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#ご本人様には関係ありません
あはそ
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コメント
3件
ストーリーももちろん良かったんだけど読み終わって一番に持った感想が桃酥を食べてみたいだった
美月ゆめかだよ〜🌸 第4話読んだよ! イルマの記憶が少しずつ戻ってきてて、でもまだ曖昧なところが切ないね…。ナツの無邪気な笑顔と、イルマの心の痛みの対比がエモすぎる😭 本屋でナツに昔話の本を勧めるシーン、優しさにじみ出てて胸キュンしたよっ! そしてランの桃酥シーンもほっこりした☺️ イルマの「絶対見つけてやる」の決意がかっこよすぎる…続きが気になる!
あるところに、協会で生まれ育った ひとりの少年がいました
そんな彼には、従兄弟がいました
それは、息を呑むほど美しい少年でした。
何よりも目を惹いたのは、その瞳
深く、深く沈んでしまいそうなほど赤い瞳
少年は、その瞳が好きでした
いつからだったのかは、もう覚えていません
ただ気づいたときには、その美しい少年を、 誰よりも大切に想っていました。
けれど
その想いが届くことはありませんでした
美しい少年が恋をしていたのは、 彼の双子の兄だったからです
そして、双子の兄もまた、 美しい少年を愛していました
ふたりは、互いを想い、互いの手を取り合う
まるで最初から決められていたかのように、 ふたりの心は結ばれていました
そこに、少年の居場所はありませんでした
どれほど近くにいても
どれほど同じ時間を過ごしても
ふたりの間にあるものだけは、決して越えられない
少年はただ、少し離れた場所から、 その幸せを見つめることしかできませんでした
自分の大好きな赤い瞳が、 自分ではない誰かを見つめている。
それだけが、どうしようもなく悲しかったのです。
双子の兄弟は、昔からいたずらが大好きでした
二人は驚くほどよく似た顔をしていて、 髪型も、背丈も、声さえもそっくり
だからこそ、彼らはよく入れ替えっこしていた
片方が兄になり、もう片方が弟になる
そうして白装束に身を包んだ男たちを、何度も何度も困らせては、二人で顔を見合わせて笑っていました。
そんなやり取りをする二人を、 彼はいつも遠くから見ていました
羨ましい、と思ったこともあります
彼は今日も、 少し離れた場所から二人を眺めていました
けれど
その日は、いつもとは違いました
双子の兄に、堕天使を憑依させるための儀式の日
白い祭壇
並べられた蝋燭
静かに祈りを捧げる、白装束の男たち
それが何を意味するのか、 双子は何も知りませんでした
そしていつものように
ふたりは
入れ替えっこしました
その、ほんの些細ないたずらが
二人の運命を、 大きく狂わせることになるとも知らずに
その日から、全てが変わりました
本来、堕天使が憑依するはずだったのは、双子の兄。
けれど、あの日の入れ替えによって、 選ばれたのは弟でした
弟の身体に、堕天使が宿りました
そして堕天使は、ただ身体を奪っただけでは ありませんでした
弟の記憶にまで触れ、その過去を、 少しずつ塗り替えていったのです
本当なら、そこにあったはずの記憶
兄と笑いあった日々
兄と遊んだ日々
兄と過ごした、大切な時間
それらは一つずつ消されていき
代わりに、彼と過ごした 記憶へと姿を変えていきました
一方、兄は
自分のせいで弟が堕天使に憑依されたことに、 強い衝撃を受けました
自分が入れ替わろうと言わなければ
自分が、あの場所に行かなければ
弟がこんな目に遭うことはなかった
そう思い続けた末に、兄の心は耐えられなくなり、 彼自身もまた、記憶を失ってしまいました
こうして、二人は離れ離れになりました
弟は、自分が本当は誰だったのかも知らないまま
兄は、自分に双子の弟がいたことさえ知らないまま
そして彼は
かつて恋をしていた、美しい少年の双子の兄として 生きることになりました。
それが、三人の運命が交わってしまった、 最初の日のお話
めでたし、めでたし
illma
朝食の時間になっても、俺は箸を持ったまま、 目の前のご飯に手をつけられずにいた
昨日、すちから聞かされた話。
そして、断片的に蘇った記憶
頭の中では何度も、あの小さな声が繰り返されている
兄さまぁぁ、…
natsu
illma
ナツが心配そうに、俺の顔を覗き込んでいた
illma
暗い、暗い赤い色
血のような色をした瞳
昨日、記憶の中で泣いていた幼い子の瞳と重なった。
illma
natsu
illma
natsu
ナツは不安そうに俺を見つめていたが、 それ以上は聞かなかった。
しばらくして、何かを思い出したように口を開く
natsu
natsu
illma
illma
natsu
natsu
少し、照れたように顔を赤くする
natsu
natsu
その言葉に、向かいに座っていたすちが 申し訳なさそうに笑う
suti
natsu
natsu
suti
illma
illma
朝食を済ませた俺たちは、 屋敷を出て街へと向かった。
natsu
illma
港から吹いてくる潮風が頬を撫で、 石畳の道には行き交う人々の姿がちらほらと見える
洋風の建物と昔ながらの日本家屋が並ぶ街並みは、 俺が以前来た時と変わらない
natsu
illma
natsu
natsu
natsu
illma
手首を掴まれると、ぐいっと引っ張られた
illma
natsu
弾むような足取り
その横顔は、昨日までの不安や涙なんて 忘れてしまったかのように楽しそうだった
illma
俺は引っ張られながら、ふとその横顔を見つめる
illma
illma
natsu(幼少期)
Illma(幼少期)
無邪気に笑っていた姿と、今のナツが重なる
illma
胸の奥が、また少しだけ痛んだ。
俺はナツに引かれるまま、函館の街を歩いていった。
natsu
本屋に入ってからしばらく
ナツはずらりと並んだ本棚の前で、 腕を組みながら悩み込んでいた
一冊手に取っては戻し、また別の本を眺める。
illma
その様子を眺めていた俺は、 ふと一冊の分厚い本を見つけた。
illma
俺はそれを手に取ると、ナツのもとへ向かった
コツコツ
illma
natsu
俺が本を見せると、目を丸くした。
natsu
illma
illma
natsu
嬉しそうに本を抱きしめた
natsu
illma
そう言いながら、俺はさっき別の棚から 取っていた本を、さりげなく背中へ隠した。
natsu
natsu
たったったったっ
illma
屋敷へ戻る頃には、 昼下がりの穏やかな時間になっていた。
居間を覗くと、 畳の上に並べられた座布団に皆が座り、 お茶とお菓子を囲んでいた
mikoto
mikoto
illma
すたすた)
部屋へ入り、ナツはスチの隣へちょこんと座った。
そして、ランと向かい合う
natsu
lan
lan
natsu
lan
natsu
ナツは興味津々に桃酥を手に取る
natsu
natsu
lan
隣では、コサメも桃酥を両手で持って 夢中になっている
kosame
mikoto
kosame
mikoto
ミコトは苦笑しつつ、自分もお茶を一口飲む
ランも楽しそうに笑いながら、桃酥へ手を伸ばした
そんな中、ナツはすちの隣で 嬉しそうにお菓子を頬張っている
natsu
suti
natsu
そう言って、ナツは桃酥を大事そうに見つめる
natsu
suti
illma
lan
ランが俺の隣へ腰を下ろし、小声で尋ねてきた
illma
illma
そう言いながら、持っていた袋の中へ手を入れる
ガサゴソ…
取り出しのは、1冊の古びた本
表紙には、堕天使についての記録が びっしりと記されている
illma
ナツの中にいるヒマ
その存在をただ祓うのではなく、共存する方法
もしそんなものがあるのなら
俺はそれを探したかった
ふと、部屋の向こうへ視線を向ける
illma
natsu
suti
illma
偽物でも、兄に会えた
新しい場所を見て、知らないものを知って
こうして笑えている
それだけでも、十分なのかもしれない
illma
ナツが自分の中のヒマを恐れずにいられるように
誰かに 祓われるべき存在 だと言われても
自分の大切なものを守れるように
そしていつか
何も縛られず、自分自身の意思で生きられるように。
illma