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ボスキと主様

第98話 - 第98話月冴ゆる夜～フェネスと主デート編～

180

2025年04月23日

#悪魔執事と黒い猫

#ボスキ・アリーナス

aimer(エメ)

テディとデートが終わった日の夜。

コンコン

ムー

こんなお時間にどなたでしょうか？

主

さぁ？

フェネス

主様。起きていらっしゃいますか？

ムー

あ、フェネスさんですよ！主様。

主

そうみたいだね。
どうしたんだろう…。
何かあったのかな？

フェネス

主様、寝てしまわれたのかな？
また、後日にした方がいいかな？

そんな声が扉の向こうで聞こえ、慌てて主は扉の前にくると、扉を軽く開け、フェネスに言う。

主

ごめん。ごめん。
どうしたの？フェネス。

フェネス

主様。良かった。起きていらしたのですね。

主

うん。
それで、何かあったの？

フェネス

あ、いえ、そういうわけではなく、もしお時間がありましたら、今から
2人で天体観測でもいかがでしょうか？///

主

あ、いいよ///
でも、ムーに話してから行くから、ちょっと待ってて。

フェネス

わかりました。
あ、それと温かい格好でお越しくださいね。北の大地の夜はかなり冷え込みますから。

主

わかった。

そういうと、1度、部屋の扉を閉め、主はムーに話す。

主

ちょっとフェネスと星見てくるから、ムーは眠かったら、先に寝て待ってて。

ムー

わかりました。主様。
お気をつけて行ってきてくださいね。

主

うん。

そういうと、主は急ぎ、フェネスに言われた通り、温かい格好をすると部屋を出る。

廊下

主

フェネス。お待たせ///

フェネス

いえ、そんなにお急ぎにならなくても、俺はちゃんとお待ちしておりますよ。
でも、嬉しいです///
俺と天体観測をすることを〇〇さんも期待されたということですよね？///

主

うん…////

フェネス

では、行きましょうか///

主

うん///

そして、望遠鏡を持ったフェネスと主は並んで歩き、外へと出る。

御屋敷の外

フェネス

では、少しお待ちくださいね。〇〇さん。

そういうと、フェネスは手際よく望遠鏡を設置し、一点の星に合わせ、主に声をかける。

フェネス

〇〇さん、ご準備が整いました。
こちらから覗かれて見てください。

そう微笑みながら言うと、望遠鏡の前からよけて、主の右手を左手でとったフェネスが望遠鏡の前に主を立たせ、フェネス自身は主の右側に立つ。そして、主はそんなフェネスにドキドキしながらも、望遠鏡を覗き込んだ。

主

すごい!赤い星だ～!!

フェネス

はい。その星は、ベテルギウスといって、オリオン座の一等星です。位置としては、オリオン座の右肘の付け根辺りにある星です。約640光年離れた場所にありますから、およそ640年前に発せられた光を俺たちは見ていることになります。

主

すごいね…。そんな昔の光を私たちが今、見てるなんて…。

フェネス

そうですね。
ちなみにですが、オリオン座の一等星のベテルギウス、おおいぬ座の一等星のシリウス、こいぬ座の一等星のプロキオンの3つの星を結んでできる三角形を冬の大三角と呼びます。

主

そうなんだ～!
知らなかった!
あっ、でも、私もね。夏の大三角なら知ってるよ!確か、こと座のベガとわし座のアルタイル、はくちょう座のデネブを結んだ三角形だよね？

フェネス

よくご存知ですね。
その通りです。
どちらも大三角とはつきますが、それぞれの星の位置が違いますので、夏の大三角は二等辺三角形に見えるのに対し、冬の大三角は正三角形に近い形で見えるのが特徴ですよ。

主

(やっぱり、フェネスって物知りだなぁ…。素直に尊敬するわ…。)

主

フェネスって色々知ってるから、すごく勉強になるよ。いつも、ありがとうね///

フェネス

い、いえ…////
俺はただ本で読んだ知識をお話しているだけですから///
本当にすごいのは、そういった書物を書かれた方々ですよ。

主

そうやって、謙遜できるフェネスはもっとすごいよ!それに、読んだことを実際、実践できてるんだから、やっぱりフェネスはすごいよ!
そんなフェネスとこうやって、一緒に星が見られて嬉しい///
誘ってくれてありがとうね///

フェネス

〇〇さん…。俺こそ
ありがとうございます///

そして、フェネスと主は、色々な星に焦点を当て、天体観測デートを楽しんだ。そして、しばらくすると主が声をあげる。

主

あっ!流れ星!

フェネス

本当ですか？！

主

うん!あ、また流れ星!

フェネス

本当ですね!
今回は俺も見えました!

そう、子供のように2人は目を輝かせ、次々降る流れ星を指さし見る。

フェネス

そうでした…今日はふたご座流星群の日です!
やりましたよ!〇〇さん!流れ星がいっぱい見られますよ!
あっ///

嬉しさのあまり思わず、主の両手をとり主とフェネスの胸の前で握り、主と目が合い、恥ずかしくなるフェネス。

主

フェネスったら…////

フェネス

す、すみません////

そういい、赤面しながら手を離すフェネス。そんなフェネスに微笑み主は言う。

主

別に怒ってないし、
嫌じゃないよ///
だって、フェネスは私の彼氏でしょ？///
ただ、ちょっと恥ずかしかっただけ///

フェネス

〇〇さん…////
愛しています。
これから先もずっと。
だから、俺と今日この日見た星を忘れないでください。俺も忘れませんから。

主

うん。忘れないよ///
愛してる///フェネス///

そして、星降る寒空の下、2人は向き合いながら、再び胸の高さで両手を互いに重ね合い指をからませ繋ぐと唇を寄せ合い、そっとキスをした。

ちゅっ

主

/////

フェネス

/////

それから、ゆっくり唇を離し、互いに見つめ合う。

ドクン…ドクン…

互いの心臓は脈打っていた。

主

フェネス…////

フェネス

〇〇さん…////

そして、互いに惹き込まれるように、今度は、両手を離し、フェネスは主の後頭部に左手を当て、右手は主の背中に当て主を強く抱き締めキスをし、主はそんなフェネスの背中に両手を回しギュッと抱きしめそのキスに応える。

ちゅっちゅっレロレロレロレロ

主

んっはぁむぅん…////
フェネスぅ…////
好き…////んっはぁ…
大好きぃ…///んっむぅん...///愛してるぅ…////

フェネス

んっはぁ...///
俺もですっ…////
愛しています…////

寒さなどかき消すほどの熱を互いに感じ体も高ぶる。

フェネス

〇〇さん…////
はぁ…はぁ…///
俺…〇〇さんと致したくなってしまいました///

主

はぁ…はぁ…///
私も…///

フェネス

はぁ…はぁ...///ふぅ～。
フフフッ…///

息を整えた後、笑うフェネスに主は不思議がる。

主

フェネス？

フェネス

すみません…。
でも、今日は、我慢します。ここは、お外ですし、俺は2階のみんなとお部屋が一緒ですし、〇〇さんはムーとお部屋が一緒ですからね。

主

ずるい…////

フェネス

すみません。〇〇さん。

主

こんな悶々とさせて…////

フェネス

うっ…///それは、俺も悶々としていますよ///
できることなら、今すぐにでも致したくて仕方がないです///

主

(あ、一緒なんだ…////
なら、おあいこかな///)

主

ふふっ/// なら、おあいこで許してあげる。

フェネス

フフフ…ありがとうございます///

そういうと、フェネスは主の耳元に近づき、囁く。

フェネス

この続きは近いうちに///

主

う、うん///

そういうと、2人は再び天体観測をする。互いの冷めやらぬ熱を逃がすように…。

御屋敷の廊下

主

そういえば、フェネス。その望遠鏡どうしたの？

フェネス

こちらですか？こちらは、今回の依頼主様からお借りしたのですよ。

主

そうなの？

フェネス

はい。依頼主様に望遠鏡がありましたら、お借りしてもよろしいでしょうか？とお尋ねしましたら、御屋敷にあるものは何を使ってもいいですよ。と快く貸していただけたので、せっかくですから、〇〇さんに星でも見ていただいて楽しんでいただけたらなと思いまして、ちょっとしたデートにお誘いしました///

主

そうだったんだ///
ありがとうね///
フェネス。

フェネス

いえいえ、〇〇さんに楽しんでいただけたなら良かったです///

主

うん。楽しかったし、綺麗だった///
また、今度、一緒に見ようね///

フェネス

はい。ぜひ、見に行きましょう///

そして、主の泊まる部屋の前まで来ると、2人は名残惜しそうに、向かい合って主は右手をフェネスは左手を重ね、指をからませ握る。

主

なんか、あっという間だったね…。

フェネス

そうですね…。

主

寂しいな…。

フェネス

〇〇さん…。

主

もっと一緒に居たいな…。

フェネス

でしたら、俺、望遠鏡を返してきますから。お部屋でお待ちいただけますか？
それから、また俺、戻ってくるので、そうしたら、〇〇さんが眠るまで、お傍にいますから。

主

本当？

フェネス

はい。
俺でよければ、全然いいですよ///

主

うん///ありがとう。
フェネス///
じゃぁ、部屋で待ってるから、ノックしなくてもいいから、そっと入ってきて。ムー寝てるかもしれないから。

フェネス

わかりました///
〇〇さん。

そして、フェネスは望遠鏡を返しに行き、主は部屋へと戻る。

案の定、部屋へ戻るとムーはぐっすり眠っていた。

ムー

すぅ～すぅ～。

主

ふふっ。ムーただいま。そして、おやすみ。

主は小声でムーへそう告げると、寝る支度をして、布団に入り、フェネスを待った。しばらくすると、静かに扉が開きすぐに扉が静かに閉まる。そして、中に入ってきたフェネスが主の横に椅子を置き、主に小声で告げる。それに、主も小声で答えた。

フェネス

お待たせ致しました。
〇〇さん。

主

おかえり。フェネス。

フェネス

では、俺は、〇〇さんが眠るまでお傍におりますから。安心してお休み下さいね。

主

ありがとう。フェネス。
あのね…///

フェネス

はい。
どうされましたか？

主

手を握っててほしいの…////

そういい、暗がりの中、主は布団から右手を出し、フェネスに手を伸ばすとフェネスは両手でその主の手を握り言う。

フェネス

もちろんですよ///
俺も〇〇さんと少しでも触れていたいですから...///

主

(暗がりで見えなくてもわかる…。フェネスがそこにいるって…。すごく安心する…。)

主

ありがとう///フェネス。
おやすみなさい。

フェネス

はい。おやすみなさい。〇〇さん。
良い夢を…。

そして、しばらくすると主は眠りについた。

主

すぅ～すぅ～。

フェネス

眠られたようですね…。
ゆっくり、おやすみください。〇〇さん。

そう眠る主に囁くように告げると、フェネスは主の右手を布団の中へ優しく入れ、主が泊まっている部屋をあとにする。

2階の執事たちが泊まる部屋

みなが寝静まる部屋に静かに帰宅するフェネス。そして、フェネスが着替え終え、お布団に入ろうとした時、声をかけられる。

ボスキ

帰ってきたんだな。
フェネス。

フェネス

あ、起こしちゃった？
ごめん。ただいま。
ボスキ。

ボスキ

あぁ。気にするな。それより、〇〇と星見に行ってたんだろ？
どうだった？

フェネス

あ、うん… ///
とても、綺麗だったよ…///

ボスキ

〇〇は喜んでたか？

フェネス

うん。それは、ばっちりだったよ///
ふたご座流星群も見れて、すごく喜ばれていたよ///

ボスキ

流星群来てたのか？

フェネス

あ、うん。

ボスキ

フッ...。それは、良かったな。
〇〇も喜んでいたならそれでいい。
話はそれだけだ。
俺はもう一度寝る。
フェネスも早く寝ろよ。

そう笑い、寝返りをうつボスキの背中にフェネスも声をかける。

フェネス

あ、うん。おやすみ。
ボスキ。

そして、フェネスは布団に入ると目を閉じ、今日の主とのことを考えていた。

フェネス

(今日は、ふたご座流星群を〇〇さんと一緒に見られて良かった。〇〇さんと口付けまでして…////あれが夏だったら、どうしてたんだろう…////なんか、勢いでその場で致していたかもしれない////)

頭の上から、やかんのようにプシューという音が聞こえそうな程真っ赤になるフェネス。

フェネス

はぁ...///

フェネス

(どうしよう…考えてたら勃ってきちゃった…///もう、無心になって寝よう!!///)

そうして、フェネスは自身を落ち着かせると、静かに幸せそうに眠りに落ちるのであった。

フェネス

すぅ～すぅ～。

ボスキ

寝たか…。

そうして、みなを起こさぬように体を起こすと静かにボスキは部屋を出る。

主が泊まる部屋

ムー

すぅ～すぅ～

主

すぅ～すぅ～。

ボスキ

フッ...。気持ちよさそうに寝てるな。

そう微笑み、主の横に置いてあった椅子へと座ると優しく眠る主に微笑み、そっと左手で頭を撫でる。

主

ん～。ながれぼし…。
すぅ～すぅ～。

ボスキ

そうか。そんなに楽しかったのか。良かったな。〇〇。

主

ぅん…たのしかった…。
すぅ～すぅ～。

ボスキ

フッ...｡寝ながら答えるなよ。
だが、そうか。良かったな。ゆっくり休めよ。

主

ぅん…すぅ～すぅ～。

ボスキ

(本当に寝てんのか？)

主

すぅ～すぅ～。

ボスキ

(寝てるみたいだな…。)

ボスキ

じゃぁな。おやすみ。
〇〇。

主

すぅ～すぅ～。

ボスキ

今度は無反応か…。
まぁ、いいけどな。
〇〇が幸せな夢を見てくれるなら、それでいい…。

そして、眠る主の横の椅子から立ち上がるとまた、静かに主が泊まる部屋からボスキは出ていった。

おわり

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