ー蘭 sideー
俺らの妹に舐めた口を聞くとは 余程死にたいと見える
鈴木の野郎は100歩譲って良しとして アイツらだけは、絶対に許せなかった
蘭
バスケの試合でボロ負けして 情けない姿を晒した挙句
梨
校舎裏に呼び込んで うちの可愛い梨をリンチとは 典型的なクソ野郎だ
竜胆は元々キレていたのが 更にブチ切れて黙ったままでいる コイツをステイさせるのは俺でも至難の業だし させる気もない
例え梨が止めてと言っても
大事な家族を傷つけられれば、俺じゃなくとも誰だって
竜胆
梨
いい所、取られちゃった
蘭
今からやることは 流石の梨でも見せられないかな
察した梨は竜胆から金を受け取ると 足早にその場を去っていった
標的は四人 俺ら二人の敵じゃない
蘭
そう。梨だけは
蘭
〝『行かないで』〟
あの日、梨はそう言った
〝『兄ちゃん達まで…どっか行かないで……』〟
袖を掴んで 懇願する梨を 置いてはいけない
でも、連れて行っちゃダメだ どんなところか、分かってるからこそ
蘭「お前と俺らは違うんだよ」〟 竜胆「梨まで、コッチに来たら…」〟 梨『…嫌だ、絶対……嫌だ』〟
今でも少しだけ、思い出す
蘭「じゃあ…俺らと同じになる?」〟 竜胆「兄ちゃん!!」〟
その代わり、
「お前も、喧嘩強くならないとな」
梨は何を思って 人を殴っただろう
俺らの罪状は傷害致死罪 梨も、同じ肩書きを背負った やるとは思わなかった なんて、無責任な言葉は言えない 本当は期待してる俺がいたから
蘭「…マジかよ」
梨『私、兄ちゃんといるためなら…何でもする』
梨の過去は 未だ、知らないままでいる
梨『だから、どこにも行かないで』
聞いてはいけないと 誰かが咎める 鉄の匂いが鼻を突く戦場で 俺達三人は、
蘭「ずっと一緒だ、何があっても」
そう、誓い合った 年少もあまり日が経たない内に入って どこへ行こうと、ずっと一緒 今までも きっと、これからも
コメント
1件
ンンンンンンん好き