっとした仕返しをしたんだよ

IF

そう…

IF

仕返しを、ね

IF

気がつけば部屋は血で染まっていた

IF

部屋に転がるガラスの破片

IF

怯えた彼の瞳

IF

君は返り血を浴びていた

IF

笑って愛してると言った

IF

彼は逃げるように部屋を出ていったね

IF

君は普段通り家に帰って日常を繰り返す

IF

彼にはそれが狂気に見えた

IF

幸い誰も死んではいなかった

IF

ただ…君を恐れる人ができた

IF

だから君は【それ】を僕に預けたんだよ

IF

だって耐えられなかったから

IF

きっと君は綺麗な恋をしているままでいるよね

IF

真実はいつも残酷なのさ

IF

君はいつも真実を知らないままだ

IF

君の奥底に
いつも狂気が眠っていることを忘れないようにね

私が狂気を持ってるだなんて

そんな怖い人じゃないよw

IF

ふふっ

IF

どうだろうね♪

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