璃恋
失礼します
るぅと
あっ!天宮さん!来てくれたんですね
ぱあっという効果音が付きそうな感じで、黄田くんは私に笑いかけた。
さとみ
この子が天宮璃恋ちゃん?俺は桃瀬さとみ。書記やってます。よろしくね
璃恋
よろしくお願いします、1年の天宮璃恋です
ころん
僕は会計の水越ころん。よろしくね、りっちゃん
璃恋
りっちゃん…?
ころん
え?だって、璃恋ちゃんでしょ?じゃありっちゃんだよ、りっちゃん。よろしくね
璃恋
は、はぁ…よろしくお願いします…?
莉犬
ころちゃんは距離近い人間だから、なんかされたら俺に言ってね?
莉犬
あ、俺は赤坂莉犬。2年男子副会長やってまーす。よろしくね。天宮さん
璃恋
よろしくお願いします、赤坂先輩
ころん
いやぁにしても可愛い子連れてきたね、るぅとくん
るぅと
えへへ…ビビっと来たんですよね
ころん
さすがだよ〜
ヘラヘラと笑う黄田くんを、私は睨むように見る。
私は彼の秘密を握る。そして裏口入学の噂の正体を暴く。
璃恋
……
莉犬
…天宮さん?大丈夫?体調とか悪い?
璃恋
あっ、だっ大丈夫です!ありがとうございます
莉犬
無理しないでね、いつでも俺のこと頼っていいから
璃恋
赤坂先輩…!
赤坂先輩の顔がキラキラと輝いて見える。生徒会唯一の希望だ、と思った。
莉犬
あ、それと俺のことは莉犬でいいよ。その代わり、俺も璃恋ちゃんて呼んでい?
璃恋
はい!!えっと…莉犬先輩…!
莉犬
よろしく、璃恋ちゃん
そう言って莉犬先輩は私の手を握った
璃恋
っ…!!//
るぅと
!!天宮さん!!
璃恋
ひぇ?!な、なに…
るぅと
勝手に莉犬先輩とイチャイチャしないでください…僕のことも見て…?
璃恋
はぁ?
ころん
ちょちょ、喧嘩しない喧嘩しない!
ころん
なになに、2人仲悪いの?
璃恋
悪くは無いですけど……
さとみ
ま、これから仲良くなってけばいーじゃん?
璃恋
桃瀬先輩…
さとみ
あ、俺のこともさとみでいいよ?仲良くしたいし
璃恋
…さとみ先輩
さとみ
そーそ!
ころん
さとみくんだけずるい!僕もころんて呼んでよー!!
璃恋
ころん先輩
ころん
ありがと、りっちゃん!
莉犬
とりあえず、今はこれで解散ね。
莉犬
みんな、昼休憩なのにわざわざ集まってくれてありがとう
莉犬
今日の放課後、仕事の確認とか細かいことやりたいからもう一回集まってもらってもいいかな?
璃恋
はい!莉犬先輩!
るぅと
はーい
ころん
えぇまじ?だる
さとみ
俺が引きずってでも連れてくから大丈夫
莉犬
…ありがとさとちゃん
莉犬
じゃ、次の授業に間に合うようにね
莉犬先輩が手を叩き、解散となった。
ー放課後ー
璃恋
着くの早すぎたかな…?
まだ誰もいない生徒会室で、一人ポツリと呟く。
るぅと
僕もいますよ
璃恋
うわぁっ?!
後ろから声をかけられ、思わず跳ねる。
るぅと
ふふ。かわいい
璃恋
…黄田くん、そういうのやめた方がいいと思う
るぅと
え、なんでですか?僕はホントのこと言ってるだけなのに…
璃恋
はぁ…
るぅと
ねぇ、僕、天宮さんが好きです
璃恋
ごめんなさい
るぅと
ふふ、素直じゃないんですね、璃恋ちゃん
璃恋
素直じゃなくな……ちょっ?!
璃恋
こ、黄田くん?!
黄田くんは、私の後ろの机に私を追いつめ、押し倒した。
璃恋
ねぇ、やばいって!
るぅと
璃恋ちゃん、っていい名前ですよね
るぅと
何回も呼びたくなる
璃恋
ひぁっ…
急に耳元で囁かれ、変な声が漏れ出る。
るぅと
かわいい。大好き、璃恋ちゃん
璃恋
や、やめ…
黄田くんは私のブラウスのボタンに手をかけ、ひとつひとつ外していく。
璃恋
ね、お願い…黄田くん…
私は黄田くんの手を振り解こうとしたけど、黄田くんは見た目の割に力が強く、なかなか振り解けない。
璃恋
お願い…やめてよ黄田くん…!
るぅと
…その顔、反則、ですよ
そう言って、黄田くんはその整った顔を私に近づけてくる。
…あ、キス、される
璃恋
いやっ…!!
ころん
るぅとくん!!りっちゃん!!
バン、と扉を開けて入ってきたのは
璃恋
ころん…先輩…?
息を切らしたころん先輩だった。