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さとみ
菜乃
母親
菜乃
…私の母親は、私の容姿を貶してきました。
今は隠していますけど…本当は白髪にオッドアイです。
それと…先ほど『古い考えをもっている』といいましたよね。
娘を嫁がせるには可愛くないと、美しくないと嫁に行けない…と、そういう考えでした。
『嫁に行けない者は容赦しない。』 そう言われた日から、私は暴力を振るわれ続けました。
菜乃
やっぱり即興劇は嫌いだ。
内容が矛盾してくるし、何より複雑になればなるほどわからなくなってしまう。
今の話もすごく短い。
だから怪しまれないかが心配だ。
菜乃
パチンッ
菜乃
さとみ
ジェル
菜乃
多分、大雨の影響で停電した。
最悪なことに、私は暗闇が苦手だ。
長くは耐えられない。
菜乃
雨で暗くなった家は何も見えない。
たとえ不審者が侵入していたとしても＿
バリンッッ
莉犬
ころん
るぅと
？？
誰かが笑い、歩く音が聞こえる。
だが窓を割って侵入したとは思えない。
だって、ここは30階だ。
生身の人間がそこまで登り、窓を割るなんて信じられない。
だが歩く度にぴちゃぴちゃと聞こえる。 足が水に濡れたのだろうか。
だとしたら外にいたことは間違いない。
ただどうやって入ってきたんだ？
…いや待て。おかしい。
窓が割れたなら少なくとも破片が飛び散ってるはず。それで怪我もするはず。
なのに窓の近くにいた奴ら含めて誰も怪我していない。
なら窓から入った線は薄くなる。
だとすれば残るは玄関しかない。
そもそも窓が割れた音とは限らない。
ではガラスが割れた音か。
だとすれば…置物だ。
この家に置物が置いてある場所は1つしかない。
玄関。
細工している音1つ聞こえなかった。合鍵か？
合鍵を作るのは誰でもできるが、このタイミングはおかしい。
ストーカーならもっとバレない時間に入るはずだ。
だとすれば親族の可能性がある。
それは誰だ？
菜乃
ジェル
菜乃
鼻がツンとするぐらいきつい香水の匂いがする。
あぁ…間違いない。
ころん
さとみ
菜乃
殺す時だけしか会いたくなかった。
？？
菜乃
私の実母だ。
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