紫耀side
俺には、幼なじみがいる。毒舌で笑い方が独特で、イケメンで…。褒めてるのかディスってるのか分からないねw
中学までずっと同じ学校で、ずっと隣にいる存在だった。
だけど、そいつは自分の可能性を信じて、自分の道を切り開くために、偏差値の高い高校に入学した。だから、俺とはバラバラになったんだ。
俺も高校に入ったばかりで、色々と忙しくて、ろくに連絡もとれないでいた。
だけど、ある日…
紫耀ママ
紫耀?ちょっといい?
紫耀
うん!
紫耀ママ
あのね、廉くんのことなんだけど…
紫耀
あぁ、廉がどうかした?
紫耀ママ
今、病院に入院してるみたいなの。
紫耀
え!?どういうこと…?
紫耀ママ
高校っていう新しい環境で、なかなか慣れなくて、友達も出来なくて、常に勉強に追い込まれてたみたいなの。それで、結構精神的に参っちゃったみたい…。
紫耀
そ…うなんだ…。
廉、大丈夫なの…?
廉、大丈夫なの…?
紫耀ママ
うん…。廉くんのお母さんも、詳しいことはよく分からないらしいの…。
紫耀
そっか…
紫耀ママ
でも、廉くんが常に紫耀の名前を呟いてるみたいなの。
紫耀
え…?
紫耀ママ
だから、廉くんのお母さんが、紫耀くんにだったら廉も心を開いてくれるんじゃないのかなって言ってて。
紫耀
そうなんだ…。心を開くってどういうこと?
紫耀ママ
廉くん、周りの人が、怖いというか信じられない感じなんだって。いわゆる人間不信ね。不安障害と人間不信だったらしいの…。
紫耀
そっか…。教えてくれてありがと。今週の土曜日、病院行ってみるわ。○○病院だよね?
紫耀ママ
そうよ!
送っていこうか?
送っていこうか?
紫耀
うん!よろしく。
そう。廉。 なんで相談してくれなかったんだよ…。俺がろくに連絡もしなかったのが悪いよな…。
早く廉に会いたい。廉がしんどい思いしてるなら俺が助けてやりたい。
そして、土曜日。 廉の病院へ向かった。