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あやや あいされ

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あやや あいされ

10 - 笹山 (仙蔵) × 綾部 ー譲れないー

♥

202

2025年04月09日

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僕は絡繰で人より目立つ時がある

それ以外は至って普通の一年生で

この学園の最下級生 。

何かあれば先輩に譲ったり 、 時にはなにかを諦めたり

それでも 、あの人にだけは ...

あの人に 、貴方は譲れない

自分でも独占欲は 強いほうだと思うけど

別に 、浦風先輩や伝七には そう言った感情は湧かない

きっと 、心の中で ふたりのことを下に見ているから

でも 、あの人はそうはいかない 。

細くてキリッとしたあの鋭い目つきで いつ先輩を食らうか分かりやしない

そう思う度に 、この僕の絡繰の中に あなたを閉じ込めてしまいたいと

そんな汚い僕が現れる

でも 、僕にはあんな風に笑う 先輩を見ることができない

それはあの人だから出来ることで

あの同室の平滝夜叉丸先輩でも 難しいだろう

でも 、いっかいだけ

その笑顔に似た笑顔を 僕に見してくれる時があった

どこかの保健委員長みたく運悪く その日は 、機嫌が悪かった 土井先生を絡繰にはめてしまった

絡繰で怒られるのなんて 初めてじゃなかったし 反省もしていなかった

でもその日は少し違かった

土 _ "

あのなぁ 、、っ

綾 _ "

土井せんせぇ?

土 _ "

... 綾部か 。

土 _ "

丁度いい 、兵太夫が ___

あぁ 、しまった

僕の絡繰のせいで 、無関係の 綾部先輩まで怒られる始末だ

こんな格好悪い姿であいたくなかった

怒られて 、素直に 謝ってしまうのだろうか

然し 、そんな考えは消え去った

綾 _ "

兵太夫 、ほんとうなの?

兵 _ "

... っ 、はい 。

兵 _ "

すみませ (

綾 _ "

すごいよ君は!!

綾 _ "

僕でも先生を落としたのは
三年生に上がってからだ 、

綾 _ "

なのに君は一年生で ...

兵 _ "

... 綾部 、せんぱ ... ?

綾 _ "

僕は鼻が高いよっ!!

珍しく興奮気味に話す 綾部先輩は僕の肩を乱暴に掴んで

とびきりの笑顔を僕にみせた

僕もすかさず笑顔を見せた

すると 、真横から 凄まじい気が感じられる

土 _ "

...綾部ぇ 、兵太夫〜!!!!

綾 _ "

きゃー逃げるよへーだゆー

そういって先輩は僕の手を引いて 走っては行けないであろう廊下を ドタドタと鳴らして駆け回った

あの笑顔は僕だけのものかは不詳

それでも 、なんだかあの笑顔は あの先輩はお見えすることが 出来ないのだろうとわかった

きっとこれは 、後輩である僕の特権

別に諦めてた訳じゃないけど ある日僕に転機が与えられた

ある日の委員会時 、 綾部先輩と立花先輩が 喧嘩をしてしまった

理由がなにであれ 、 少々許し難い事が起こった

綾 _ "

先輩はわからず屋です

仙 _ "

何を言う。それはお前だろう

仙 _ "

屁理屈ばかり並べるなら

仙 _ "

...お前の御自慢の穴掘りでも
してきたらどうなんだ

仙 _ "

... もう顔も見たくない 。

きつく冷たく 、その怒号は 他者の僕達にまでグサリときた

藤 _ "

ぁ 、あのっ ...

そんなとき、自分も怖いであろう 浦風藤内先輩が ふたりに語りかけた

藤 _ "

喧嘩は悪いこと
じゃありませんが 、

藤 _ "

その 、一年生が
怖がっていますから ....

でも実際は一年って言うより 伝七がもう失神寸前なだけだし

その様子に気の毒に思ったのか 立花先輩は喜八郎 、と 名前を呼んだ 。

綾 _ "

... 僕の話を聞く気が
ないならもういいです

綾 _ "

先程言いましたよね

綾 _ "

もう顔も見たくないと

その瞬間 、僕をぐいっと引っ張り 綾部先輩は襖に手を当てた

すると寸前で動きが制止された

仙 _ "

せめて兵太夫は置いてかないか

綾 _ "

何故ですか?

仙 _ "

お前の穴掘りはまだ
兵太夫には早いだろう

その瞬間 、綾部先輩の顔が歪んだ すっごく歪んで 、 僕の手をより強く握った

綾 _ "

... 先輩は 、どこまで僕を
信用していないんですか 。

仙 _ "

...だから 、

綾 _ "

僕達 、用具倉庫に行くんです

横目で見ると 、うるうると 水晶のような瞳が揺れるのがわかった

だから僕も 、少し立花先輩を 揶揄ってやった

兵 _ "

僕 、死化粧が苦手なので

兵 _ "

付き合って欲しいと
頼んでたんですよ〜 。

その瞬間 、ふたつの大きな音が鳴る

藤 _ "

そ 、それは本当なの??

伝 _ "

狡い ...

僕もとごねる所で 、僕は バチっと彼と目が合った

酷く冷たい目に少し怖さもあった

けれど 、こんなチャンスは 申し分ないのだ

あの人に向かってにやりとしたら 今度は綾部先輩の腕に抱きついて

兵 _ "

今日は 、僕の先輩だから

兵 _ "

ふたりはまた今度ね?笑

人の眉間に皺が寄る瞬間 とてつもない興奮を覚える

気がつけば 、綾部先輩と重なってた ひと回り大きな手も離れていた

綾 _ "

あーんまおいたしちゃうと
僕みたくなっちゃうよ〜

そう言いながら手を引く先輩に 僕は咄嗟に口に出た

兵 _ "

最愛の人と同じになれるなんて

兵 _ "

これほど幸せなことは
ないでしょうね 。

え?と気の抜けた声に 僕はやっとやらかしたことに気づく

騒がしい廊下の中で こんっなわかりやすい告白が あるのだろうか

兵 _ "

... ぁ 、えっとこれは 、

兵 _ "

咄嗟に出ちゃって 、、、

綾 _ "

咄嗟に?笑

兵 _ "

えぇっとだから!!

顔があつい

綾部先輩のせいだ

そんな張本人は 僕の顔をみてふにゃりと笑った

綾 _ "

その言葉 、本心ならさ

綾 _ "

僕がここを去るときに

綾 _ "

もう一度 、今度は
もっと難しく伝えてみてよ

兵 _ "

....上等ですよ

兵 _ "

なら呉々も 、それまでは
色々我慢してくださいね

兵 _ "

僕の初恋と引き換えです

綾 _ "

それは困ったなぁ〜

綾 _ "

立花先輩には
耐えてもらわないと

先輩が立花先輩と どういう関係あろうとも

僕は諦めるつもりもなければ

そう易々と立花先輩のものに させるわけもない

だから僕は

二年後の春 、僕の自慢の絡繰を 解いてもらうまで

決して立花仙蔵に譲るつもりはない

あやや あいされ

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コメント

4

ユーザー

やべ馬鹿みたいにニヤニヤしてた

ユーザー

最高です( ´›ω‹`)💕

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