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🎪『今日だけの、ふたりの文化祭』🌷
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えとさんがそんなことを言ったのは、朝のことだった。
廊下には、小さなポスター。 看護師さんたちが作った、手作りの“ちいさな文化祭”
射的にぬりえに、ジュースくじ。 どれも子供向けっぽいけど、えとさんが楽しそうにしてる顔を見たら、 僕もついて行くしかなかった。
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そんなふうに袖を引かれたら、断れないだろ。
最初はジュースくじ。 小さなボックスに手を入れて、缶のプルタブを引く
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えとさんはそう言って、ストローをさして僕に差し出した。
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僕はその意味に気づくまで、ほんの数秒かかった。
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そう言ってえとさんは目をそらす。 頬が少し赤い。
僕はそっと缶を受け取った、何気ないふうを装ってひと口飲んだ。 口の中に、ほんのり甘い桃の炭酸が広がる。
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えとさんはむすっとした顔で缶を取り返したけど、 その目は、どこか楽しそうだった。
塗り絵をしたり、風船をもらったり、お互いの似顔絵を描いて大笑いしたり。 ほんのささいなことなのに、ずっと心に残りそうだった。
そして最後は、プラネタリウム。 部屋の天井に投影された星たちは、手が届きそうなくらい近くて。
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えとさんの言葉に、胸の奥がじんとした。
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えとさんは静かに笑ったあと、そっと僕の手を握ってきた。 ちょっとだけ、指が震えてた。 けど、僕は何も言わなかった。
ただ、その手を握り返しただけ。
帰り道、えとさんがぽつんとつぶやいた。
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えとさんはふいっと顔を背けたけど、耳まで赤くなってた。
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今日だけの、ささやかな文化祭。ただそれだけなのに、 僕にとっては、たぶん、これからもずっと忘れられない一日になる
🎈『からかい返し』🌷
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えとさんがぽつんと呟く
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僕はそう答えた。本当の気持ちだった
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僕は苦笑して、軽く頭をかいた。 こうして隣を歩く時間が、こんなにも心地いいなんて、昔は思いもしなかった。
それなのにーー
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言葉の意味を聞き返すよりはやく、えとさんが僕の腕をそっと掴んだ
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まっすぐ見つめられると、断れない。 僕は静かに目を閉じた。
そしてーー
ふわっと、頬にあたたかい感触が落ちた。 ……え?
次の瞬間、えとさんの顔がすぐそばにあった。
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そう言って、ふわっと笑う。 僕の頭は真っ白だった。 顔が、じわじわと熱くなるのがわかる。
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完全に、やられた。 いつもは僕が調子に乗ってからかってるのに、 まさか自分がやり返されて、こんなにまともに照れるとは。
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帰り道の夕焼けのなか、 えとさんの笑顔は、少しだけ泣きそうに見えたけど、 僕はそれをそっと心にしまった。