テラーノベル
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緑 。
カフェで横に座りながら、ふと盛れた俺の言葉に、橙が目を細めた。
橙 。
緑 。
緑 。
橙 。
緑 。
彼女は肩をすくめながら、フォークでベリータルトをすくう。
今日はクリームの上にいちごとブルーベリーがたっぷりのった、見た目も可愛い一皿だった。
橙 。
緑 。
橙 。
ぷいっと横をむく彼女は、口元が緩んでいて、本当に可愛いと思った。
緑 。
橙 。
緑 。
彼女は視線を落とし、テーブルの縁を指でなぞった。
橙 。
橙 。
緑 。
橙 。
橙はため息をついたあと、少し笑った。
橙 。
橙 。
緑 。
橙 。
橙 。
その言葉に、少しだけ胸が傷んだ。
緑 。
彼女は目を小さく見開いたあと、すぐに逸らした。
橙 。
その強がりが、本当は一番、彼女自身を苦しめてるんじゃないかと思った。
だから俺は言った。
緑 。
沈黙が落ちた。
猫が俺の膝に乗り、にゃあと鳴く。
その音に紛れて、彼女がぽつりと呟いた。
橙 。
その一言が、まるで秘密の鍵みたいに心に残った。
コメント
2件
え、きゅんなんだけど