からぴちBL短編･長編集

「一度描いた絵を，もう一度全く同じ様には描けない」 美大にいる時に言われた。そんなの当たり前じゃん。そう思っていた。 しかし画家になって見ればどうだ， 俺の絵は世界的に評価され，有名になった。 小さな美術館にのるくらいには，生きているうちにこんなに有名になるなんて... 皆驚き，賞賛した。

しかし，数個の美術館にのるのだから，勿論本物ではない そう，コピーされたのだ ...なんて皮肉な話だろうか 人が汗水垂らして描いた渾身の一作が簡単にコピーされるなんて 確かに同じ作品は描けない..俺には。

コイツはヒロ。俺の彼氏である ん?男なのにって言った? ……まあ変だよな，男同士は普通じゃないかもしれない。 でも絵でやっていってるだけでもう普通じゃないだろ? 兎に角俺はコイツに惚れたんだ

そう言われ差し出されたのはティーカップだった

そう，コイツは俺と同じ絵で生きている訳では無い。 寧ろ，絵は孤独だけど，それとは全く無縁な人間だ。 きっとこのカップをくれた人からも信頼されてんだろうな 俺はそんな誰からも好かれる人間性と， 俺の事を知らなかったという点に惚れた。

きっと後者の回答に対して?を浮かべているだろう。 自分でいうのも恥ずかしいが，俺は有名人である。 少しでも顔を公開すれば大勢に囲まれた， その中には勿論，愛をぶつける者だって沢山いた。 大半が俺の金目当てで目眩がしそうだった そんな時に現れたのがヒロである。仲良くなって，俺も段々恋心を抱くようになった。でもどうせ此奴も金目当てなんだろうなと思って，俺は自分が嫌になったんだ。それで俺は等々，ヒロに告白された時， お前も金目当てなんだろうｯ!?と怒鳴ったらなんと俺の事など知らないというのだ。 コイツは，本気で俺が好きなんだ。それで俺もさらに惚れた，という訳だ

それじゃダメなんだｯ..それだけじゃｯ!! 俺だってそう出来たらどれだけ楽だかしれねぇよｯ ..俺だって最初はｯ

1年前

・このうりって人凄くない..?色の使い方とか，表現の仕方凄い ・右上の部分，ペインティングナイフで描いてますか?凄い使い方... ・すみません，この絵を使用してもいいですか？ ・絵の依頼は可能ですか？出来れば依頼したいのですが..

数ヶ月後

・なんかいつも同じじゃね? ・正直初心者がわけも分からずやってるって感じwww ・自分の好きな物しか描けないのかよ ・応援してます ・所詮生きてるうちに有名になってもすぐおわる

俺 気に入ってもらえるにはｯ..絵柄を変えなきゃ， 俺を閉じ込めなきゃダメなんだよ..

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

こういう世界で生きてるんだ。 こんなんでいちいち泣いてんじゃねぇ馬鹿

俺は今まで思っていたことを全て話した。 馬ｯ鹿みたい，こんな事でヒロくんに泣きついて でもヒロくんは

自分の好きな物を描いて人気になるからこそ，有名人じゃないですか!

そっか，そうだよな。 ...やっぱりヒロくんは凄い， 絵のことを何も知らないからこそ出せるアドバイス 意見を出してくれる人がいて，よかった

....それだｯ..俺がずっと欲しかった言葉， 俺の技術はどうでもいいんだ，絵が素敵かどうかを問いたかった。 答えてほしかった。

やっぱり俺は，コイツが好きだ