くしゃっと笑った顔
少し低いけど通る声
綺麗な指先
「 」が書く字は綺麗で
でも少し癖があって
大好きだった
全て「 」のために頑張ってきた
嫌いな勉強も
慣れない髪型も
全部
全部頑張ってきた
髪の毛を切った時
「似合ってるよ
って
委員長になった時
「応援してるよ
って
テストで満点とった時
「頑張ってたよね
って
そうやって言うからだよ
言ってくれる度に
わたしの心は揺さぶられて
もう、「 」しか見えなくなっていたよね
試験監督で来てくれた時には
ドキドキしすぎてテストに集中できていなかったっけ
手がたまたま触れた時には
「 」の手は暖かくて
触れた部分だけ熱くなってたよね
あの日
名前で呼んでくれた日
わたしの脳内では何回も繰り返し再生されて
自分の名前が大好きになった
あの日
担任になってくれた時
発表された時は本当に嬉しかった
一年間がすごく楽しみになった
あの日
2人っきりになった時
「俺さ、 するんだよね
「君に一番に伝えたくて
そんな、満面の笑みで言わないでよ
「 」のことが好きです」
ずっと前から、好きだったの」
言う、つもりだったのに
告わせても、くれないんだね
体育祭
合唱コンクール
校外学習
三年間の思い出には
全部に「 」が入っていて
ずっと、「 」に恋焦がれてた
「 」しか見えなかった
ずっと「 」に夢中だった
「ごめん、遅れた」
「卒業式だから写真一緒に撮りたいって言われちゃって」
「俺、結構人気あるな?」
最後にその笑顔、見れてよかった
夕日に照らされている「 」は茜色に染まっていて
風でカーテンがなびかれていて
「もう卒業なんて早いな〜」
夕日が差し込んで
「 」の指先照らして
「君の「 」になれてよかった」
「三年間、楽しかった」
金色の指輪が輝いて
「 」」
「ん?」
最後ぐらいは
精一杯の笑顔を作って
ありがとう
「先生」がわたしの青春でした
」
コメント
9件
あ、もう最高……🥰🥰 最初の方は「」を使って相手が誰なのか分からない状態にする表現とか凄すぎて凄い(?)✨ 辛いのに精一杯笑顔で伝えた言葉を見た瞬間、胸がきゅうってなった😭💦
とてもすてきです