テラーノベル
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〈Attention〉
本作は完全オリジナルのスプランキーです。
そのため、解釈違いが起こりやすい内容となっております。
下校の時間帯
セレ二ティ区の通学路は みんなの明るい喋り声に包まれている
制服を揺らす風 遠くの話し声 たくさんの足音
ラープは突然足を止めた
音がする
ネラル山の方角から
低く鈍い
脳の奥を突いてくるような音
ラープ
誰にも聞こえない大きさでそう呟く
山の方角を見たが、
いつもと何一つ変わらない
胸の奥がジクリと痛んだ
その瞬間
視界が歪んだ
悲鳴
爆発音
倒れる影
血の匂い
知らない悲惨な光景が見えた
倒れた建物
泣き叫ぶ声
動かない人々
ラープ
突然の光景にのどが詰まり、壁に手をついた
心臓の鼓動が早くなる
なんだ今のは
夢でもない
妄想でもない
思い出してくれた?
突然声が聞こえた
___
ラープ
振り返ると、
心配そうに見つめるサイモン先輩がいた
サイモン
ラープ
なんて答えたらいいのかが分からなかった
ラープ
サイモン
そんな優しいサイモン先輩に
思わず口が動いた
ラープ
ラープ
サイモン先輩は驚いて目を開いた
そして、ボクの視線の先を見た
サイモン
ラープ
ラープ
数秒の沈黙
風が吹き、木々が揺れた
その時
ネラル山の上空から、
黒い雲が流れ出てくる
明らかに普通の雲じゃない
重い黒い雲
サイモン
サイモン先輩の声が低くなった
雲は完全に風に逆らって流れてきている
サイモン
ラープ
ボクとサイモン先輩は後ずさった
サイモン
サイモン
頭の奥でさっきの映像がまた流れた
どんどん死んでいく人たち
助けられなかった手
同じだ
どこからその確信が出てくるのかは分からない
ただ、忘れた記憶と重なった
ラープ
サイモン
サイモン
サイモン先輩がボクの顔を見て息をのんだ
言いかけたとき、
サイモン先輩は何かに気づいたように空を見上げた
サイモン
ラープ
ボクもサイモン先輩に続いて空を見上げた
ラープ
ラープ
見上げたさきには、
黒い雲がセレ二ティ区を覆い始めていた