TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

紬が死んで少し経った頃。

私と遥馬は、紬のお兄さんに話を聞きに行く事になった。

コトノ

…………………………。

ハルマ

…………………………。

雄飛くんは、まだ立ち直れてなかったり、仕事があったりで都合が会わなくて…

一緒には行けなかった。

コトノ

…ここを曲がるんだよね。

ハルマ

…多分そう。

ここの道を曲がったら、紬の家につく。

……ついて、しまう。

コトノ

行きたくない。

辛い話なんか、聞きたくない。

重い体を引きずりながら、私はと遥馬は歩いた。

ついた先は、普通の一軒家。

ここに、紬が住んでいたんだ。

コトノ

……入る?

ハルマ

…入らなきゃ駄目だろ

遥馬にそう言われ、私は震える手でチャイムを押した。

ピ Ⅰ ン ポ Ⅰ ン

大きな音で鳴るチャイム。

ガチャッ

少しして、ドアが開いた。

???

...あ。

???

…………いらっしゃい。

コトノ

お久しぶりです。

コトノ

〔東洋 霧亜〕さん。

出てきたのは、養子の霧亜さん。

ハルマ

お久しぶりです。今日は宜しくお願いします。

キリア

宜しく。

物静かな人だけど、

小さい頃から良くして貰っている人だ。

キリア

じゃあ、入って。

キリア

今、中は僕だけだから。

コトノ

はっ、はい。

ハルマ

お邪魔します。

キリア

ここ、紬の部屋だけど。

キリア

座って。

霧亜さんに案内され、私達は紬の部屋についた。

…ほとんど使われていなかった紬の部屋は、綺麗で、どこか悲しい感じがする。

コトノ

...ここに、紬が住んでいたんですね。

キリア

…うん。

優しい香水の匂い。

小さい頃は、よく紬がつけてたな。

コトノ

(...もう、紬はいないのか。)

<それ>を理解して、また、少し辛くなった。

キリア

…とりあえず、紬の小さい頃から話すけど。

キリア

良い?

コトノ

っは、はい。

ハルマ

…どうぞ…

そう言って、霧亜さんは話し始めた。

紬は小さい頃、父親に虐待されていた。

ただでさえ体が弱いのに、虐待のせいでもっと弱り…

紬がずっと眠っているのは、そのせいでもあるらしい。

ある日、霧亜さんが養子として迎えられて…

父親の矛先は霧亜さんに向いた。

紬から霧亜さんに変わり、紬は少し落ち着いた。

《兄》も出来て、紬は嬉しかったのだろう。

私達とたくさん遊んだ時が、落ち着いた時だったのだろう

霧亜さんは、悲しい目でそう言った。

遥が死んでから。

紬はもっと眠るようになった

霧亜さんが呼び掛けても、父親が怒鳴っても、母親が泣いても。

起きなかった。

[植物状態]みたいな物らしい。

そんな辛い人生を、紬は送っていた。

…紬は、幸せだったのかな。

キリア

……僕から話せる事は以上かな。

真っ暗な目で、作り笑いをして霧亜さんは言った。

コトノ

...有難う、御座いました。

ハルマ

……御座いました

私達二人はお礼を言って、今日は解散となった。

紬の、辛い過去。

「知らぬが仏」

……私は、知りたくなかったよ

紬の過去も、

キリア

…ニコ

…霧亜さんの、悲しい顔も。

妖精チャンの魔法

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

503

コメント

20

ユーザー

紬の兄ちゃん好きだわ(( しかも、、東洋って… これは伏線の予感?? 紬の過去可哀想すぎだろ!!( ᐛ )(テンションがおかしい)

ユーザー

もぉ…妖精ちゃん見ると毎回語彙力がぁ…… 大好きだぁぁぁ…………

ユーザー

東……洋……?

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚