バキッ…ガッ…!
一ノ瀬 琳花
杏
毎日ある暴力。
杏
毎日浴びせられる罵声。
髪を引っ張られ、足で身体中を踏みつけられる。
これが私の日常だ。
一ノ瀬 琳花
泣きそうな目で訴える。
こんなのもう何千回とやってきたけどね。
言っただけでやめてくれたら苦労しないのにな…。
杏
また笑いながら蹴られる。
段々と意識が朦朧としてくる。
一ノ瀬 琳花
杏
杏
足で土下座してるような体制にさせられる。
一ノ瀬 琳花
杏
頭を持ち上げられて彼女はニヤッと笑う。
杏
杏
杏
彼女が教室から出てく時にボソリと呟いた。
杏
一ノ瀬 琳花
シーンと静まり返った教室には私一人。
一ノ瀬 琳花
身体中が痛む。
一ノ瀬 琳花
思い悩んでいる時、ふと校庭に目がいった。
一ノ瀬 琳花
部活中の彼方が居た。
同じ部活の子と仲良さそうに笑いながらボールの打ち合いをしている。
一ノ瀬 琳花
彼方と私は双子の兄弟。
彼方は頭も運動神経も良い。いわゆる文武両道ってやつだ。
それに比べて私は頭も人並み程度、運動神経も特別いい訳では無い。
The平凡。
でも、彼方がずば抜けてなんでも出来ちゃう人だからすぐ比べられる。
「あいつは出来たのに」「彼方君だったらもっと…」
私がどんなに頑張って努力したって全て否定される。
だから私はもう努力することを辞めた。
私に幸せなんてあるのかな…
でも、もういいんだ今日で全部が終わるから。
ヒュオォォォ…
一ノ瀬 琳花
フェンスの下を覗いてみたらそんな声が出る。
一ノ瀬 琳花
ここで落ちたら迷惑になるかもな…
一ノ瀬 琳花
もう考えることさえも辞める。
なーんも考えない。
…でも彼方のことが気がかりだった。
「忌み子」と言われ続けている私に唯一優しくしてくれた。
…最後に会話してこよかな
そう思い、校庭が見える所まで走ってった。
彼方を見つけ大きく息をすいこんだ。
一ノ瀬 琳花
彼方と周りの子達はみんなも驚いてた。
まぁそりゃそうよね…w
最初は驚いてた彼方も大きな声で、
一ノ瀬 彼方
と返してくれた。
一ノ瀬 琳花
一ノ瀬 彼方
彼方の表情が歪む。
一ノ瀬 琳花
一ノ瀬 琳花
一ノ瀬 彼方
こっちに走ってこようとする。
そんな彼方を制するように声を荒らげて叫んだ。
一ノ瀬 琳花
さぁてと、彼方へのお別れの挨拶が済んだところで人生終わりとしましょう。
彼方が登ってくる前に落ちとかないとね。
最初下を覗いた時は怖かった。
でも今は怖いどころか幸せな気持ちだ。
この世の中は腐っている。腐っている世の中を直すのが難しいなら 自分から消えればいいんだ。
一ノ瀬 琳花
初めて感じたしあわせが死ぬ直前なんて…w
一ノ瀬 琳花
フェンスをよじ登る。
靴をしっかり揃えておいておく。
目を瞑って身体を風に任せる。
あとは重力に逆らって落ちていくだけ。
一ノ瀬 琳花
微笑みながら最初で最期のしあわせを噛み締めた。
どうも、きゃらめるらて。です。
死ネタ書いてみました。
相変わらずの駄作ですが、楽しんで頂けたら幸いです。
コメント
11件
ヤバすぎですよ……涙出てきました…
ヤバい。神作すぎて、リピート確定
簡単に言って神ですね!