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本話は 【心霊スポットは知っている】の6〜34ページをそのまま移させて頂きました。 多少言葉遣いが変わっている部分はございますが気にせずにw 次話をまて!
メンバー情報
【目次】 心霊スポットは知っている(P6〜34) あとがき
こんにちは!
私は、立花彩、中1です。
小学校は公立だったのですが、中学受験をして、私立の浜田中学校に入りました。
受験は、親に勧められたこともありますが、最終的には、自分で考えて選んだ道です。
でも本当に入りたかったのは、別の中学校。
それなのにっ!
第一志望も第二志望も落ちてしまって、第三志望だった今の中学しか受からなかったんだ、シクシクシク。
一生懸命勉強したつもりだったのになぁ…
そのことを思い出すと、今でも胸が痛みます。
それでも何とか楽しく毎日を送っていられるのは、KZがあるから
KZというのは、小学校のときに友だちと結成した探偵チームの名前です。
友だちといってもクラスメートではなく、通っていた進学塾「秀明ゼミナール」で知り合った塾友。
秀明ゼミナールは、1つのビル全体が塾になっていて、中にはカフェテリアや談話室もあります。
でも厳しくて、教室内の机の位置は成績順、テストがある度に入れ替わるんだ。
教室自体もそうで、成績上位者は、ビルの上階の方の住人。
KZメンバーは、ほとんど上階にいます。
私は…下の方かな、えへっ。
KZ結成の切っ掛けとなったのは、自転車が盗まれたこと。
その犯人を見つけて、自転車を取り戻すのが目的でした。
私たちは、いくつもの謎を解いて見事に事件を解決しましたが、それがすっかり面白くなってしまって、その後も活動を続けることにしたんです。
何でもないような、ほんの些細な出来事に潜んでいる事件を目ざとく発見し、謎を巡って皆で話し合い、それを解いていくのは、凄く刺激的でワクワクします。
それだけではなく、東大に初めて推薦入試枠ができたときなどは、こういう話で盛り上がったのでした。
「KZ活動は、この新しい入試枠の対象になるはずだ。東大が評価すると言っている個性、学力だけで測ることのできない素質、能力、社会貢献、それらを実証できるのがKZ活動だからな。全行動を記録して、東大に提出するぞ!」
KZのメンバーは、全部で7人。
全員、中1で、それぞれ得意ジャンルを持っています。
リーダーは、若武和臣。
初めて若武に出会ったとき、私は、あ、かっこいいな、と思ってしまった。
今では、あの頃の自分はどうかしていた、いや、はっきり言って馬鹿だったと考えています。
だって、若武は自信家で、恐ろしいほどの目立ちたがり屋で、スタンドプレーが得意、しかもすぐ調子に乗るのです。
人によっては 「けっ、何だよ、あいつは。」 と毛嫌いしています。
でも本人は、まるで気にしていません…少しは気にしてほしいなぁ。
前にお父さんの大学時代の写真を見せてもらいましたが、集団で写っている中で、1番目立つポーズを決めていました。
若武にそっくり!って思ってしまった…。
このお父さんは国際弁護士で、今はニューヨークの弁護士事務所に勤務しています。
家族はそれについて言ってしまったので、若武本人は、それ以前から過ごしていた家で一人住まいをしているのです。
私たちKZは度々、この若竹の家で作戦会議を開きます。
その時には、若武の世話をしている島崎さんが、ドーナツを作ってくれるんです。
その味と言ったら…もう、ウットリしてしまうほど!
だから私は、若竹の家での会議を、すっごく楽しみにしています。
さて若武の取り柄は、法律の知識が豊かなこと。
私たちが日頃、何気なく見過ごしていることが法律的にどうなのか、細かく説明してくれます。
自転車も車両の一種、ということも知ったのは若武の話からでした。
そのため、自転車は、原則として、車道を走らねばならない。スマートフォンを使いながら自転車に乗っていると道路交通法違反で5万円以下の罰金を科せられる、等々も若武から教えてもらいました。
それ以降、自転車に乗る時は気をつけています。
そんな若武の特技は、とても巧みに、自由自在に人の心を操ること。
それで私たちの中では、こう信じられているのです。
「若武は将来、詐欺師になるに違いない!」
若武の成績は、すごくいい時と、悪い時の差があまりにも激しいので「ウェーブの若武」と言われており、本人自身も、かなりの気分屋です。
そのため、若武に電話したり、あったりする時は、いきなり噛みつかれないように注意が必要。
でも、たとえ機嫌が悪くても、よくするのは簡単です。
褒められるのが大好きなので、とにかく褒めれば、次第に上機嫌になってくるからです、ふぅ…。
そんなリーダーの下にいるメンバーは、全部で6人。
上杉和典、小塚和彦、黒木貴和、七鬼忍、美門翼、そして私、立花彩です。
私と若武と忍と翼を除いた3人は、私立の中高一貫男子高校「開成」に通っています。
この学校は、男子の憧れの名門で、この35年間、東大合格者数が全国1位という超ハイレベル校。
実は若武も、この開成を、受験したのです。
でも、落っこちちゃったの。
それで今は、このトラウマを抱えて、公立の中学校に行っています。
では、これからはKZのメンバー1人1人を紹介していきます
まず1人目、上杉和典君。
両親ともに医師で、そのために将来はどちらかの医院を継ぐんじゃないかと思っていますが、本人は、その気がないみたい。
どちらかというと人間嫌いで、それに加えて医学より物理学とか、数学に興味があるようです。
確かに塾内の実力テストや全国規模の模試では、常に数学のトップをキープしていて、付いたあだ名は「数は上杉」です。
高校に入ったら、ミレニアム問題と言われている数学の難問「リーマン予想」を証明したいとの野望を持っています。
これは今、世界中の数学者が、躍起になって取り組んでいる今世紀最大の数学の問題の1つで、アメリカの数学研究所では、懸賞金100万ドルを出して正解を募集しているとか。
でもそれが、具体的にどんなものなのか、私たちの誰にもわかっていません。
何度か聞き、その都度教えてもらっているのですが…どうしても理解できない。
問題自体は「ゼータ関数の非自明なゼロ点の実部は二分の一である」というもので、「そのゼータ関数とは■で定義される数を指す」のだそうです。
上杉くんの言葉によれば「ゼータ関数が複素平面上のどこでゼロになるのか突き止めれば、リーマン予想は証明できる。」とのことなのですが…私にはわかりません。そもそも言葉自体が。
今度は言葉で説明してもらうと、その中に更に難しい言葉がでてくるので、頭の中で?が絡み合ってしまうのです。
上杉くん本人は、クールで理知的、取り戻した表情など見かけたことがありません。
でも何かを考え込むと、彫刻のように固まってしまうのです。
これは数学者に時々、見られる傾向らしく、日本を代表する数学者で東工大のさる教授も、同じ奇跡の持ち主だとか。
また並んでいるものを見ると、それが大根であろうと、テトラポットであろうと、電車であろうと、とにかく全部数えないと気がすまないようです。
上杉君は、どんなことも感情抜きにして理論優先で判断するので激情型のあの若武とは、始終、衝突しています。
事件の調査に当たっては、比を応用して距離を出したり、統計と確率を使って次に来る数字を予想したりと、余人をもって代えがたい才能を発揮し、皆から尊敬されています。
後もう1つ、上杉くんは心理学や病理学に興味を持っていてとても詳しいんです。
勘も鋭い
他人が思っていることをズバズバっと言い当てるので、私にとってはちょっと怖い存在、かな。
それなのに意外に可愛いところもあって、それがチームKZの救いになっています。
そんな部分が見えると私はくすくす笑ってしまう。
人間って、いろんな部分からできていて、とても複雑なんだなぁと実感しています。
2人目は、小塚和彦君。
小塚君は、どこのクラスにも一人は居るような、生物オタクです。
でもただのオタクじゃなくて、別名「シャリの小塚」と呼ばれるほど、社会と理科の成績が良く、何でも知っています。
自宅では、たくさんの生物を育てたり、保護した動物や昆虫の世話をしていたり、夜は星を観察する毎日を送っています。
小塚君のお父さんは生物学者で、フランスのパスツール研究所に勤務している研究員です。
小塚君自身は、とてもおっとりしていて、のんびり屋。
その姿に接していると、癒されます。
でも素早いことが好きな若武なんかは、イラッとするみたいで、時々は小塚君に意地悪をしたり、仲間はずれにしたりします。
そういうシーンを見かけると、私は目くじらを立てて怒るのですが、小塚君は、そんな私をなだめるような人です。
将来は博物学者になりたいらしく、それは動植物と鉱物に関して研究する学者のようです。
でも星にも心惹かれているので、天文学者でもいいかな、と考える時もあるみたい。
で、私が、 「どっちなの?」 と聞くと、その答えは、 「まだ決めれないんだ。でも、ドリトル先生みたいになりたいんだよ。」 でした。
それ、小説だからね、小塚君。
優しくて心穏やかな小塚君にも、悩みはあります。
それは太っていること。
小塚君の家には、叔母さん…つまりお父さんの妹が一緒に住んでいて、趣味がお菓子作りなんです。
で、小塚君のお母さんと一緒に、毎日、せっせとお菓子を作る。
シュークリームとか、アップルパイとか、チョコケーキとか。
それを聞いたとき、私は、わぁいいな、羨ましいと思ったけれど、これが地獄だと小塚くんは言っています。
学校から帰ると、その日に作られたお菓子が出てきて、それを全部食べないと、すっごく悲しそうな顔をされるらしい。
「おいしくないのね。まぁ、どうしよう。どこが悪かったのかしら。すぐ作り直すから、ちょっとまっててね。」
そうするとさらに量が増えるので、それを防ごうとして小塚くんは、最初に出された分を一生懸命食べ…その結果、太ってしまう。
この毒だけれど、なんか…打つ手がない感じです。
だから皆はきっぱりと通告しました。
「もう諦めてさ、そのまま太ってればいいじゃん」
ひどい言い方でしたが、小塚くんは怒ったりはしません。
「え、そうかなぁ。」
そう困ったように、笑うだけです。
それで私はこう言いました。
「太ってるとか痩せてるって、良否の基準にはならないと思う。」
すると小塚くんがいうことには
「良否って何?」
私は、まずそこから説明するところから始めなければなりませんでした。
「良否って言うのは、良いか悪いかってこと。例えば色で言うと、白と赤、どっちがいいとか悪いとかないでしょ?それと同じで、太ってたら✕とか逆に痩せてたら◯ってことはないはず。健康ならどっちでもいいんだよ。気にしなくてもいいと思う。」
小塚君は、陽だまりに座る子犬のように目を細めて笑いました。
とても可愛って見惚れちゃった
さて3人目は、黒木貴和君。
えっと…謎の人物です。
ずっと前に、妹がいるって話を聞いたことがあるけれど、黒木君に関する情報はあとにも先にも、たったそれだけ。
どこに住んでいるのか、両親は何をしているのか、誰にも話さないし、スマートフォンに電話してもでたことがない。
KZの仲間も、実態をよく知らないみたいです。
でも若武を始めとして、みんなが友達扱いをしています。
私にはそれが最初、とても不思議だった。
だって何もわからない子と友達になれたり、する?
けれども最近は、それが男子ってものなのだと考えるようになりました。
女子だと、何から何まで話して、分かり合わないと友達じゃないって雰囲気があるんだもの。
それは、私も窮屈に感じていたので、これからは男子を見習ってもいいなと思っているところです。
何時も落ち着いて余裕のある程度の黒木君は、私たちよりいくつも年上に見えます。
背も高いしね、ほんとに同い年なのかと疑いたくなることも、屡々。
塾での成績はトップクラスの真ん中くらいです。
でも噂によれば、それは本気で勉強していないからで、欠席や早退もかなり多いとか。
何故本気で勉強しないのか、欠席や早退する時には、一体どこに言っているのか誰にもわかりません。、
やっぱりミステリアスな人。
KZ内での役割は、インテリジェンス、つまり、情報収集、分析活動です。
色々な場所、様々な人にコネを持っているので、どんなことでも聞き込んできます。
しかも確実に裏付けをしているので、間違いがない。
KZの調査が成果を上げ、これまで必ず真相を究明できたのは黒木くんの力によるところがとても大きく、偉大なる功労者です。
では4番目七鬼忍君。
私の最初の印象は、凄い苗字の人だなぁ、ということでした。
本家は鳥羽にあり、平安時代から続く名門。
その地域には、七鬼を始めとして「鬼」のつく名前が多いようです。
忍本人は修験道にハマっていて、日本各地にある様々な霊山で修業をするのが趣味。
日夜、心身を鍛え、霊感を磨くための訓練を積んでいます。
そのせいか体が大きく、高校生に間違われることもよくあるそうです。
私と同じ学校、同じクラスですが、学校に来て授業に時間を使うのが無意味に思えたらしく、入学以来、登校したことがありませんでした。
でもkz活動に協力してもらったのが切っ掛けでメンバーに入り、秀明にも入塾、それとともに登校するようになりました。
特技は、コンピューターのプログラミング。
捨てられていたパソコンを60台近く集め、それをつないでスーパーコンピューターを作ったこともあります。
壊れたり、水没したり、削除されたりしているスマートフォンのデータを復元することができる。
アメリカのプログラミング大会や、ゲーム開発ソフト大会で優勝したので、一躍、日本のIT関係者にも名前を知られるようになり、それが縁で警察から声をかけられて、CWという組織に入って協力しています。
CWというのは、サバイバーウォッチャーの略。
県の警察が、ネット犯罪を防ぐだめに民間人にネットパトロールを委託しているのだけれど、それの1人なんだ。
ネット内を見回して、自殺者を募集する書き込みをチェックしたり、オークションに出品されているものの中に盗品が混じってないかと調べたりしているみたい。
この春には、最高検が新設した「先端犯罪検察ユニットJPEC」の協力員となって、張り切っています。
その性格は、えっと……天然
一緒に居て困ることはありますが、無邪気なので憎めず、やれやれと思いながらフォローしています。
よし、5人目は、美門翼君。
いかにも今風のやんちゃな子で、オリンピックの正式種目にもなったブレイキンというダンスを、幼稚園の頃から習っていたという話です。
将来は、そのダンスで行きていこうと決めていた時期もあったようですが、筑駒を受験することになったため、きっぱりと辞めたと言っていました。
勉強一筋の生活に入ったわけですが、残念なことに筑駒には、合格できなかった。
それで失意を抱えて、うちの学校にやってきたのです。
当初は、やる気を失った状態でしたが、KZに入って、とても元気になり、若武のいないときには、代わりにリーダーを務める活躍ぶり。
ちびと呼ばれることもある若武と同じくらいの背丈で、癖のない髪とか、凛とした感じの目とか、よく似ているところもあり、若武は内心、ライバル視しています。
成績は、上杉君や小塚君みたいにずば抜けてトップに立てるような科目はありませんが、いつも、上位の十番以内。
どの科目も平均として高い点を取ることができるためで、秀明ゼミナールでは、こういう塾生のことを「総合で稼ぐタイプ」と呼んでいます。
翼の家は、おじいさんがフランスでデザイナーをしているアメリカ人、おばあさんがフランス人、お父さんが日本企業に就職したフランス人、お母さんが日本人というグローバル1家。
翼自信は、色が白く、顔立ちも繊細で、とても綺麗、美少年という形容詞がぴったりです
口癖は、語尾に「でしょ」をつけること。
男子はよく「そうだろ」と言いますが、翼は「そうでしょ」というのです。
優しい言い方で、可愛らしく、その顔立ちによく似合っています。
特徴的な能力は、圧倒的に優れている嗅覚
まるで空港で活躍する麻薬探知犬のように何でも嗅ぎ分けます。
そのため若武から、犬扱いされることもあるのですが、そんな時は必ず、冷酷非情な仕返しを企む悪賢さも兼ねそろえています。
こういうときの翼を、私は、ブラック翼と呼んでいます。
また歴史に造詣が深く、世界史についても日本史についても、起こった出来事やその年の元号、文化だけでなく、これらが後世に与えた影響を知っていて、自分なりの歴史観を持っています。
初めは家族のルーツであるフランス史を知りたくて色々と調べていたらドイツなどヨーロッパ大陸の国々の密接な関係を持っていることが分かり、またイギリスとは長年にわたって仇敵の間柄で、戦ったり婚姻関係を結んだりしているので、これらも知る必要ができて、次第に詳しくなってしまったのだとか。、
これらに時間がかかり、日本について調べ始めたのはごく最近で、1番詳しくないのは日本のことだそうです。
そんな翼が、うちの学校にいたのは、ほんのしばらくの間だけ。
やがて転入試験を受け、上杉くんたちの通う開成に転校していってしまいました。
それでうちの学校の女子たちは翼ロスです。クスクスクス
では、最後に私、立花彩。
将来の夢は、童話作家になることです。
父は、商社の東京本社に勤務。
海外に出張したりら短期滞在したりすることもよくあって、そんな時はお土産を買ってきてくれます、楽しみ!
色んなことに寛容で、優しく、知識も豊富で、センスも良く、私の理想の男性です。
将来は、父のような人と結婚したいと思っています。
母は専業主婦ですが、性格的には…かなり問題があります。
家族は皆、それを母の個性として理解して、まぁ我慢しています。
「どうしてママと結婚したの?」
以前父に聞いたとき、その答えはこうでした。
「僕がそばにいてやらないと、この人はダメになりそうだから、かな」
その時私は思ったのです、それって…夫と言うよりボランティアなんじゃないかって
兄妹は、兄と妹が1人ずつ。
兄は高3で無口、私とはあまり話しません。
妹には優しいのですが…
家いないことが多く、姿を見かけると、あ、久しぶりって思うくらい
大学受験の追い込みで忙しいはずなのに、部活のラグビー部は続けているし、バイトとか言って、アイドルユニットのバックダンサーをしています。
母は憤慨していますが、自分の好きなことだけに夢中になり、邁進するその姿は、ママとそっくり!と私は思っています。
妹は、学校の授業をしっかり聞いておらず、ずっと問題児扱いされていました。
けれどもIQが非常に高いことがわかり、そのために小学校レベルの学習内容なんかは一瞬で理解してしまい、時間が余って退屈してしまうのだと判明。
母は嬉しいような、困ったような複雑な心境のようですが、私に言わせれば、妹はただのマヌケです。
だって錦鯉のことを、きれいな金魚と言ったり、鹿は空を飛ぶって信じていて、証拠を見せると持ってきたのがサンタクロースのそりを引いているトナカイだったり、夕飯に出てきたステーキを見て、血が出ててかわいそう、お薬塗ってあげたい、と薬箱を持ってきたりするんです。
極めつけが、幼稚園の時からのボーイフレンドとの会話。
新年の挨拶にやってきたBFが 「あけましておめでとう」 と言ったとき、うちの妹はしばし沈黙して、何やら考えていて、やがてこう言ったんです 「ありがとう」
ばか!っと叱りつけたい私でした。
でも優しくて可愛らしいとこもあり、家の中ではオアシス的な存在。
さて、私の成績ですが、平均して中の上か、中の中くらい
国語と英語だけは、学校で5番目から10番目以内に入るのですが、他の教科、特に数学が足を引っ張るからです。
KZ活動においては、書記を担当、会議の時には議事を記録し、事件ノートとしてまとめています。
なかなか時間がかかりますが、私の唯一の取り柄は国語力なので、まぁふさわしい役目かな、と納得しています。
会議が開かれるのは、主に事件の調査をする手順を決めたり、その報告をしたりするとき。
でも、事件というのは、そうめったに起こりません
事件がないとKZの存続が危うくなるので私たちは何時も事件を探しています。
探偵の立場なのに事件を探しに歩く…これは結構情けないことなので早く探偵チームKZの名前を轟かせ、事件の依頼が来るようにしたい、というのが皆の願いです。
特にリーダーの若武は、自分が目立ちたいという気持ちもあって、有名になることを強く希望しています。
事件が起こらないとき、私たちは、教養会議を開くために集まります。
これは各自が興味を持っていること、疑問に思っていることなどを発表し、それについて話し合うもの。
今の学習や生活、KZ活動に直接役に立つわけではありませんが、様々な話題に触れることで、心の幅を広げられるし、自分が豊かになったような気持ちになります。
この、教養会議で覚えた言葉もたくさんあります。
例えば、 ダイバーシティ、多様性 エビデンス、科学的根拠 ステークホルダー、利害関係者 リテラシー、判断能力、プライオリティー、優先順位、なんかかな
これらの言葉は、単に耳にしただけではなく、それらについていろいろ話し合ったので、しっかりと馴染み、使えるようになりました。
それからダンゴムシは、虫ではなくエビの仲間だとか、アマガエルは自動車の雑音で動きが鈍くなるから交通事故に遭いにくいだとか、クマゼミの羽には雑菌効果があるとか。
あっ、もっとスケールの大きい話もしたりします。
例えば、地球温暖化が進むと、シベリアやグリーンランドにある大量の凍土が溶け出し、そこに含まれる水銀が放出され、微生物の働きで猛毒のメチル水銀に変わり、炭に流れ込んで広がるからとても危険だとか…。
動物や環境に関する話は、小塚君のお得意です。
上杉くんは、日本人が最近、証明に成功して世界中で話題になった数学の難問「ABC予想」について詳しく説明してくれました。
何回でしたがね…
また、数学で偉業を成し遂げた研究者についても話してくれ、特に女性で素晴らしい定理を発見した数学者の生涯について聞いたときには、とても刺激になりました。
数学が嫌いな私でも、頑張ればマスターできるかもしれない、と思ったのです。
翼は古今東西の歴史やその裏に隠された以外な真実を話してくれます。
忍はIT関係やゲーム、eスポーツの話が多いかな。
それらを聞いていると、今のトレンドが良く分かり、とても参考になります。
また、忍は修験道にも励んでいるので、怨霊や祟のことなども頻繁に話に上がります。
日本三大怨霊の話が出た時には、忍と翼の二人がかりでした。
その怨霊がどんな災いをもたらしたのかを忍が解説し、その歴史的背景や人物像について翼が説明したのです。
それはすっごく面白かったし、音量の凄さに身震いしてました。
また、翼がフランスの皇帝ナポレオンの話をしたときには、上杉くんが、ナポレオンが戦いに勝てたのは何故かについて補足しました。
ナポレオンは数学が得意で、砲兵隊の将校だったころ、大砲の弾道や速度、砲戦部室の角度を性格に計算でき、命中率が抜群に上がったから、だそうです。
他には、全員で検討課題を決めて話し合うこともあります。
例えば「不便と安全、便利と危険はそれぞれ比例するか」とか、「幸福は、どういう言葉で定義できるか」とか。
それぞれが言い分を主張するので、舌戦になることもありますが、それによってお互いの考えを知ることができ、自分の幅を広げられると思っています。
できれば冷静に話し合いたいのですが、喧嘩になってしまったり、誰かがふてくされたり、拗ねたりすることもあります。
でも、いつの間にかもとに戻るんです。
不思議
事件が起こらなくても、私達は良く集まり、あーでもない、こーでもないとワイワイ騒いでいます。
こんな私たちが出会ったいくつかの事件、それらを通じて考えたことなどをこれからお話します。
どうぞ
読んでね!
まな
これからの物語について
体調不良やイベントを中心として投稿していくと思います。 ネタバレを挟むことがございます。 二次創作です。夢小説ではございません。 投稿頻度は随時、物語の最後に提示させていただきます。
まな
メンバー情報付け足し
黒木貴和)両親は本物ではなく、シャーレで生まれた黒木を現親が引き取った
まな
次回投稿:立花彩体調不良① 投稿予定:6月14日