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俺は

過去を思い出したく無くて

辛いことは全部全部

記憶から消してしまいたくて

それでも

人間ってのは

幸せなことは

どんどん消えて忘れていくのに。

失敗や心の痛みだけは

一生

いつも心を掻き乱すように

忘れる事はなくて。

ほとんどの人間は

辛いことや嫌なことを

嬉しいことで忘れようとする

でも、それでも

忘れられないものも

心の中には残ってしまう

………俺だってそうや

そして

俺のパパとママも

同じだった。

(〜7年前〜橙くん7歳)

ママ

なんでッ!!なんでッそんなこと言うのッ……

パパ

うるっせぇな……

パパ

黙れよッ!!

ママ

あなたが悪いんでしょう!?

当時7歳だった俺は

いつもいつも

両親の激しい喧嘩を

目の前に生活をしていた

俺以外のお兄ちゃんたちは

みんな歳が近かったから

門限まで公園や友達の家で遊んでいた。

だから

いつもずっと一人ぼっちで

両親のヒステリックな声と怒鳴り声と共に

勉強やゲームをひっそりとやっていた

それでも

まだ小さかった俺には

寂しくなる瞬間があるもので……、

ママッ………

喧嘩駄目だよ……?

ママ

うるっさいわね!!!

ママ

黙ってなさい!!

ふぇ………ッ

パパ

橙には関係無いことだ

でもッ………

お腹も空いたよッ………?

パパ

それぐらい自分でなんとかしろっ!!

パパ

バチンッ!!)

痛ッ………

ポロポロ……

パパ

あー、うるせぇなぁッ!!

ママ

お兄ちゃんたちに帰ってきたらご飯作ってもらいなさい

ママ

パパとママは……

ママ

ちょっとお話するから

………

ママ

返事はッ!!!

ビクッ…、)はぃ……ポロポロ

こんなふうに

育児放棄のようなものを

することも珍しくなかった

       

       

でも

俺が反抗しないだとか

静かにしていたら

カキカキ……)

ここが7×3…

ママ

橙〜?入るわよ〜?))

ええよ〜!

ガチャ)

ママ

まぁっ、お勉強してるのね

ママ

偉いわね〜!ナデナデ)

んへへ笑

俺頑張って誰かの力になりたいから!

なんでも頑張るんや!

ママ

そうなのね笑

ママ

大きくなった橙ママ楽しみだな〜

ママより身長高いかな?

ママ

きっと高いわよ笑

そうやとええなぁっ!

ママ

あ、あと橙

ママ

これ、1.5Lの炭酸水

ママ

3本買ってきてくれる?

(……重たくて1回じゃ買えへん……)

(でもここで本音を言ったらッ……)

ええで!

買ってくる!!

ママ

まぁ、本当?

ママ

優しいわね〜ナデナデ)

……あはは……笑

本音さえ言わなければ

両親は

ヒステリックになることも

暴力を振るうこともなかった

だから、

「本音を隠すこと」

それが最適解だと気付いた

しかし

いつしか

それが当たり前の日常になっていた……

ある日、パパとママ以外の

6人だけの夜があった

紫ぁくん〜…

うん?

どしたの?笑

ギューってsーー

ムグッ……)

本音を言ってしまいそうになると

呼吸が出来ないほどに

口を抑える癖がつくようになった。

んーん、

なんでもない笑

どしたの〜笑

あ、そういや今日大学の課題終わって無いんだった……

片してくる?

でもリビングの片付けとか……

僕らしとくよ?

ほんとっ……?

ありがと!

頑張れ〜!!

みんなで片付けときますっ!

(まだ遊びたかったな……)

プルルルップルルルルルッ)

……はい、紫です)

……ぇ?)

すっ、すぐに病院に向かいますっ!)

どしたんだ〜?

なんかあったよね……

父さんと母さんが……ッ

しんちゅっ……心中してッ

死んじゃった、……って……

……お父さんとお母さんが、…?

心中ってなんですか?

心中っていうのは……

仲良く死んじゃう、ってこと……

(……知ってるけどッ……)

早う病院行かなッ……

グズッ……行こっか………

黄ちゃん抱っこするよ?

橙くんおいで?

……うん

そこから

病院に行って

当たり前だけど

紫ぁくんが言ったように

両親は死んでいて。

思わず目を背けたくなるような

そんな光景を目の前にされた。

見たくもない

両親の死を

見せつけられている

みんな

ただ悲しく、苦しそうに

泣いていた。

俺は……

俺は

少しだけ

「もう本音を隠さなくて良い」

そんな気持ちになってしまった

でも

ここでもはやり

本音を隠して

みんなと同じように

悲しく、辛そうに

泣いてみた。

本音は心の奥の奥の

さらに奥の方にしまって。

      

 

 

両親が死んだあと

俺は

「親無しの子」

というレッテルを

貼られ、

学校でいじめを受けるようになった。

兄たちには隠し

いかにも学校が楽しいと演じていた

そのときの兄たちの顔をみれば

いかにも安心したような

少し笑顔で目を細めていた顔だった。

そうして

何年も歳を重ねて

今日までも何一つ変わらぬ

「演技」

だけで生きている。

  

これが俺の小さな小さな

過去のお話。

「きっといつか……」

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コメント

16

ユーザー

はぁぁ … うん 。 神 だね 。 言葉 の 使い方 が 上手い … レッテル って 言葉 を 出す とか 僕 思い付かない もん … 凄い なぁ …、、 人 の 心 を 掴む 物語 って こう いう 物 なん だな … 勉強 に なり ました わ …

ユーザー

まじ…感動(T ^ T)

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