双 黒 に 狙 わ れ て ま す

私は戦闘系の異能じゃないってのに！

襲いかかって来る虎に 即効性のある睡眠薬代わりの香りを出す。

が、効いていないのかふらつく事も無く 飛び掛かって来た。

直ぐに後ろに飛んで回避する。

芥川君に云われて樋口ちゃんと後方へ退く。

今度は虎が芥川君に飛び掛る。

異能でガードをするが、押し負けて ビルの壁に激突してしまった。

今度は樋口ちゃんがサブマシンガンを拾って虎に撃つ。

虎の体に当たった銃弾はどれも弾かれて 傷一つ付ける事も出来ていなかった。

虎が襲いかかって来ているにも関わらず 驚いて体が動かない様子の樋口ちゃん。

虎の前足が樋口ちゃんの体に当たりそうな処を 樋口ちゃんを押して咄嗟に庇う。

芥川君が異能で虎の胴を真っ二つに切断したが、 虎の爪が私の背中を斬り裂いた。

体が二つに泣き別れになった虎が地面に倒れる。

四本の大きな爪で引っ掻かれた傷が痛むが、 幸い距離があったため其れ程深くは無かった。

と、虎の死体が砂の様に消える。

さっき探偵社員を眠らせた私の異能が解けている。

「甘香」は私自身に肉体的ダメージがあると 効果が薄まったり、解けたりする可能性があるのだ。

前触れも無く芥川君の背後に虎が出現する。

芥川君が瞬時に反応し、異能で虎に攻撃しようとする。

虎も芥川君に攻撃しようと飛び掛かって来ていた ───其の時。