おはなし

桃赤

後編です

前編はくるみの方に行ってください

桃 : 放課後、空き教室

あれからずっと連絡が来なかったのに

急に来たと思ったらこんな連絡

桃くんは最中ずっと名前を呼んでくれた

俺を眺める桃くんの視線は獣そのもので

少し、どきっとしてしまった

おかしい

心臓がうるさい

どきどき、止まらない

こんなの、知らない

確かに、せふれになってって言われた時も

女の人がなんちゃらって言ってたし

聞いてしまった

桃くん、彼女いたんだ

じゃあなんで

彼女いるんなら、その人に処理してもらえばいいじゃん

桃 : 放課後いつものとこ

変わらず、こんなめーるを送ってきた

赤 : もう辞める

俺はもう、桃くんには会いたくなかった

放課後はまっすぐ帰ろう

そう思ってた

ｸﾞｲｯ、

俺は桃くんの手を振りほどいて

全力で駆け出した

駆け出した、けど

体格差のせいなのか、すぐに追いつかれてしまった

ずるい

こんなふうに言われてしまえば

俺に選択肢はもうない

思えばせフレの時から

俺に逃げ道は無かったのかもしれない