――――――――――――ぱんっ――――――――――――
牡丹
私は至って普通の人間だ。

牡丹
特別勉強やスポーツができるようなこともない。

牡丹
私はただの中学生。いつだってそう自分に言い聞かせてきた。

牡丹
「牡丹」その名前に恥じぬよう。

牡丹
ただ私には普通ではないことが1つ。

牡丹
幼馴染の理緒だ。

牡丹
理緒は、確かにダメダメだが他にはない優しさがある。

牡丹
男女の幼馴染などまるで青春ドラマのようだが、180度回ってもそんな恋愛ごっこなど起こらない。

牡丹
今日も私は隣の席の彼に会う。

――――――――――――ぱんっっ――――――――――――
春人
俺は春人。

春人
この際だからはっきり言う。

春人
俺は牡丹のことが好きだ。
もうずっと。

春人
頭が回りそう

春人
でも、もう無理だろう。

春人
彼女が気づくことはないのだから。

―――――――――――――ぱっ―――――――――――――――
牡丹
私は理緒と話す時つい自分だけ話しすぎてしまう。

牡丹
でも理緒はこんなんでも優しい眼差しで見てくれる。

牡丹
世間一般的には知らないが、私は理緒をカッコいいと思っている。

牡丹
かも?

牡丹
「ねぇ、理緒」

牡丹
「みんなはね、、、、、」

――――――――――――とーん――――――――――――
春人
彼女はいつだって話している。

春人
俗に言うお喋りだ。

春人
ずっとずっと彼に向かって話を続けている。

春人
彼女しか彼に話かけられない。

春人
俺になんかちっとも目をくれてはくれない。

春人
実に悲しいものだ。軽くおどけてみる。

春人
『いいかげん目を覚ましてほしい。』
