テラーノベル
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桃
朝の空気はひんやりしていたけど
私は自分の胸のざわめきをどうしても隠せなかった
今日は、ya君が初めてうちの学校に行く日
あの日、雨の中で見つけた彼
目に光がなくて、びしょ濡れで、真っ赤なパーカーを着ていた彼が
今は私の前で制服を着て、少し緊張した顔をしている
赤
彼は自分に言い聞かせるかのように、小さく呟いた
赤
桃
彼は笑った
その笑顔はまだ子犬っぽさが残っていて、でも何処か自信を感じた
赤
玄関でリュックを背負い、扉を開けた彼を、私は見送った
最初は普通の学校生活だった
教室に入るとya君は周りの様子に戸惑いながらも
静かに席に座った
桃
私は心配で何度もya君の顔を思い浮かべた
ところが、そんな心配をする必要はなかった
ya君が教室に入ってきた時には教室中が歓声で溢れかえった
待って、イケメン‼︎
後で......話しかけに行こうかな
私、一目惚れしちゃったかも......
そんな声がちらほら聞こえてくる
そう言われているya君は聞こえているのか聞こえていないのか
こちらを向いてニコッと笑うと自己紹介を始めた
赤
赤
赤
赤
そうして自己紹介が終わり、チャイムが鳴った
チラリと彼を見るとまだ緊張しているのか
下を見てずっと俯いている
話しかけに行こうとしたけれど、数学の先生が教室に入って来たから辞めた
放課後、先に教室から出てきた私はya君を待っていると
数人の女子が教室の隅でya君を囲っているのが見えた
女子たちは笑顔で彼に話しかけ
彼は照れくさそうに笑いながらも、嬉しそうに話していた
私は知らず知らずのうちに、胸の奥が絞めつけられるような
そんな気持ちになった
桃
さっき、女子たちが騒いでいた時もそうだったけれど
目の前でya君がモテている姿を見て
知らず知らずのうちに顔がこわばっていた
授業中も、勉強が苦手なんか言いながら、y先生の質問に答えたり
緊張しながらも女の子に優しく接する姿が目に入るたびに
私の胸の奥は騒ついていた
ya君はまるで太陽のように、みんなの注目を浴びていた
来てからまだ1日も経っていないのにクラスの中心的人物みたいに
いつの間にかなっていた
そんな彼を見ているとどうしようもなく″嫉妬心″が芽生えてきた
桃
そんなどす黒い感情が胸の中で渦巻いていた
その日の帰り道
私はya君の隣を歩きながらにこにこ笑っていた
桃
赤
赤
赤
赤
赤
桃
私は無意識のうちに彼の手に軽く触れた
するとya君は少し照れたように、「何それ?」と言った
桃
赤
ya君は少しだけ悲しそうに見えたけれど
笑顔で私を見返した
赤
桃
桃
そう言って私は静かに微笑んだ
夕日に照らされ橙色に光り輝く道
そんな中私たちは歩き出す
チラリと横を見るとya君はニコニコと笑っている
......また、素直になれなかった
あんなこと言われて心の中では何故か嬉しく感じたのに
冷たく接してしまった
いつ、私は自分に正直になれるんだろう
コメント
10件
良きですな〜☺️
ふぁ〜………言葉でね〜笑神作すぎて笑ゆあのあてぇてぇ.ᐟ.ᐣ💕ツンデレのあさんてぇてぇ.ᐟ.ᐣ子犬ゆあんくんてぇてぇ.ᐟ.ᐣ天才すぎっ✨️
これって、投稿したの.....29日に入るよね??ね?(圧)出来る限り没作でも頑張って修正したんだ😭褒めてくれ......(?)