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緑山紫苑
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#ファンタジー
緑山紫苑
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コメント
1件
第1話、めっちゃ面白かった〜!!😭💕 「なにそれ最高じゃんか」のところで声出して笑っちゃったよw シスタスのテンションと狂気へのワクワクが伝わってきて、もう続きが気になって仕方ない! 青いチューリップの花小人…あの童話のダーク版って感じで、めちゃくちゃ好みの予感しかしない🌸✨ 神様が猶予くれない展開、笑ったw 次の話も絶対読みます!!
皆さんは
『おやゆび姫』という童話を
知っているだろうか?
おやゆびひめは
チューリップの花から生まれた
おやゆびほどの大きさの小人が
旅をするお話である。
しかし、
これから話す物語は
少し変わった
『おやゆびひめ』の話だ。
🌷🌷🌷 🌷🌷🌷
🌷🌷🌷 🌷🌷🌷
私はシスタス。
メルティ・シスタスなの。
今は大学一年生よ。
シスタス、今日誕生日なの。
だからかな、
さっきお酒飲んで
酔っ払って頭打って
前世を思い出したの。
シスタス、
前世も大学一年生だったの。
確か酔っ払って
マカロン喉に詰まらせて
窒息死したの。
お酒はだめね。
頭の中が
パッパラパーになるもの。
前世の記憶を思い出して、
シスタスは
この世界に既視感を覚えた。
この世界は概ね
前世の日本と変わらない。
しかし、
前世では魔女という存在が
なかったように思う。
いや、
あったはあったのだが、
それは昔の魔女狩り(虐殺)や
物語の中の悪役としてだ。
それとも
ただただ前世シスタスが
魔女の存在を知らなかっただけ
なのだろうか?
今世の日本では、
人口が魔女が一割に
人間が九割である。
もちろんシスタスは魔女ではない。
だから
魔法を使える魔女を
羨ましく思う。
シスタスはもう大学生。
だから
今更前世を思い出したところで
無双は出来そうにない。
そもそも
思い出した前世の記憶といえば
「普通の現代日本人」
のライフスタイルや、
ちょっとした雑学程度。
天才的な画力や、
時代を先取りした
革命的な芸術センスが
パッケージされていたわけではない。
そのことに
がっかりした気持ちを持ちながらも、
シスタスは大学に登校する。
B 3パネルを抱えた学生や、
何やら怪しげな立体造形物を
大切に抱えて歩く学生もいる。
さすがは美術大学、
そこかしこに
「個性の塊」
みたいな空気が満ち満ちている。
実力主義を掲げるだけあって、
周囲の生徒たちの目つきも
どこかお疲れ気味だ。
その上女子大なため、
運命の出会いには期待できず、
第三志望の大学だったが、
まぁ、
受からないよりはマシである。
ちなみに
第一志望と第二志望の大学には
コロリと落ちた。
無念。
シスタス・メルティ
シスタス・メルティ
シスタス・メルティ
シスタスはToDoリストを眺めて
げんなりしながら教室に入る。
すると、
友達のかなちゃんが
おはようと挨拶をしてくる。
ん?
シスタスはかなちゃんを見て
なんだか、
引っ掛かりを覚えた。
思い出せそうで思い出せない、
モヤモヤした気持ちで
かなちゃんを上から下まで
じろりと眺める。
かなちゃん
かなちゃん
シスタスのその行動を
不思議に思ったかなちゃんは
そう尋ねるが、
自分の世界に入り込んでいる
シスタスには届いていなかった。
シスタス・メルティ
シスタス・メルティ
そう、
かなちゃんは前世でシスタスが読んだ小説、
『青いチューリップ』
の序盤で死ぬ、
主人公の友人枠のキャラと
酷似していた。
シスタスは急いでトイレに行き、
鏡で自身の容姿を確認する。
シスタス・メルティ
シスタス・メルティ
前世で読んだ
『青いチューリップ』は、
綺麗なタイトルとは裏腹に、
極めて凄惨な物語だった。
簡単に言えば、
育てた花から生まれた
小さな男の子に、
周囲の人間や魔女が
次々と魅了され、
狂わされ、
破滅していくダークファンタジー。
そしてその物語は
主人公であるシスタスの目線で
進行し
――最終的には、
その男の子に恋をした
シスタス自身も、
狂気の中で死んで終わるのである。
シスタス・メルティ
シスタス・メルティ
かなちゃん
シスタスの呟きに
トイレまでついてきたかなちゃんが
不思議そうな顔をする。
シスタス・メルティ
流石に前世のことは
話せないのである。
そう、
今のシスタスは
の小説の中のシスタスとは違い、
結構細かく
原作のシナリオを覚えている。
前世のシスタスはその小説
二十巻全て完読しているし、
何百回も読み返しているのだから
当然といえば当然である。
そう、
これは無双できるはずである。
花小人に騙されないだけでも
珍しいのだから。
そういえば、
今、
原作のどの辺なんだろう?
まだ始まっていないのは確かだ。
だって、小説は
シスタスが友人のかなちゃんに
チューリップの球根を
貰うところから
始まるのだから。
かなちゃん
かなちゃん
かなちゃん
かなちゃん
かなちゃん
かなちゃん
かなちゃん
かなちゃんが
チューリップの球根を
誕生日プレゼントとして
シスタス(主人公)に渡す……。
待て待て待て、早すぎる。
心の準備というものがある。
さっき無双できるって
確信したばかりのシスタスに、
神は一切の猶予をくれないらしい。
先ほど、
かなちゃんにもらった、
おそらく青いチューリップが
咲くだろう球根を
手のひらで転がしながら、
シスタスは思った。
これ、
今、
原作始まったの。