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来華
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#魔法
Nemuri
564
深夜の廃工場。
使われなくなった巨大な建物の奥で、神崎達は二人を拘束したまま観察を続けていた。
元々は研究施設として使われていた場所。 だが、今は最低限の設備しか残されていない。
その理由を、霧島は知っている。
霧島
霧島が資料を確認しながら呟く。
神崎
神崎は視線を上げる。
霧島
霧島はモニターに映る過去の戦闘記録を見る。
霧島
神崎は少しだけ笑った。
神崎
霧島
神崎
神崎は指を折る。
神崎
そして。
神崎
霧島は黙って聞く。
神崎
神崎はそう言った。
神崎
その視線が阿部へ向く。
阿部は静かに周囲を確認していた。
拘束具。 部屋の構造。 監視装置。 そして。
宮舘の状態。
宮舘涼太
宮舘は目を閉じたまま座っている。
しかし、阿部には分かっていた。
起きている。
阿部亮平
小さく呼ぶ。
宮舘は目を開けずに返した。
宮舘涼太
阿部亮平
宮舘涼太
一瞬。 二人だけにしか分からない空気が流れる。
霧島はそれを見逃さなかった。
霧島
二人がそちらを見る。
霧島
宮舘の表情は変わらない。
阿部も答えない。
霧島は続ける。
霧島
阿部亮平
阿部が聞く。
霧島
霧島は資料を見る。
霧島
阿部の目が僅かに細くなる。
阿部亮平
霧島
霧島の視線が宮舘へ。
霧島
沈黙。
霧島
霧島は続ける。
霧島
神崎が口を開く。
神崎
その瞬間。 宮舘の表情が変わった。
ほんの僅か。
だが。 神崎は見逃さない。
神崎
阿部が前に出ようとする。
しかし拘束具が反応し、身体が止まる。
宮舘涼太
宮舘が静かに呼ぶ。
宮舘涼太
阿部亮平
宮舘涼太
宮舘は神崎を見る。
宮舘涼太
神崎は首を横に振る。
神崎
宮舘涼太
神崎
その言葉に。 阿部の警戒が一気に跳ね上がる。
神崎はゆっくり歩く。
神崎
宮舘涼太
宮舘が問う。
神崎は答えた。
神崎
空気が凍る。
阿部だけが。 その言葉に反応した。
ほんの一瞬。
だが。 神崎は見逃さなかった。
神崎
神崎の目が阿部へ向く。
阿部は表情を変えない。
けれど。 神崎は確信に近づく。
神崎
阿部亮平
阿部が問い返す。
神崎は笑う。
神崎
阿部亮平
神崎
宮舘を見る。
神崎
そして阿部を見る。
神崎
阿部の心臓が僅かに跳ねた。
その頃。 廃工場へ向かう道中。
SnowManは急いでいた。
深澤辰哉
深澤が言う。
ラウール
ラウールが不安そうに見る。
ラウール
遠くに複数の反応。
黒マフィアだけではない。
さらに増援。
岩本が前へ出る。
岩本照
拳に炎が灯る。
岩本照
渡辺も隣に立つ。
渡辺翔太
岩本照
目黒が植物を展開する。
目黒蓮
佐久間が笑う。
佐久間大介
向井も重力を纏う。
向井康二
そして。 誰よりも静かな男が。 拳を握る。
渡辺。
渡辺翔太
小さく呟く。
渡辺翔太
幼馴染を迎えに行くため。
そして。 絶対に守るべき仲間を取り戻すため。
SnowManは最後の壁へ向かって走り出した。
地下研究区画。
宮舘は、先ほどまでいた実験室とは別の部屋へ移されていた。
白い壁。 無機質な照明。
そして首元には、小さな装置が取り付けられている。
首輪型の精神干渉補助装置。
洗脳そのものを行うものではない。
しかし、神崎達が施した精神干渉を増幅し、認識そのものへ干渉するためのものだった。
神崎が装置の数値を確認する。
神崎
霧島
霧島が問いかける。
神崎
神崎は頷く。
神崎
霧島
霧島は苦しそうな顔をして宮舘の方を見る。
画面には、宮舘の視界に映る情報が表示されていた。
本来なら。 そこにいるのは神崎と霧島。 黒マフィアの姿。
そして。 助けに来るはずのSnowMan。
しかし。 装置を通した宮舘の視界では。
逆になっていた。
神崎達は、協力者。 自分を守ろうとしている味方。
そして。
SnowManは――
宮舘涼太
宮舘の口から、静かな声が漏れる。
神崎は満足そうに見つめる。
神崎
神崎
神崎
宮舘は椅子から立ち上がる。
表情は穏やか。
しかし。
普段の彼を知る者なら気づく。 何かがおかしい。
宮舘涼太
宮舘は神崎を見る。
宮舘涼太
神崎
神崎は答える。
神崎
神崎
宮舘は頷く。
だが。 ほんの一瞬。 指先が震えた。
《命紡》で生み出した存在。 それが宮舘の手元へ戻ってくる。
小さな金属片から生まれた存在は、宮舘の心を感じ取っていた。
――違う。
――この人は、本当は望んでいない。
しかし。 首輪の装置が反応する。
視界が揺らぐ。 声が遠のく。
宮舘涼太
宮舘は自分の胸元へ手を置く。
何かを忘れている気がする。 大切な何か。
でも。 それを考えようとすると。
頭の中へ別の映像が流れ込む。
優しく声をかけてくる神崎。
自分を助けようとする霧島。
そして。 自分を傷つけようとするSnowMan。
宮舘涼太
宮舘は小さく呟いた。
その言葉に。 神崎が反応する。
神崎
宮舘は答えない。
ただ、頭の中に浮かぶ顔。
渡辺。 阿部。 岩本。 深澤。 佐久間。 向井。 目黒。 ラウール。
宮舘涼太
本当に。 彼らが敵なのか。
その疑問だけは。
完全には消えなかった。
一方。 同じ地下区画の別室。
阿部は一人、拘束された状態で座っていた。
阿部亮平
周囲の電子機器。 監視カメラ。 通信装置。
本来なら。 触れなくても情報へ入り込める。
だが。
今は慎重に力を抑えていた。
理由は一つ。 宮舘の存在。
もし自分が強引に能力を使えば。 神崎はすぐに宮舘への干渉を強める可能性がある。
阿部亮平
阿部は小さく呟く。
その時。 微かな電子反応。
監視システムの一部。
ほんの一瞬だけ。
宮舘が作った何かが発した信号。
阿部の目が開く。
阿部亮平
阿部亮平
《命紡》は完全には奪われていない。
宮舘自身の意思も。
阿部亮平
阿部は静かに息を吐く。
阿部亮平
助けに行く。
ただし。 宮舘を無理やり取り戻すのではない。
彼自身が戻れるようにする。
そのために。
阿部は閉じていた能力のリミッターへ手をかける。
普段なら絶対に使わない領域。 能力干渉。
阿部亮平
阿部亮平
その瞬間。
別室で。 宮舘の首輪型装置が一瞬だけノイズを起こした。
霧島
霧島が画面を見る。
神崎
神崎も振り返る。
神崎
静かな声。
そして。 神崎は笑った。
神崎
神崎
神崎
地下施設の奥。
二つの力がぶつかり始める。
《命紡》 そして。 世界の情報へ干渉する力。
終章への歯車が。
完全に回り始めた。
神崎
神崎が机の上に置かれた小さな箱を差し出した。
中には一本の古い髪の毛。
神崎
宮舘は無意識にそれを見る。
本来なら違和感を覚えるはずだった。
なぜ自分がこんなことをするのか。 なぜ神崎達のために力を使うのか。
しかし、装置によって認識が歪められている。
宮舘涼太
宮舘が手を伸ばす。
宮舘涼太
その瞬間。
施設全体に警報が響いた。
『侵入者確認』
神崎が振り返る。
神崎
霧島も表情を変える。
霧島
映像モニターに映ったのは――
深澤。 佐久間。 渡辺。 向井。 目黒。 ラウール。
そして。
岩本照
岩本が炎を纏いながら立っていた。
七人は、黒マフィアの足止めを突破していた。
佐久間大介
深澤が周囲を確認しながら呟く。
深澤辰哉
目黒蓮
目黒が聞く。
深澤の表情は険しい。
深澤辰哉
精神感応で感じるはずのもの。
仲間を心配する気持ち。 怒り。 恐怖。
それらが、妙に薄い。
深澤辰哉
阿部がいない。
宮舘がおかしい。
その二つが繋がった瞬間。
渡辺の顔色が変わる。
渡辺翔太
幼馴染だから分かる。
宮舘は、自分から仲間を裏切るような人間ではない。
だからこそ。
深澤辰哉
渡辺が拳を握る。
宮舘はモニター越しにSnowManを見る。
しかし彼の目には―― 敵の姿しか映っていなかった。
宮舘涼太
宮舘涼太
静かな声。
けれど、その言葉にはいつもの宮舘にはない冷たさがあった。
神崎は満足そうに笑う。
神崎
神崎
そして。
SnowManにとって最も避けたかった戦いが始まろうとしていた。
仲間を傷つけずに。
仲間を取り戻すための戦いが。
激しい戦闘音が響き渡っていた。
岩本照
岩本の声が響く。
しかし、その声に反応した宮舘の瞳には――いつもの優しさはなかった。
宮舘涼太
静かな声。
けれど次の瞬間。 周囲の温度が一気に下がった。
向井康二
床一面が凍りつく。
宮舘が手を振るだけで、無数の氷柱が壁から突き出した。
深澤辰哉
深澤が叫ぶ。
全員が反射的に回避する。
威力だけなら、いつもの宮舘と変わらない。 いや。 むしろ迷いがない分、純粋な戦闘能力だけなら上がっている。
渡辺翔太
渡辺が名前を呼ぶ。
だが宮舘は一瞬だけ首を傾げるだけだった。
宮舘涼太
宮舘涼太
その言葉に、渡辺の表情が歪む。
渡辺翔太
渡辺翔太
しかし宮舘には、その言葉が届かない。
装置によって書き換えられた認識。
SnowManの姿は、宮舘には仲間ではなく――
自分を利用しようとする敵として映っていた。
目黒蓮
目黒が構える。
次の瞬間。 宮舘の姿が消えた。
ラウール
氷による足場形成。 瞬間的な加速。
そして――
宮舘涼太
鋭い氷の刃が目黒へ迫る。
だが。
岩本照
岩本が割り込む。
炎の壁が氷刃を受け止める。
岩本照
岩本の炎と宮舘の氷。
本来なら互いを理解し合う能力。
だからこそ。 岩本は攻撃できなかった。
宮舘涼太
宮舘が小さく呟く。
一瞬。 本来の記憶が戻りかける。
しかし首輪型装置が淡く光った。
宮舘涼太
宮舘涼太
再び瞳から感情が消える。
深澤辰哉
深澤が歯を食いしばる。
深澤辰哉
佐久間大介
佐久間が拳を握る。
佐久間大介
宮舘は仲間だ。
大切な仲間。
だから誰も本気を出せない。
その頃。 地下。
別室では、神崎達が一つの解析結果を見ていた。
研究員
研究員の声。
モニターには、先ほど《命紡》によって生命を与えられた髪。
そして、過去に保存されていたデータ。
研究員
研究員
霧島が息を止める。
霧島
研究員は頷いた。
研究員
研究員
その名前が部屋に落ちる。
しばらく沈黙。
そして。 神崎は静かに笑った。
神崎
長年探し続けた存在。
数多くの失敗作を生み出し。
研究施設から消えた唯一の完成体。
神崎
霧島も画面を見る。
霧島
霧島
霧島
神崎は満足そうに目を細める。
神崎
その言葉を聞いた瞬間。
別室にいる阿部は。 小さく目を開いた。
能力が使えない状態。
けれど。
阿部亮平
阿部には分かっていた。
何かが変わった。
施設内の電子情報。 わずかな変化。
誰かが、自分について何かを知った。
阿部亮平
阿部は壁を見る。
阿部亮平
自分のせいで。 宮舘が利用されている。
そして。 もう時間がない。
一方、戦闘中の宮舘。
渡辺が一歩前へ出る。
渡辺翔太
渡辺翔太
宮舘の氷が止まる。
ほんの一瞬。
宮舘涼太
その名前だけは。 完全には消えていなかった。
幼い頃から隣にいた存在。 何度も助けられた記憶。 何度も笑い合った時間。
洗脳でも、完全には消せない。
その一瞬を。 深澤は見逃さなかった。
深澤辰哉
阿吽の呼吸。
佐久間が粒子化する。
向井が重力で周囲を制御。
目黒が植物で逃走経路を塞ぐ。
ラウールが装置解析用の道具を創造。
岩本が炎を抑えながら前へ出る。
そして。
阿部を救出するため。
同時に。
宮舘を取り戻すため。
SnowManは動き出した。
しかし地下では。 神崎が新たな命令を出していた。
神崎
神崎
神崎
神崎
その言葉を聞いた霧島は。 静かに笑った。
終章への扉は。
もう完全に開かれていた。
コメント
5件

キャー(≧∇≦) 本日2作品目!!ありがとうございます!!!! 神崎達が阿部ちゃんをどうするのか、舘様が元通りになるのか、Snow Manのメンバーが2人を取り戻すのかめっちゃ楽しみです!!!!!!!
読み終わりました…一気に佳境に入りましたね。 宮舘の認識が書き換えられて、SnowManが“敵”に見えているのが本当に辛い。特に渡辺が必死に名前を呼ぶシーンは胸が詰まりました。あの一瞬だけ「翔太…?」と戻りかけるところ、幼い頃からの絆が完全には消えていないんだなと。 それ以上に驚いたのは阿部が「最高傑作」だったということ。今まで静かに支える立場だった彼が物語の核心だったとは。2人の力がどのように交わるのか、次が気になって仕方ないです。 更新、本当にお疲れさまです。続きを心待ちにしています。