テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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LINE823

第1話 - あ

2023年06月29日

#スカッと

田中俊樹

タカシ

おい！ゴミ！今どうせ暇だろ？

タカシ

俺に今すぐコーヒーとなにか甘いもの買って来いよ！

サン

えぇ......そんなこと言われても今、タカシさんに言われた仕事やってる途中で...

タカシ

あぁ？！

タカシ

何いっちょ前に言い返してるんだよ！

タカシ

お前みたいな仕事のできないゴミを使ってやってるのは

タカシ

俺の温情のおかげなんだぜ？

タカシ

本当に恩知らずなやつだな！

サン

そんなこと言われても......

サン

タカシさんの部下では現在あっても

サン

タカシさんに採用されたわけでもないんですけど......

タカシ

それがどうしたよ？

タカシ

お前ごとき、このエリートである俺にとっちゃホコリみたいなもんだからな！

タカシ

すぐに解雇できるんだよ！

タカシ

わかったか？

サン

はい......逆らって申し訳ありませんでした......

サン

じゃあできるだけ早く買ってきます......

タカシ

できるだけじゃなくて今すぐダッシュで行ってこいや！

サン

いやですから振られた仕事がまだ終わってなくて......

サン

そもそも私に何人分の仕事渡してやらせてるんですか！

サン

周りの同期に比べても軽く3倍はありますよ！

タカシ

だからどうしたんだよ？

タカシ

そもそもお前の仕事がバカみたいに遅いから俺が気を遣って

タカシ

他のやつより成長できるようにしてやってるんだよ！

タカシ

それともお前は成長する気すらない産業廃棄物野郎なのかぁ？

タカシ

いってみろや！

サン

そりゃ、成長はしてますけど先月も今月ももう毎日残業しすぎて頭がおかしくなりそうなんです！

サン

あんなのパワハラ以外のなにものでもないじゃないですか！

タカシ

今日はやけに口ごたえが多いなぁ！

タカシ

あーゴミのせいでイライラするわぁ！まじでいい加減にしろや、本当に！

サン

当たり前のこと言ってるだけなんですけど......

サン

そもそも私の仕事する内容にタカシさんの雑用なんか入ってないですよ！

サン

そんな業務内容なんかどこにもないじゃないですか！

サン

それなのになんでいつまでもこんなことしないといけないんですか！

タカシ

はぁ......じゃあもういいわ

タカシ

その代わりお前明日から始業1時間前にはきて俺の机の上とか公共場所綺麗にしろよ？

タカシ

入って1年とはいってもまだ新人なんだからな

タカシ

そういう当たり前の礼儀ってやつをお前に教えてやるために俺はいるんだからな

サン

なんで就業時間前に来ないといけないんですか......

サン

そういうよくわからない風習ももうやめてほしいです......

タカシ

なに？！そんなこともパワハラだなんだっていうのか！

タカシ

お前本当に何ができるんだよ！

タカシ

仕事に関係することすらできないなんてお前はゴミ以下じゃねーか！

タカシ

お前みたいなやつ、社会にも会社にも要らないんだよ！

サン

そういう暴言もいちいちやめて欲しいです......

サン

本当に毎日出社しててしんどいので......

タカシ

言い訳するなよ！俺の暴言のせいじゃなくてそれはお前の心が弱すぎるんだ！

タカシ

肝に命じとけ！

タカシ

今度そんな弱音をはいたら減給させてやる！

サン

そんなぁ......

サン

無理ばっか言わないでくださいよ

サン

じゃあコーヒーと甘いもの買ってくるので、

サン

今日は許してくださいタカシさん

タカシ

あぁ、最初からそれやっとけばいい話だったんだよ！

タカシ

今度から気をつけろよ！ゴミ！

〜1週間後〜

タカシ

そういえば、お前来週の会社の懇親会の予約とったか？

サン

え、いきなりなんですか......

サン

タカシさんが自分でやるからお前は勝手にするな！ってこの前おっしゃってたので......

サン

全然やってないですよ

タカシ

はぁ？！なんで探してすらいないんだよ！

タカシ

普通、上司が自分がやるって言っても部下はそれをサポートするのが普通だろうが！

タカシ

なんで毎回毎回こんな常識お前にいちいち教えないといけないんだよ！

タカシ

まじでふざけんなよ？

サン

自分で探すしお前みたいな雑魚に任せられないって送ってきたのはタカシさんじゃないですか！

サン

証拠だってありますよ！

タカシ

だーかーらー

タカシ

それを超えてちゃんときづかいするのが社会人だって言ってるんだよ！

タカシ

そんなことすらも分からないのか......

タカシ

いいか？今回の懇親会はめちゃくちゃ大事なんだよ！

タカシ

部署全員が参加する懇親会なんてすごいレアなんだぞ！

タカシ

それを失敗でもしてみろ！

タカシ

本当にお前の首も俺の首も飛ぶぞ！

サン

それが私になんの関係があるんですか......

タカシ

つまりだ、これが成功したら俺の出世は間違いないってことだよ！

タカシ

お前ともようやくおさらばできるんだ！

タカシ

俺の店選びのセンスは抜群だけど

タカシ

そこをお前のために店決めるのを譲ってやろうと思ってさ！

タカシ

確かお前の趣味ってグルメ巡りだろ？美味しい店知ってるだろうからさ！

サン

知ってますけど......懇親会で使えるような店じゃないですよ！

サン

ただの居酒屋とかバーみたいなところばっかりで......

タカシ

いいから予約取れよ！

タカシ

だいぶ探したけど全く良さそうなところがないんだ！

タカシ

お前にも活躍の場がそろそろ必要だろうからさ！

サン

今から予約取れるかなんて分かりませんよ！

サン

人気店ばっかりだから基本数ヶ月は埋まってますし......

タカシ

そこをどうにかするのがお前の仕事だろーが！

タカシ

いいか？今週末までに予約しておけよ？

サン

仕事って......

サン

タカシさんが店見つけれなかったのを私に無理やりやらせてるだけじゃないですか！

サン

行ってる店だって店主がほぼ知り合いですし、そんな無茶言えませんよ！

タカシ

うるせぇよ！

タカシ

黙れ無能！お前みたいな使えない部下は黙って言うこと聞いてろ！

タカシ

そもそも、学歴も収入も俺より遥かに下のお前が毎回毎回俺に向かって偉そうなんだよ！

サン

そこまで言うなら......

サン

知り合いの焼き鳥屋にちょっと聞いてみます

サン

味は確かなんですが、うちの会社でやるとなると人数の方が入るかどうか......

タカシ

それをなんとかするのがお前だろ！！

タカシ

ちゃんとやっとけよ！

〜1週間後〜

サン

あの、先輩......

サン

今日って懇親会当日なんですよね？

タカシ

ああ、そうだぞ！

タカシ

もうみんな集まってるし、社長がいらっしゃったら始めるつもりだよ！

タカシ

お前、なんで来ないんだ？

サン

え？！

サン

私が予約した、焼き鳥屋が会場じゃないんですか？！

タカシ

ん？

タカシ

ああ！

タカシ

そんなこともあったっけなw

サン

え、どういうことですか？もう店主も数十人分焼き始めてますよ？！

タカシ

懇親会の店、そういえば結局俺が決めたんだったわw

タカシ

すまんすまんw

タカシ

そこのキャンセル代とか諸々払っといてよ！

サン

え、ちょっと先輩？！

サン

そんなことできるわけないじゃないですか！

タカシ

やれっていってんだよ！

タカシ

お前が事前に俺に確認しないのが悪いんだろ？

サン

いや、でも先輩私にその店でよろしくって言ってたじゃないですか！

タカシ

お前みたいな無能が紹介する店なんか信頼できるかよ！

タカシ

笑わせるな！

サン

それに、社長もこっちの店で今待ってるんですよ？！

タカシ

へ？

サン

社長だけじゃなくて

サン

部長とかのお偉いさんたちが軒並み待ってるんですけど……

サン

まさか先輩、忘れてたんですか？

タカシ

は、はぁ？！

タカシ

どういうことだよ！

タカシ

そもそも社長とか呼ばないはずだったんじゃないのかよ！

サン

いやぁ、先輩の評価も上がればうれしいなと思って気遣いで呼んじゃいました！

サン

サプライズのつもりだったんですが……

タカシ

ふざけんなよ！

タカシ

みんなはもうこっちのコースで飯も来てるし酒も飲んでる！

タカシ

どうにかしてお前が社長たちに説明しろ！！

タカシ

お前のミスだったってな！

サン

そんなの無理に決まってるじゃないですか笑

サン

そもそも、先輩が変に私にやらせずに最初からその店にしておけばよかったじゃないですか

サン

あ、あともうひとつあるんですけど

タカシ

なんだよ！

タカシ

ただでさえストレスなのにこれ以上ストレスかけようってのかよ！

サン

このライン、社長と一緒に見てるんで全部先輩が言ってたことは筒抜けですよ？

タカシ

ふざけんな！

タカシ

お前最初からそうやって俺の事ハメるつもりだったんだろ！

サン

だからそんなわけないじゃないですか笑

サン

先輩、普通に言ってることおかしいのわかりますか？

サン

理屈もなにもかも破綻しちゃってますよ？

タカシ

あぁ？！

タカシ

そんなわけないに決まってるだろ！

タカシ

お前が無能だから悪いんだ！

タカシ

俺が悪いわけなんてない！

サン

すごいですね……もう本当に救いようないですね……

サン

まずは先輩が私に店を探して予約しろって言ったんですよね？

タカシ

そうだよ！

サン

で、先輩は私が予約した店を無視して当日自分で勝手に予約した上に

サン

私だけを故意に仲間外れにしてその店にいるんですよね？

タカシ

仲間はずれも何も、最初から懇親会にお前は参加させてないし呼んでもない！

タカシ

お前が勝手に来てるだけだ！

サン

はぁ……、それだけだったらまだしも当日にキャンセルさせて私にお金払わせようとしてますよね

サン

そんな幼稚な言い訳が通るわけないじゃないですか

タカシ

うるせぇな！！

タカシ

お前みたいな無能でゴミみたいな仕事しかできない人間が来たら興ざめしちまうだろ！

タカシ

幹事として当たり前のことを俺はしただけじゃねぇかよ！

サン

これ、社長と一緒に見てるの忘れてませんか？

サン

せっかくだから言っておきますけど、先輩からうけたパワハラ全部記録してあるので

サン

私が訴えようとすればいつでも先輩のことを訴えれるんですよ？

タカシ

それこそ脅迫だ！お前の事、逆に訴えてやるからな！

サン

それと、後ろに立ってる社長からの伝言なんですけど

サン

「君の処遇と今までの調査はしっかり行うから、明日社長室に来るように」

サン

とのことですよ

タカシ

はぁ？！なんで社長までお前の味方なんだよ……！

サン

そりゃあパワハラしまくってあげくのはてには

サン

部下をはめようとする人間相手の対応としては当たり前じゃないですか？

タカシ

お前、どんな手を使ったんだよ！ふざけるな！

タカシ

社長、私はこいつにはめられたんです！

タカシ

助けてください！

タカシ

全部こいつの悪だくみで、私はだまされただけなんです！

サン

あ、社長もう帰りましたよ？

サン

明日の調査の時に、頑張って弁解したらいいんじゃないですか？

タカシ

それじゃ遅いから今こうやってるんだろうが！

タカシ

おい！サン！今から社長のところにいって

タカシ

俺の無実を説明してきてくれよ！

サン

なんでハメようとした相手にそんなこと頼んでるんですか笑

サン

無理にきまってるでしょ笑

タカシ

じゃあ俺の出世はどうなるんだよぉ！

サン

そりゃ……ないんじゃないんですか？

サン

流石に……

サン

だって完全に先輩が悪いですし……

タカシ

本当に頼むよぉ！

タカシ

俺が悪かったって認めるから！

タカシ

お前が仕事できそうだから、つい嫉妬しちゃったんだ！

タカシ

な？お前が新人のころ、いっぱい教えてあげたじゃないか！

サン

いや、先輩ずっと私の事ほったらかしてパチンコ行ってましたよね？

サン

都合よすぎですよ

タカシ

そこをなんとか！

タカシ

頼む！俺にも家族がいるんだぁ！

サン

先輩、このまえ自分で家族はいらないって豪語してましたよね？

サン

結婚した私にめちゃめちゃ嫌味言ってましたし、嘘ばかりつかないでください

サン

もう私ができることないんで

サン

とりあえず、頑張ってくださいねー

タカシ

そんなぁ、何とかしてくれよぉ！

サン

無理です

～後日談～

サン

あの後、社長直々の指示で先輩は平社員以下の立場まで降格させられました

サン

社長の温情で、更生できるように会社には残れるようですが

サン

今まで虐めていた人たちに仕事をたくさん振られ、朝から晩まで休みなく働いています

サン

私は先輩に振られていた大量の仕事から解放され、いまでは定時退社も簡単にできるように！

サン

ワークライフバランスの大事さを今回の一件で学びました

サン

これからも楽しく働けるよう頑張ろうと思います！

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