紬が死んで少し経った頃。
私と遥馬は、紬のお兄さんに話を聞きに行く事になった。
コトノ
ハルマ
雄飛くんは、まだ立ち直れてなかったり、仕事があったりで都合が会わなくて…
一緒には行けなかった。
コトノ
ハルマ
ここの道を曲がったら、紬の家につく。
……ついて、しまう。
コトノ
行きたくない。
辛い話なんか、聞きたくない。
重い体を引きずりながら、私はと遥馬は歩いた。
ついた先は、普通の一軒家。
ここに、紬が住んでいたんだ。
コトノ
ハルマ
遥馬にそう言われ、私は震える手でチャイムを押した。
ピ Ⅰ ン ポ Ⅰ ン
大きな音で鳴るチャイム。
ガチャッ
少しして、ドアが開いた。
???
???
コトノ
コトノ
出てきたのは、養子の霧亜さん。
ハルマ
キリア
物静かな人だけど、
小さい頃から良くして貰っている人だ。
キリア
キリア
コトノ
ハルマ
キリア
キリア
霧亜さんに案内され、私達は紬の部屋についた。
…ほとんど使われていなかった紬の部屋は、綺麗で、どこか悲しい感じがする。
コトノ
キリア
優しい香水の匂い。
小さい頃は、よく紬がつけてたな。
コトノ
<それ>を理解して、また、少し辛くなった。
キリア
キリア
コトノ
ハルマ
そう言って、霧亜さんは話し始めた。
紬は小さい頃、父親に虐待されていた。
ただでさえ体が弱いのに、虐待のせいでもっと弱り…
紬がずっと眠っているのは、そのせいでもあるらしい。
ある日、霧亜さんが養子として迎えられて…
父親の矛先は霧亜さんに向いた。
紬から霧亜さんに変わり、紬は少し落ち着いた。
《兄》も出来て、紬は嬉しかったのだろう。
私達とたくさん遊んだ時が、落ち着いた時だったのだろう
霧亜さんは、悲しい目でそう言った。
遥が死んでから。
紬はもっと眠るようになった
霧亜さんが呼び掛けても、父親が怒鳴っても、母親が泣いても。
起きなかった。
[植物状態]みたいな物らしい。
そんな辛い人生を、紬は送っていた。
…紬は、幸せだったのかな。
キリア
真っ暗な目で、作り笑いをして霧亜さんは言った。
コトノ
ハルマ
私達二人はお礼を言って、今日は解散となった。
紬の、辛い過去。
「知らぬが仏」
……私は、知りたくなかったよ
紬の過去も、
キリア
…霧亜さんの、悲しい顔も。
コメント
20件
紬の兄ちゃん好きだわ(( しかも、、東洋って… これは伏線の予感?? 紬の過去可哀想すぎだろ!!( ᐛ )(テンションがおかしい)
もぉ…妖精ちゃん見ると毎回語彙力がぁ…… 大好きだぁぁぁ…………
東……洋……?