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「彼岸花」

死や不吉なイメージを 持つ花として あまり好まれない花。

花言葉は文面によって 違いがあるが…。

私には裕介という 幼じみがいた。

彼とは仲が良く、 17才になっても一緒にいる ことが多かった。

そして、いつしか 私の中に 恋心が芽生えていた。

ある日の夜、

「見せたいものがあるから 来てくれないか?」

突然彼が家にやってきて 私に言った。

私は迷ったけど、 一緒に行くことにした。

家族には、 バレないように こっそり外に出て、

彼と一緒で出かけた。

裕介

ここだよ。

目的の場所に着いた。

裕介

瞳、見て。

わぁ

裕介が私に 見せたかった光景。

それは、

一面に咲く、 赤い彼岸花の景色だった。

裕介

綺麗だろ?

うん、
綺麗だね。

私と彼は 彼岸花の中を歩いた。

彼岸花は、 不吉な花だと聞くから 私は怖かったけど、

彼が強く手を握って くれたから大丈夫だった。

裕介

なぁ、瞳。

裕介

ちょっと話があるんだ。

彼岸花の景色の中、 彼は立ち止まって言った。

どうしたの?

裕介

実は、

彼は鞄から 何かを取り出した。

裕介

行かないと
いけなくなった。

……。

赤紙。

軍からの召集令状。

裕介

大丈夫、
すぐに帰って
来るから。

…駄目だよ。
行かないで。

裕介

無視は出来ないよ。
…命令だから。

裕介

無視したら大変な
ことになる。

だけどっ!
行ってしまったら…

帰って来れるか
分からないじゃない!

…そんなの嫌だよ。

裕介

瞳。

裕介

俺、
前から瞳の事が
好きだ。

!!

裕介

ずっとお前一人を
思っている。

裕介

瞳を一人に
させたくない。

裕介

だから約束しよう。

絶対生きて帰る

またこの場所に 一緒に来よう

…グズッ…うん。

彼岸花の咲く場所で 彼は私に約束してくれた。

数日後、 彼は行ってしまった。

彼の家族や私の家族など 沢山の人が旗を振り、 見送っていた。

私は毎晩、 彼が生きているのを 願い続けた。

生きて帰ってくるのを 信じて待った。

そして、

彼は帰って来た

小さな四角い箱に 入れられて…。

…どう…して

なんでなの!?

生きて帰ってくるって
行ったじゃんっ!

裕介の嘘つき!!

約束を破らないで!!!

信じてたのに!

これから どうすればいいの!?

私を

私を一人にしないで

グサッ!!

…うっ!!

バタンッ

私は刃物を心臓に 突き立て自殺した。

これが私の前世。

最近、 彼岸花を見た事で 全てを思い出した。

幸いにも、 昔と同じ場所で 住んでいた。

今私は、 あの場所にいる。

赤い彼岸花が咲く場所に。

女性

……。

あの日見た光景と変わらず、 一面に咲いていた。

女性

…はぁ…

この場所は 過去の悲しみを 鮮明に蘇らせる。

私にとって不快な場所。

それなのに

何故だろう?

何度もまた ここに来てしまう。

女性

…裕介。

女性

貴方は今どこにいるの?

女性

…私を忘れて
幸せに生きているの?

女性

…グズッ…

冷たい涙が頬に どんどん流れて行く

女性

会いたい。

女性

…貴方に…会いたい。

神様

お願いします

女性

…どうか彼にっ

女性

裕介にっ!

会わせて下さい。

男性

おい、君。

女性

!!

後ろを振り向くと、 見知らぬ男性がたっていた。

だけど、

懐かしかった

男性

瞳?

女性

…裕…介…なの?

男性

…ああ。

彼だ

裕介だ

ダッ

ダッ

ダッ

ギュッ

私は走り出し、 彼に抱きついた。

女性

会いたかったっ!

男性

俺も瞳に
会いたかった。

男性

…帰れ無くてごめん。

男性

約束を…破ってしまった…

女性

…ううん、
もう良いよ。

女性

だって、

また貴方に 会うことが出来たから。

男性

…瞳、だだいま。

女性

…うん。
おかえり!

今度こそ

一緒に 生きよう。

「彼岸花」

昔から 死や不吉をイメージする あまり好まれない花。

花言葉は文面よって 違いがあるが、

主に

「情熱」

「転生」

「悲しい思い出」

そして…。

「再会」

この作品はいかがでしたか?

52

コメント

6

ユーザー

花言葉素敵でした…😳✨✨ そして生まれ変わりもまた良かったです😍 コンテスト参加ありがとうございます!

ユーザー

ホワァ(´。д゜`)ァァァ 切ないな…

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