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会社の近くにある、安くて美味しい居酒屋。
仕事帰りのたくさんの人で賑わう店内に、Nakamuの陽気な声が響く。
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アルコールで頬を赤く染めたNakamuは、ハイテンションでさらにお酒を注文しはじめた。
まぁ今日はNakamuの奢りとのことだから、
僕も追加で焼き鳥を注文する。
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僕も、最初はスマイルさんと仲良くなる…
ましてや付き合うことになるだなんて思わなかった。
相変わらず仕事に関しては厳しいけど…そこもまたスマイルさんらしい。
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上機嫌なNakamuは、そう言うと急に真剣な眼差しでこちらをみた。
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Nakamuの言葉に、食べていた焼き鳥を喉に詰まらせる。
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慌ててビールを喉に流し込むと、Nakamuがニヤリと口角を上げた。
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スマイルさんと付き合いはじめて早1ヶ月。
付き合ったはいいものの、互いの仕事の忙しさやスマイルさんの出張が重なって
恋人らしいことはまだ何もできていなかった。
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スマイルさんが出張に行って1週間。
今日ようやく出張を終えて帰ってくる。
明日は互いに休みなので、このあと会う約束をしていた。
店員
店員さんの声と共に、ビールジョッキがテーブルに置かれる。
Nakamuはもう数え切れないほど飲んでいるが…
…1人で帰れるのだろうか。
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Nakamuの言葉に、竜田揚げを食べていた箸が止まる。
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『スマイルさんでしょ。』
そう言いかけて、ふと考える。
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まだそういう話をスマイルさんとしたことがなくて、言葉が詰まる。
僕がDomだからなんとなく、僕が彼氏かなって思ってたけど…
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スマイルさん、ダイナミクスでそう言うの考える嫌いそうだし、
別にSubが彼氏をやるケースも珍しいことじゃない。
スマイルさんは年上だし、スマートでカッコいい。
対して僕は年下の部下。
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自分達を客観視して気づいてしまった。
もしかして……僕がカノジョ役??
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頭の中はそれでいっぱいで、Nakamuの言葉は耳に入らなかった。
Nakamuと別れて、スマイルさんを駅まで迎えに行く。
駅までの道のりを歩きながら、さっきのことを思い出した。
僕が彼氏役をやるつもりでいたけど…
スマイルさんが彼女役をやるとは思えない。
あの仕事ができて、厳しいスマイルさんが彼女役…?
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やっぱり、僕が彼女役をすることになるのかな…?
せっかく久しぶりに会うのに、直前でとんでもないことに気がついてしまった。
どうしたものかと頭を悩ませていると、あっという間に駅に着いた。
仕事終わりのたくさんの人混みの中、スマイルさんを探す。
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改札付近で、スーツケースをひいたスマイルさんの姿が見えた。
久しぶりに見た恋人の姿に、さっきまでのことは忘れて心が躍る。
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気づいてもらうために手を振ろうとしたとき。
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スマイルさんがこちらに気づいた。
スーツケースのキャスターの音を立てて、こちらに駆け寄ってくる。
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ギュッ
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挨拶をしよいとした瞬間、スマイルさんが走ったままの勢いで僕に抱きついてきた。
首に手を回され、体を抱き寄せられる。
首元から、スマイルさんの甘い香りがふわっと漂った。
突然のことで、体が固まる。
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耳元で嬉しそうに囁かれ、呼吸が止まる。
あ、あいたかったって言った、??
あのスマイルさんが…??
思考停止していると、スマイルさんがパッと僕から離れる。
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何事もなかったかのようにいつも通りの感じに戻るスマイルさんに、更に脳が混乱する。
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僕が頷いたと同時に、スマイルさんに手を引かれる。
驚いてスマイルさんの方を見ると、僕の方を見てフッと笑った。
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何気ない表情ひとつひとつに鼓動が早まる。
ビルの光が照らす街の中を、2人で歩き出した。
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おかしい。
誰もいない寝室で頭を抱える。
おかしい。
おかしいのだ。
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スマイルさんが、可愛すぎる…
今の時刻は23時半。
2人でスマイルさんの家まで帰ってきた。
スマイルさんがシャワーを浴びている中、誰もいない寝室でため息を吐く。
…なんといか、スマイルさんの様子がいつもと違う。
さっき一緒にアイスを食べてる時だって。
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そう言って、手を伸ばして取ってくれたし…
一緒にテレビ観てる時だって
ギュッ
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そう言ってナチュラルに恋人繋ぎしてきたし…
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可愛いというか、あざといというか…
小悪魔、というか…
心臓に悪すぎる。
スマイルさんってこんな可愛い人だっけ…?
もっと、カッコよくてクールなイメージがあったのに…
今日はなんか…行動のひとつひとつが可愛い。
いや、可愛いのが悪いわけじゃないんだけど…!!
むしろもっとしてほしいくらいだし…!
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そこまで考えてふと気づく。
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今のスマイルさんにタチをやりたいと言う感じは見られない。
もしかしたら、僕がタチをできるかもしれない。
ガチャ
期待に胸を躍らせていると、寝室のドアがゆっくりと開いた。
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ドアの隙間からスマイルさんが顔を覗かせる。
風呂上がりの火照った肌に、まだ完全には乾ききっていない髪。
無防備なその姿は、分かってはいたけど心臓に悪い。
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あわあわしていると、スマイルさんがベッドに上がってきた。
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スマイルさんが僕に近づいてきて上目遣いで名前を呼ぶ。
甘い香りが鼻腔をくすぐってきて、頭がクラクラした。
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スマイルさんの頬に手を添え、唇にキスを落とす。
互いにキスし合うと、体が熱くなっていくのを感じた。
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舌を入れて、頭を抱き寄せる。
僕のキスを懸命に返そうとするスマイルさんが可愛くて、
キスを続けながらふわふわした綺麗な髪を撫でる。
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口を離し、さっきのキスですっかり力が抜けてしまったスマイルさんの体を押し倒す。
華奢な体が、柔らかなマットレスに沈んだ。
覆いかぶさるように近づくと、
熱を帯びた紫色の瞳と至近距離で目が合った。
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スマイルさんが僕の下で優しく笑う。
妖艶に弧を描く唇に誘われるようにキスをした。
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服の隙間に手を入れ、お腹を撫でると、
目の前のスマイルさんの体がビクッと跳ねた。
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スマイルさんはそう言うと、自分の指を舌で舐める。
そして、唾液を纏ったその指を自身の後孔に持っていった。
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ぐちゅぐちゅ、とはしたない音が部屋に響いた。
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その様子に釘付けになっていると、スマイルさんが顔を真っ赤にしながらそう言った。
見ると、スマイルさんの後孔にはもうすでに2本の指が容易く飲み込まれていた。
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僕の言葉にスマイルさんは恥ずかしそうに視線を逸らしながらこくり、と頷く。
…ヤバい。
可愛すぎる。
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仕返しをするように乳首に噛み付くと、スマイルさんの体が大きく跳ねた。
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再び噛みついて反対の手でもう片方の乳首を弄ると、
スマイルさんの口から女の子みたいな高い声が出る。
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スマイルさんが逃げるように体を捩った。
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コマンドを出せば、ピタリと動きを止める体。
顔を見ると、瞳に涙を溜めながら僕を見上げるスマイルさんと目が合った。
目が合った瞬間、スマイルさんの甘い香りが強くなる。
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嫌がる体とは対照に、トロトロに溶けている瞳。
その瞳を見ると、体を渦巻くDomとしての欲求が強くなった。
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はしたなく喘ぐ自身の声が部屋に響く。
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自身の声が恥ずかしくて枕で顔を隠そうとしても、ぶるーくに枕を奪われる。
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俺のナカに挿入ったぶるーくのモノが奥を突く。
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ぶるーくの低い声が鼓膜に響く。
目を開けると、いつもとは違う雰囲気を纏ったぶるーくが俺を見下ろしていた。
いつもは眠そうで何も考えてなさそうな瞳が、ギラギラと鋭く光る。
その瞳にあてられると、体の中の欲が一気に満たされていった。
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自身の言葉に、体が羞恥で熱くなる。
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恥ずかしくなって視線を逸らそうとすると、
今まで聞いたことがないほど低いぶるーくの声が聞こえた。
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ガツガツと奥を突くぶるーくに、
うわ言のように、だめ、とまって、と言うが
ぶるーくの耳に入らなかった。
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唇を塞がれ、口内に熱い舌が入ってくる。
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耳を塞がれ、くちゅくちゅと水音が脳内に響く。
まるで脳全体が犯されているかのような快感に、全身に甘い刺激が流れた。
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麻薬のようなぶるーくの甘い言葉に脳が蕩ける。
Domに支配された喜びで、全身が歓喜した。
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『俺も好き。』
その言葉を口に出す前に、意識はふわりと浮いた。
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ぶるーくが後片付けをしてくれて、綺麗になった体で2人でベッドに寝転がる。
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少しだけ痛む体を横にすると、同じ体勢をしているぶるーくと目が合った。
先ほどのDom特有の高圧的な目はなくなり、
暖かく包み込んでくれそうなくらい優しい瞳に見惚れていると、ぶるーくがこちらに手を伸ばした。
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へにゃりと頬を緩ませて笑うぶるーくに、こちらも思わず笑みがこぼれる。
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ぶるーくの大きな手が俺の頬に触れる。
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優しい雰囲気を纏うタレ目が、俺の言葉で大きく見開かれた。
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俺の頬に触れているぶるーくの手を、上から握る。
俺より少し高い体温が、指先から伝わってきた。
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…ずっと、ダイナミクスが大嫌いだった。
世の中はダイナミクスが全てで、Subは劣等種として扱われる。
それが、世間の常識だと思ってた。
…でも、違った。
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両親や元同級生のように、Subを劣等種だと考える奴は多い。
多い…けど、
ダイナミクスだけじゃなくて、俺自身のことも見てくれる人だっている。
ぶるーくが、それを教えてくれた。
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ぶるーくが側にいてくれるのだったら、
…Subも、悪くない。
月明かりが窓から、静かな部屋に差し込む。
目の前の愛しい恋人は、俺の言葉に心底幸せそうに笑った。
…
おまけ
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…
おわり
コメント
5件
前半はnkの酔い大丈夫?って思いながら読んでたけど後半は口角がこれ以上上がらないくらい上がってました!あ、前半もでした(( 最初から最後までとても楽しく読ませてもらいました!とりあえずbrさんも土筆さんも何事もなくこの作品が終わって良かったです!定期的に読みに戻ろうと思います!
お疲れ様です!!!もう全てが好きとしか言いようがないくらい凄い作品ですね!! 食事中にぶっ込んでくるnkとか途中に出てくるsmくっっっそ可愛いっすね…!! そしてイチャイチャしてる時にbrが敬語じゃなくなってるとことか細かくて好きです!!! めちゃくちゃ素晴らしい作品ありがとうございます!!!何があろうとこれからも応援し続けます!!!
お疲れ様でした! 最初から最後まで展開や話の運び方が面白くて更新を楽しみに読ませて頂いていました!特に今回はsmさんの可愛らしい無自覚にbrさんを煽ってしまう言動も、brさんのnkさんに弄られ動揺する姿勢やsmさんの反応に振り回される心情も、どれも良くて最後まできゅんきゅんしっぱなしでした....!素敵な作品をありがとうございます!これからも活動頑張ってください! 長文失礼しました