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琴音

あーちゃん!あーちゃん!

そう叫びながら、琴音は葵に手を伸ばしたが

その手は

葵の体をすり抜けた

琴音

あッ…

バッカだなー、琴ちゃん!

私がこの姿のままで生きてきたと思ってるのー?

千夏

じゃあ、もう葵は…

真緒

もうこの世に…

悠斗

うるっせぇ!

悠斗

いるに決まってんだろ!

悠斗

現にここにいるじゃないか!

悠斗

体は腐っていようがここにいるだろ!

悠斗は大声を張り上げた

ありがとう「ゆーと」

じゃあ、こっちに来て

ほらここ

千夏

ここって

真緒

さっき僕達が通って来た場所…

そこの下見てみて

4人は葵にそう言われ下を覗いた

千夏

いやーーーー!

琴音

真緒

分かってはいたけど…

悠斗

やっぱ目の前で見るのは辛いな…

骨だけになっている葵の姿があった

覚えてる?

覚えてないか!

私達ここからあそこまで落ちたんだよ

琴ちゃんとちーちゃん、まーくんにゆーとは助かったんだけど私は、もう永い眠りに着いちゃったみたいでね

起きた皆は大声で5日間ぐらい泣いてたんだよ?

それを見るのが辛くてさ、皆の記憶では私は元からいなかった

そこまで悲しんでなかった人達には行方不明って事に記憶を変えたんだよ

でもね、やっぱりいつまでも気付かれないのは辛いなーって思って

ゆーととちーちゃんに本当ならあった記憶を戻したんだよね部分的だけど!

千夏

そうだったんだ…

皆!他の人達に私の事を伝えて、そして

私の事を忘れて

真緒

ッ!そんなの出来るわけない!

琴音

葵を忘れる何て出来ないよ!

悠斗

…クソッ

千夏

葵…

いいから!私がいなくても皆なら大丈夫だよ!

琴音

琴音

わかった…

千夏

琴音!

真緒

琴音ちゃん!

悠斗

琴音!お前何考えてんだよ!

琴音

だって!皆は葵の意志を曲げるの?!

琴音や葵以外の3人は少しビクッとした

真緒

…そうだね

千夏

うん…これで最後かもしれないもんね…

悠斗

グッ…

ありがとう!

そう言うと葵の透けた体が更に透けていく

琴音

葵?

千夏

いや!まだ!ちょっと待ってよ!

どうやら時間だね、

真緒

葵ちゃん!

悠斗

葵!ダメだ!

皆聴いて…

まず琴ちゃん、

琴音

ッ、何?

琴ちゃんって昔から頭も良くてさ、全然解けない問題も教えてくれたし、私の馬鹿にもよく付き合ってくれたよね…

ありがとう…

ちーちゃん

ちーちゃんは、私がひとりぼっちの時に初めて話しかけてくれたよね、学校の仕事よりも私を優先しちゃってさw

楽しかった

ゆーと

私が泣いてたら、いつも馬鹿やって励ましてくれたよね。ゆーとも私の話聞きながら私より泣いちゃってたっけ?

嬉しかった

まーくん

まーくんは絵が上手で、絵が下手な私にコツを教えてくれたり、留守番の時に1人の私の家に来ては、「遊ぼ」って言ってくれたよね

おかげで全然寂しくなかった

琴音

あーちゃん…

千夏

葵…

悠斗

葵!

真緒

……

皆!何で泣いてるの?

ほら、前向いて笑って!

皆本当にありがとう

大好き

琴音

あーちゃん!

千夏

葵!

葵!

あれから随分時が経ち

私達は立派な社会人となった

今でもあの時の事は覚えてしまっている

葵は向こうで元気にしているだろうか

あの子は笑顔で、私達を見守っていてほしいと

つくづく思う

琴音

行ってきます!

…行ってらっしゃい、琴ちゃん…

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