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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

今回のストーリーには暴力的なことに関する会話が含まれています。

ある日の朝、奈緒樹は教室で今にも死にそうな顔の少女を見た。

小清水奈緒樹

……

山野汐里

…………

真田隆之

ういっす奈緒樹…どした?

小清水奈緒樹

いや…あの子…今にも死にそうな感じだったからさ……

鈴木奏

なーくんおはよぉ…

小清水奈緒樹

ういっす奏。

真田隆之

あーゆーのには介入しない方がいいぜ?事態が余計ややこしくなるだけだ。

小清水奈緒樹

……

鈴木奏

どうしたの?

奈緒樹はさっきのことを事細かに話した

鈴木奏

汐里ちゃんの事ね…なんか家庭的な問題で精神的に参っちゃってるみたいで……

小清水奈緒樹

そうだったのか……

小清水奈緒樹

(放っておけねぇな……)

鈴木奏

(なーくん…あの顔は放っておけないって顔だ。でもそんななーくんも好き♡)

放課後、奈緒樹は今にも死にそうな顔をしている少女に話しかけようとしていた。

鈴木奏

今日私は用事あるから帰るね〜。

小清水奈緒樹

おうよ

真田隆之

俺も今日は莉子迎えに行かないと行けねぇから先帰るわ。

小清水奈緒樹

うい

2人はササッと教室を去っていった。

小清水奈緒樹

ふー…さてっと…

奈緒樹は少女に近づいた。

山野汐里

……

小清水奈緒樹

おい。

山野汐里

……

小清水奈緒樹

聞こえてるよな?おーい。

山野汐里

…ヒッ……

小清水奈緒樹

え?

山野汐里

や…やめて!もう殴るのはやめて!もう…痛いのは……やめて……

小清水奈緒樹

いや何も俺はお前を殴ろうとはしてない。お前が心配だから声掛けたんだよ。

山野汐里

……え?私に……優しくしてくれるの?

小清水奈緒樹

あぁ

山野汐里

初めて…私に……こんなに優しくしてくれる男の人……(泣)

小清水奈緒樹

おいおい泣くなって……とりあえずこれで涙拭けよ

奈緒樹はそっとハンカチを出した。

山野汐里

と…取り乱してすみません……私山野汐里といいます…

小清水奈緒樹

俺は奈緒樹だ。小清水奈緒樹。

山野汐里

小清水さん…ですね…覚えました……

小清水奈緒樹

さっきさ、殴らないでって言ってたよな?親になんかされてるのか?

山野汐里

…………

小清水奈緒樹

無理して話す必要は無い。

山野汐里

私…実は……

汐里は父親にされてる暴力行為と、それが始まった原因を話し始めた。

山野汐里

私…お母さんが病気で亡くなっちゃって……それ以来お父さんは毎日お酒を飲んで…イライラしたら私をサンドバッグにして……食事もまともに与えて貰えなくて……(泣)

小清水奈緒樹

…………は?

汐里の父親が本人にやった暴力行為や育児放棄といった虐待の話を聞き、奈緒樹の怒りは頂点に達していた。

小清水奈緒樹

とりあえず今日は俺の家こい。

山野汐里

え……いくらなんでもそれはお家に迷惑じゃ……

小清水奈緒樹

んな事気にすんな。とりあえず帰るぞ。

山野汐里

は…はい……

2人は教室を後にした。

奈緒樹は汐里と共に家に着いた。

小清水奈緒樹

ただいま。あと今日客人来てるぞ。

小清水梨亜

おかえり奈緒樹〜…ってその一緒に来てる子、やつれちゃってるじゃん!しかも身体中にアザが……

小清水奈緒樹

訳ありでな。今日晩飯まで匿ってやって欲しいんだよ。

山野汐里

も……申し訳……ありません……

小清水梨亜

わかったわ奈緒樹…君名前は?

山野汐里

山野…汐里…です……

小清水梨亜

汐里ちゃんね?とりあえず怪我の手当しないと。奈緒樹が今日は料理当番だよ!

小清水奈緒樹

あいよ。

奈緒樹はそう言い残し自室へと私服に着替えるために向かった。

奈緒樹が料理を作っている時、汐里は梨亜に怪我の手当をしてもらっていた。

小清水梨亜

話しは奈緒樹から聞いたわ…お父さんから虐待を受けてるって……

山野汐里

は…はい……

小清水梨亜

この感じだと…1年前から虐待を受けていたっぽいね……

小清水純夏

奈緒樹にぃに〜

小清水奈緒樹

ん?なんだ純夏。

小清水純夏

数学の課題で分からないところがあって…後で教えてくれない?

小清水奈緒樹

別にいいぞ。後でな。それともうすぐ飯だからここにいな。

小清水純夏

は〜い…ねぇにぃに。

小清水奈緒樹

ん?

小清水純夏

誰この黒髪の綺麗なお姉さん。

小清水奈緒樹

俺のクラスメイトだよ。色々あって今家にいる。

小清水純夏

なるほど。

奈緒樹は純夏と話し終えると料理を再開した。そして料理ができあがり、食べ始めようと思った時に家のインターフォンが鳴ったのだった。

山野汐里

こ…小清水さん……

小清水奈緒樹

ん?なんだ?

山野汐里

た…多分……私の……お父さんが……

小清水奈緒樹

まさかさ…お前の親父さん…ケータイにGPSつけてる?

山野汐里

は…はい……

小清水奈緒樹

つくづくゴミな親父さんだな…子供束縛するとか…俺が出るよ。山野はここにいな。

山野汐里

え……

小清水奈緒樹

気にすんな。お前は姉貴たちと飯食ってな。

奈緒樹は1人玄関の方へ向かった。

奈緒樹が玄関へ着き、ドアを開けると、そこには大柄の男がいた

山野浩介

おい。私の娘がここに来たらしいんだが知らんか。

小清水奈緒樹

あ〜…あんたが山野が言ってた親父さんか。

山野浩介

チッ…汐里のやつ話したのか。

小清水奈緒樹

聞きましたよあんたの事は…娘さんをストレスのはけ口にしてたって

山野浩介

それは私なりの教育の仕方だ。子供を仕付けるためには多少の体罰は必要だろ!

汐里の父親が放った言葉が奈緒樹の癇に障り、奈緒樹の怒りは頂点へと達した。

小清水奈緒樹

…………は?

山野浩介

これは私の家の教育方針だ。赤の他人は口を挟むな!

小清水奈緒樹

あんたさ……自分がどれだけやばいことやってんのか分かってんの?

山野浩介

は?1ミリもやばくはないだろ!

小清水奈緒樹

(このおっさん…娘連れ戻すって目的に頭支配されてんな)

小清水奈緒樹

あんたがやってることはバレたらあんた自身の人生が終わることなんだぞ?

山野浩介

貴様…下手に出てたら調子に乗りやがって!

汐里の父親は拳を大きく振った。しかし奈緒樹には遅く見えるほどの拳だった。父親は奈緒樹の強烈なボディフックを喰らい撃沈。すぐに警察に通報された。

小清水梨亜

どうだった?

山野汐里

……

小清水純夏

にぃに……

小清水奈緒樹

あのおっさ…親父さん、見かけによらず雑魚だったよ。腹パン1発で撃沈してたよ。多分虐待のこともあるし過去に前科もあったらしい

山野汐里

助けてくださってありがとうございます……でも今後住む場所はどうしたらいいだろう……

小清水奈緒樹

安心しろ。ここに住めばいい。

小清水梨亜

な、奈緒樹!?何言ってるの!?

小清水純夏

そ、そうだよにぃに!いくらなんでも急じゃない!?

山野汐里

ほ、本当にいいんですか?で…でも家賃とか……

小清水奈緒樹

家賃?そんなもんは要らん。家賃はタダ。WiFiも風呂も電気も自由に使え。ただし1つ条件がある。

山野汐里

は…はい……

小清水奈緒樹

うちの家事は当番制だ。その当番の日の家事は料理と朝に回す洗濯機は絶対にやること。

山野汐里

な…なるほど……私…ここに本当に住んでもいいんですか?

小清水梨亜

奈緒樹が今はここの亭主なんだから、あなたが決めなさい。

小清水奈緒樹

あぁ。住んでいい。

山野汐里

あ…ありがとう……ありが……う……(泣)

小清水梨亜

あぁ…泣いちゃった……

小清水奈緒樹

それほど家族愛に満たされなかったんだろうな……

こうして、小清水家に新しい家族(というより同居人)が加わりました。

奈緒樹は何故か女の子に好かれてます。

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