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今日は家族で海に行く日
皐月
皐月
三玖
三玖
皐月
三玖
三玖
皐月
三玖
三玖
皐月
皐月
皐月
握った姉の手は何故か冬なのに冷たかった
準備をして11時に家を出た
車で移動して途中でコンビニに寄って
お菓子を買って食べて…
窓を開けて景色を見て
その日はとても綺麗な空だった
空も雲1つ無く
水面に写った光が反射して
海がキラキラしていた
とても楽しかった
はずだった
皐月
三玖
私がトイレに行った数分後戻ると
海に向かってその場に居た人達が
必死に何かに向かって叫んで居た
自分に関係ないと思い家族を探す為に走った
走って、探して、また走って
いくら探しても家族の誰1人居なかった
皐月
ザワつきが大きくなり
嫌な予感がして人混みをかき分け
少し遠くの水面を見た
遠くの水面には
青く美しいはずの海が
1部だけ赤く太陽の反射で光っていた
私は幼いながら何かを察して
必死に叫んだ
皐月
必死に叫んだ
皐月
喉が枯れそうなぐらい叫んだ
皐月
涙を流し…必死に叫び…必死に手を伸ばし…
助けに行くために前に出ると 周りの大人の人達に止められた…
皐月
皐月
皐月
必死に叫んでも
手を伸ばしても
願っても
結局皆消えちゃった…
初めての葬式
お母さん…お父さん…お姉ちゃん
3人の葬式が同じ場所で行われた
私は隅に立っていた… 流すはずの涙はいつしか枯れて出なくなった… 好きだった夏のセミの音が嫌いになった… 好きだった綺麗で美しかった海が嫌いになった… 晴空も…人の笑顔も…人の笑い声も…人の声すら… 聞こえる音が全て嫌になった…
家族が居ない私は叔父家族に引き取られた 家族になるのに何故か慣れない暮らし… 美味しい料理が不味く感じて… 暖かい食卓のはずなのに息苦しくて…
私に対してとっても優しい叔父夫婦のはずなのに 好きになれなかった…心を開くことが出来なかった… 人が何考えてるのか分からない… だから…いつしか… 無意識に人の顔を見ないようにしていた… 私て…生きて…なんの意味になってるの…?
新しく通った学校も嫌だった 先生の声…同級生の声… 先輩の声…後輩の声… 全てが嫌だった… 嗚呼…なんて息苦しい世の中なの… 今の私にいったい何ができるの…?
私は良く一人で近くの寺に行っていた 唯一落ち着ける場所だったから…
皐月
触れられた感覚がしたから後ろを振り向いたんだ
三玖
そこには死んだはずの姉の姿があった 姉は赤くなっていた… 片目からは血が出ていて… 手には何故か血がついて居た…
そんなのどうでもよかった
皐月
強く抱きついた
三玖
皐月
三玖
姉を連れ帰ったが誰も見えて居ないのか 不思議そんな、心配そうな顔をしていた…
皐月
皐月
皐月
三玖
皐月
皐月
皐月
三玖
姉の声にノイズが入ったか のように重要な部分だけが聞こえなかった
皐月
三玖
三玖
皐月
三玖
皐月
皐月
皐月
三玖
三玖
三玖
三玖
三玖
三玖
三玖
皐月
三玖
皐月
皐月
三玖
ここから始まる
私と姉の物語
”あの日家族が消えた謎”