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主
主
主
深夜、人間界の街で事故が起きた。
崩れた建物の下に閉じ込められた人々。
えとは迷わず鎌を握り、魂を見つめた。
死神としての使命——命を刈り取ること。
しかし、心の奥で小さな躊躇が芽生える。
ゆあん
突然の声。
振り返ると、赤い瞳が夜闇に光る。
ゆあんだ。
ゆあん
天使の力で瓦礫を動かし、人々を救おうとするゆあん。
死神の役割と天使の使命がぶつかる瞬間だった。
えと
えとは叫び、鎌を振り上げる。
しかし、救おうとするゆあんの真剣な顔に、刃を止めてしまった。
えと
えと
えとは心の中で葛藤する。
死神としての仕事か、ゆあんへの想いか——。
ゆあんもまた、目の前の光景に迷う。
ゆあん
ゆあん
瓦礫が揺れ、危険が迫る。
瞬間、えとは決めた。
えと
鎌と翼が同時に動き、二人は力を合わせて人々を救う。
救出が終わった時、息を切らす二人。
夜風に髪を揺らし、互いを見つめ合う。
ゆあん
ゆあんの赤い瞳が心配そうに揺れる。
えと
えとの綺麗な瞳に微かな涙が光った。
その瞬間、二人は悟る。
——禁じられた関係でも、互いに支え合うことができる。
夜空には、天界の星も冥界の影も関係ないかのように、静かに光が瞬いていた。