感情が無い俺

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部屋に入った瞬間に感じる血の香り

絨毯に染み付いてる血の跡

ぼんやりと見える涙のあと

もう見飽きたな

そういえば最近泣いていない

泣いていないとこか悲しいと思うことも

俺の場合楽しいや嬉しいとかさえ

ドアから数歩歩いて椅子に座る

椅子に座ってからも見えるのは見飽きた景色

昔大好きだったはずの家族の写真

メンバーからしたら宝物同然の集合写真

それからカッターや包帯

尋常じゃない程の薬

普通の人から見たら異常すぎるこの部屋に違和感を覚えるだろう

それから俺は大好きだったはずの家族の写真を取って、

思いっきり｢破った｣

特に何か理由がある訳じゃない

何か思った訳じゃない

でもこの世からいない家族を見ている意味が無いと思った

そして椅子から降りて、

先程と同様数歩先まで進んで立ち止まる

ドアを開けて廊下に出る

こんなちっぽけな声がゲームをしている彼らに届く訳もなく

皆に料理を作るのはいつぶりだろうか

ほぼ毎日すちやなつが作ってくれてた

少し休めって言ってくれてたなぁ

違うことを考えているうちに包丁が手に刺さるとは

相変わらず鈍臭いなぁ

だから身内に捨てられんだよ

こちらに見向きもせず手を抑えながら無表情ですぎて行くLANが少し気になった

袖を少しあげ、じっと腕を見つめる

傷だらけの腕

その傷は古いものから、真新しいものまで

そこら中に落ちてる包帯を手に取り、

傷口に巻く

それでも腕の傷は隠れなかった

血の香り、包帯と薬がそこら中に広がっている部屋をみて驚かない人は居ないだろう

理由は思いついた

嘘を言えば猫に引っかかれた、とか

蚊に刺されてかいたなどなど

本当のことをいえば「自傷行為」

でも俺はその自傷行為に当てはまるのか分からなかった

「自分で自分を傷つけるだけ」

俺の場合、なんの理由もない

いや、昔はあったかもしれない

ちゃんとした理由が

でも今は無い

敷いて言えば暇だったからとか

なんにも言わない俺に愛想尽きたようになつが行った

「1人じゃない」

この言葉に昔の俺はどれだけ救われただろうか

正直聞き飽きた

人間は誰だって1人なんだよ

その孤独から逃れるために友達や家族が居る

「リーダー」

その名前の大きさをいつ思い知ったのかは覚えていない

でもこれは俺の家族が教えてくれた言葉のおかげかもしれないね