かなり私用

沈黙が続く。 一体何を考えているのか、俺にはさっぱり分からない。

猗窩座殿の手は震えていて、瞬きの回数が増えたように感じる。

「幽霊がいるはず」と思っているから、脳が“いるように感じる”ように情報を処理してしまっている。 それを期待バイアス、思い込みというんだよ？

軽い冗談のつもりだった。

なのに、隣にいる猗窩座殿は黙って俺の手を取った。

声が少し上ずる、こんな展開になるなんて、思ってもいなかった。

ニヤッと口角が上がった。

そんな顔？俺はどんな顔をしているんだろうね。分からないや

手の握る力が強くなった。