相澤桜子
ふぅ、何とか間に合った…
教室に戻ってきたのはチャイムが鳴るギリギリだった
一条翡翠
遅かったね、桜子
相澤桜子
ッ!……
私は咄嗟にうつむいた
相澤桜子
(こ…怖くて顔がみれない…)
そして先生が来て授業が始まった
相澤桜子
(お願い、早く終わって…)
しばらくすると、隣から一枚の紙が机に置かれた
『昼休みに一人で屋上に来て。』
そう簡潔に書かれていた
相澤桜子
(え?)
恐る恐る隣を見ると彼と目があった
一条翡翠
フフッ
笑っているけど、何を考えているのかわからない目だ。
相澤桜子
(絶対にいきたくない、けど…)
相澤桜子
(話し合ういい機会かもしれない)
相澤桜子
(何で女の子のふりをしていたのか、)
どうして私にあんなことをしたのか…
相澤桜子
(それに、いつまでも怯えたままでいたくないッ!)
私は屋上へ行くことを決めた。
ー昼休みー
相澤桜子
(遅いな…)
先に屋上に来ていた私は、フェンスからボーッと外を眺めてた
ガチャ…
相澤桜子
(来た…ッ!)
一条翡翠
来てくれたんだね、桜子!
私を見た彼は弾けるような笑顔を向けた
相澤桜子
翡翠、ちゃん…
その笑顔は仲が良かった頃の翡翠ちゃんそのものだった
一条翡翠
また、桜子に名前を読んでもらえるなんて嬉しいなぁ…🖤
相澤桜子
そ、それより、どうして私を呼び出したの…?
一条翡翠
あー、桜子に聞きたいことがあったからだよ…
相澤桜子
?聞きたいことって…
ガシャンッ!
相澤桜子
キャ…ッ!
私は彼に両腕を捕まれ、フェンスに押し付けられた
一条翡翠
…ねぇ、何でまだアイツといんの?
相澤桜子
…あっ、
相澤桜子
(何、これ…この状態まるで…)
あの時と同じ…ッ